遠藤雷太のうろうろブログ

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ロバート・ルケティック監督『キューティ・ブロンド』(2001年)

2024-11-13 01:54:25 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2024/11/12

・金持ちで容姿も派手なエルが、政治家志望の元カレとヨリを戻すため、彼と一緒のハーバード大学のロースクールに進学して大活躍する話。

・あらすじを書いてみるとスッカスカな話に思えるが、女性蔑視という裏テーマがあって油断ならない。

・エルがフラれたのは、金髪でスタイルもいいという見た目が代議士の妻にふさわしくないという理由。

・SNSで「容姿の良い女性は男からチヤホヤされて得だと言われがちだが、むしろハイリスクハイリターンの人生を強要されるから大変なんだ」という投稿を見た。

・自分には縁のない話だけど、好きでもない男に付きまとわれる煩わしさや危なさぐらいなら想像できる。

・本作では、「金持ちで容姿がいい女は頭が悪い」という身もふたもない偏見がベースになっている。

・エルの派手さは学問としてファッションを学んでいることが前提にあるし、実際優秀な成績をおさめている。

・加えてイベントの企画を積極的に行い、友人たちからの信頼も厚い。育ちも年齢も全然違うネイルのおばちゃんとは親友のように付き合っている。

・あそこに出てきた無駄にセクシーなおじさん、重要人物かと思ったら、ただのセクシーなおじさんだった。

・彼女が本気で勉強すればハーバード大学にも入れる。ちょっと頭がいいというレベルではない。

・そんな傑物が、金髪でスタイルがいいという理由で不要に貶められている。

・たしかにチワワ同伴でロースクールに現れる彼女は明らかに浮いている。

・そんな彼女と、見た目が地味なだけで基本優秀な教師や生徒たちとぶつかる。その瞬間がおもしろい。

・仮装パーティーに真正面から向き合っている姿に笑った。全力で腕が振れている感じに好感が持てる。

・やがて彼女はうまく自分のスタイルを微調整して環境に適応する。賢い。

・何でもかんでもとんとん拍子で進むというライトコメディらしい進行を逆手にとって、貶められていたエルが本来の能力を発揮していく様子と重ねる。

・ライバル女をすぐに許してしまうのは軽すぎると感じたけど、そのあたりも彼女の懐の深さと解釈できた。

・あと、元カレの浅はかさが不憫だった。

・中終盤のかつての敵が味方に変わっていく感じや、最終的に法律ではなく、美容の知識で問題を解決しているところがとてもきれいだった。

・自分も僻みっぽい性格なので、容姿の良い人は性格が悪いとか頭が悪いとか何かしらの欠点を持っていていほしいと願ってしまいがち。できるだけ惑わされずに生きていきたい。

(U-NEXT)


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