遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

エイミー・S・ウェバー監督『ガール・ライク・ハー』(2015年)

2018-05-18 01:09:36 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

A Girl Like Her Official Trailer 1 (2015) - Lexi Ainsworth Movie HD

2018/5/17

・女子高生のイジメ起因の自殺未遂を、彼女自身、加害者、ドキュメンタリー(たぶん)の製作者、それぞれが撮った映像を構成しなおした話。

・被害者が恋人の勧めで、小さなアクセサリーにカメラを仕込み、ほとんど彼女の目線で彼女の身に起こったことを記録している。

・なので、いじめのシーンは、客観的に見るには難しい距離感で映っている。

・ほとんど視界の外から攻撃されているので、何がなんだかわかんないうちにひどいダメージを受ける。

・被害者の怒りではなく混乱ぶりが伝わってくる。

・客観的に観れば、もっと戦うべきだし、人に相談するべきだし、逃げるべきなんだけど、なんだかわかんないうちに被害を受けているので、適切な行動が取れない。

・フィクションなのに、それぞれの映像が残っている理由がしっかりしているので、いつのまにかドキュメンタリーを観ているような感覚になってしまう。

・題材と撮り方が完全に一致している。

・ドキュメンタリーの製作者は関係者に次々とインタビューをしていく。

・その中には当然加害者側の女子もいる。

・直接彼女を責めるようなことをせずに、カメラを持たせて、自分語りをさせるように仕向ける。

・この製作者の語り口が、相手を否定せず、淡々と相槌を打ち、新しいことを提案する。知性があふれている。心療科のカウンセラーみたい。

・ボロボロの状態で励まされていた人が、時間を置いて励ます側にまわる重ね方がうまい。

・クライマックスに幸せな時の映像挟むのずるい。

・「約束したから見せない」という誠実な人間がどんどん損をする構造。

・加害者にどうやって反省させるのか。

・結局、被害者側が反撃に転じることができたのは映像が残っているからだと思うと救いがない。世の中のだいたいのイジメはスルーされてしまう。

・一方で今の技術ならいくらでも隠し撮りできるという事実をもっと世の中に広めて、加害者側にプレッシャーをかけたほうがいい。

・「続きはWEBで」というエンディングは斬新すぎる。とりあえず日本語版を探したい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする