・木蓮・木蘭 Lily magnolia もくれん
モクレン科、中国の湖北省付近の原産、世界の温帯地域で栽培。日本各地で庭木、公園に植栽している。飛鳥・天平時代に僧侶の着る衣を木蘭(もくれん)染めといい、古くから日本に渡来したことが知られる。
名の由来は漢名木蘭(もくれん)をそのまま使い、木に咲く蓮の花といった意味で木蓮の字が当てられている。花譜(かふ/1694)貝原益軒著には、玉蘭花(もくれんげ)として「紫白二色あり。花大なり。紫は花よからず。白きをまされりとす」との記述がある。小野蘭山(おのらんざん)の江戸時代には、紅紫色の花を、漢名で木蘭(もくれん)、モクレンゲ、シモクレンとして、白色の花の白木蘭(はくもくれん)を、漢名玉蘭(もくれん)としている。
樹皮は灰白色でなめらかな落葉低木~小高木で高さ3~5m、葉は互生、倒卵形(とうらんけい)、葉縁(ようえん)は 滑らかで凹凸が無い全縁(ぜんえん)、先端は短く尖る、長さ8~20cm、幅4~10cm、花芽は大きく長白軟毛に覆われ、花は3~4月、葉の出る前に白色、紅紫色の大型の花を上向きに半開する。花は外側の花被片3枚は小さくがく状、内側6枚は花弁状、直径約10cm、雄しべ、雌しべは多数ある。チューリップのように半開きになって、大きさが8~10センチくらい花が上の方向へ向いて咲く。
果実は、長楕円形で袋果が集まった集合果、種子は赤い。花の咲く前2~3月頃に蕾を採取して日干しにしたものを生薬名で辛夷(しんい)と呼びモクレン科のコブシ、タムシバ、ハクモン又はモクレンの毛皮状の包葉で包まれた花蕾(からい)のことをいう。精油しシトラール(抗菌)、シネオール(血行促進)、オイゲノール(抗酸化)、クエン酸(疲労回復)などを含む。蓄膿症、鼻炎に用いる。
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