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[蛋白質の変性]食生活について語ろう

2023年04月29日 | 美容ダイエット

・蛋白質の変性Denaturation of proteinsたんぱくしつのへんせい
  一般的にタンパク質は、-20℃~-80℃での冷凍室のような凍結乾燥状態ではほぼ安定的に保存できます。条件によっては軟化、スポンジ化してタンパク質の変性、変化することもあり冷凍変性といいます。
 常温以上などでは時間の経過とともに溶解後のタンパク質では分解や活性能力低下が生じてきます。 タンパク質濃度により4℃で数日から4週間ほどは安定ですが、長期間の保管には無菌的環境での保存、防腐剤などを必要とします。

60℃以上の熱や高濃度の酸・アルカリにさらされること、低温、圧力等によって、無数に連なっているアミノ酸の高次構造が破壊をうけ、タンパク質の性質、機能が失われ変化し、これを変性と呼んでいます。タンパク質がその働きを失うことを失活(しっかつ)といいます。通常のタンパク質の熱変性は、80℃を超えるとタンパク質が凝集を起こして不可逆となります。
タンパク質は、加熱、酸度・アルカリ度の高いpHにさらされることにより、アミノ基とカルボキシル基の両方を持つ有機化合物のアミノ酸が数多く連結してできた高分子であることから、通常、それぞれの蛋白質を形作る特別な立体構造を保っています。 立体構造を保つにはアミノ酸とアミノ酸の間に働く水素結合という力が働いています。 熱を加えていくと水素結合が切断されるのです。 水素結合が切断されると立体構造が崩れてしまいます。
  食肉(筋組織)を構成する筋原線維は加熱により特に短時間加熱の調理法では、結合組織の多い肉ほど硬くなり、たんぱく質が変性し、線維状に収縮・凝固します。 その間を満たしていた、たんぱく質も豆腐状に凝固しています。 さらに肉を長時間湿式加熱する事により、結合組織が弱くなり、固くなっていた筋組織はもろく、ほぐれます。そのうちおよそ23%がヒスチジン、9%がアスパラギン酸、4%がグルタミン酸です。ほぐれやすい状態に変化していくのです。
タンパク質は主に水素・炭素・窒素・酸素から構成のアミノ酸が鎖状に多数連結してできた分子で、その種類は、設計図DNAの遺伝子によってその数と並び方を決めDNAに書き込まれているのです。
タンパク質の中には、Fe、Cu(銅)、Mn(マンガン)、Cr(クロム)、V(バナジウム)など様々な金属イオン(陽イオン:還元剤となる)を含んでいる金属結合蛋白質があります。金属イオンの結合は、通常、ヒスチジンまたはシステイン(Cys)を介して達成しているようです。ヒスチジンに富む金属結合タンパク質は、特にニッケル・コバルト・銅結合タンパク質に見られます。そのうち23%がヒスチジン、9%がアスパラギン酸、4%がグルタミン酸としています。ヒスチジン(His:塩基性アミノ酸)やシステインもありそれで、中性(pH6~8)の領域でキレート(挟み込む)状態の金属と複合体を形成します。したがって、これらの金属結合構造化ドメイン(かたまり)は、同様のアミノ酸含有量のヒスチジン高含有金属結合タンパク質は金属イオンの親和性はZn>Cu>Ni>Mnの順としています。
アミノ酸の中にはNi2+、Zn2+、Cu2+、Ca2+、Co2+、Fe2+などの二価の金属と親和性が高く銅(II)イオンCu2+ や鉛イオンPb2+ などの重金属(比重4以上)イオンを加えると、重金属イオンが内部の金属イオンと置換するために、タンパク質の機能が失われることもあり、 このようなときも、変性と呼んでいます。
 変性を一度受けた変性のタンパク質は基本的には簡単には元には戻りません。変性を元に戻す方法としては、化学薬品を加えたり、さらに物理的な圧力をかけるなど複雑で労力を要しています。

  人体における蛋白質の変性で疾病の要因ともなります。タンパク質凝集の病気として知られるようになりました。異常なタンパク質の凝集などを伴い、神経細胞が損傷するために起きると考えられ 前頭側頭葉変性症(FTLD)、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、プリオン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などがあります。ストレスや生活習慣など様々にその原因があると言われています。体の中のタンパク質の変性を起こさないためにもバランスの取れた食事、適度な睡眠、運動やストレスのためない生活を送ることが大切なのではないでしょうか。

  タンパク質を原料として作られる食品の多くが、変性の原理を利用して作られ数多く見られています。
 焼肉・ハンバーグ・焼売・焼き魚:加熱の熱変性
 納豆:加熱・納豆菌  豆腐:加熱  豆乳:加熱  湯葉:加熱 凍み豆腐:凍結
ゆで卵 :加熱.  ピータン(皮蛋):アルカリ変性
:チーズ:酸・酵素 ヨーグルト:酸
:かまぼこ:食塩・加熱
ゼラチン:熱変性
海老類には、ベタイン、グリシン、グルタミン酸などの特有の旨み成分を含みます。加熱により色素タンパク質の変性によりアスタキサンチン(抗酸化作用)の赤い色素を遊離するのです。
などが知られています。

ペプチドとは、タンパク質が分解して、アミノ酸が2から49個程度複数結合した状態の物質の総称です。
 人体でタンパク質はペプチド・アミノ酸にと分解して、腸から消化吸収しています。肝臓では、取り込んだアミノ酸を体内で必要なさまざまなタンパク質に作り替えます。アミノ酸として再利用もあり、不要になれば肝臓で尿素に変わり、腎臓に送られて尿として排泄しています。
タンパク質を必要以上に摂りすぎると、消化の過程で肝臓や腎臓に負担をかけるため、内蔵疲労を起こす可能性があります。 食事で摂取したタンパク質は、体内でアミノ酸に分解、合成を繰り返します。栄養として吸収されず、体外に排出となることもあります。 
DNA(遺伝情報の蓄積・継承と発現を担う)の二本のポリヌクレオチド鎖は、塩基間の水素結合により安定化しています。ちなみにRNAは 情報の一時的な処理 を担い、DNA と比べて、必要に応じて合成・分解される頻度は顕著です。ところがDNA溶液をアルカリ性にすると、グアニンの1位のNやチミンの3位のNが脱プロトン化して水素イオンH+を放出するため、DNAは変性します。


 人類が急激な進化をとげた原因としているのは、火を使用して加熱調理をはじめたことにあるとする説が聞かれます。加熱調理、食物を変性させることにより、軟らかくなり摂取しやすく消化吸収率がよくなります。さらに保存性の向上にも寄与することもあります。タンパク質(肉・魚・卵・大豆)以外にも炭水化物(米・小麦・トウモロコシ)、野菜・果物(ビタミン・ミネラル)、油脂類などの栄養素を効率的に吸収できるようになりました。

 

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