きまぐれポニーテールさんの「Pair Play Parade」札幌・東京公演全日程が終了しました。
ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
今回は自分のかかわったお話と、各作品、東京生活の感想を簡単に書いてまとめとさせていただきます。
なお、画像は宣伝デザインのむらかみなおさんによるものです。
遠藤(雷)は『まわるる』という作品の脚本と演出を担当しました。
亡くなったある男を巡って、初対面の女性二人が観覧車のゴンドラ内で主導権を奪い合う話です。
以前『箱』という上下に動くエレベーターの話を書いたので、今度は回転移動するゴンドラの話にしました。
モデルになったのは札幌市内にあるあの観覧車です。
臨場感を出すために、実際のゴンドラよりもかなり狭い演技スペースにしています。
なお、劇中に登場するあのチケットは実在します。
その存在を知った時は「なぜ?誰が?いつ?」と激しく混乱したものです。
演じていただいたのは、きまぐれポニーテール主宰の寺地ユイさんと、パインソーの山崎亜莉紗さん。
二人芝居の本質は対立だと思っているので、できるだけシンプルに、寺地さんと山崎さんの演技合戦が堪能できるよう作ったつもりです。
まだまだ掘れる話なので、機会あれば再演もアリかなと思ったりしています。
『烏骨鶏の骨』
・札幌公演の特別企画。
・自死をサポートする業者とそのお客さんの話。
・短編小説を三次元化したような後味。
・菊池寛の『身投げ救助業』をちょっと連想する。
・役者さん2人はこの座組みの中で最年少コンビ。
・若いながらも老獪かつ変則的な台詞回しで攻める佐藤優将くんと、それに惑わずサクサク進行する髙倉綾乃さん。
・折角の若さを爽やかさではなく暗さに使っている。
・目先の面白さに飛びつかずストイックかつ丁寧に仕上げている。
『寝るとひらく扉』
・東京公演のゲスト組。
・記憶を失い、閉じ込められた二人が謎の部屋から脱出しようとする話。
・最初の選曲が東京公演のスターターに相応しい。
・こういうのホントは北海道組がやらなきゃいけなかったのではと思ったりもする。
・最初のカホンのリズムで台詞をかけあうところが楽しい。
・二人芝居フェスなのに始まって明るくなるといきなり三人いる。
・サイトータツミチさんのキレキレの肉体と、本業は朗読という飯干大嵩さんの言葉、そして隙あらば役者さん以上の存在感を出してくるカホン奏者Yoshiyaさんの3WAYマッチ。
・11/30~12/1、飯干大嵩さんが主催する朗読会「VIVID」が札幌であるそう。行きたい。
『生まじめ Sting Ting』
・少年とじじいが世界の災厄と戦う話。あるいは奇祭。
・遠藤洋平くんの過去の一人芝居も祝祭感が強かったけど、二人いると関係性が生まれるので、いつもどおりやっていても物語っぽく見えてくる。
・好き勝手やってるようで、小道具(ウェハース、シール、ちんちん)の使い回し方がうまい。
・ホームとも言える世界観で狂気を炸裂させる遠藤くんと、相手の領域内でもしっかりその狂気をを受け止める木山正大くん。矛と盾。
・セッション、心電図の音、箱のソト見など、小ネタが一々おもしろく、何度見ても笑ってしまう。悔しい。
・木山君のチャゼル感。ほんとはお客さんを選ぶネタは好きじゃないので、みんながセッション見ればいいんだと思う。
『チワワ・スタンプ・インシュランス』
・落ち目のイラストレーターが同棲中の彼女から目茶目茶怒られる話。
・20分以内で収める注文どおりの脚本。話とは関係ないところで静かに反省する。
・あの『言いにくいコトは、、』で俳優賞をとった熊谷嶺くんを向こうに回して、池江蘭さんは圧倒的な手数と正論でねじ伏せる役割。
・やる気満々で先輩を刺しにいく後輩が頼もしすぎる(実年齢はそんなにかわらないはずだけど)。
・大の大人が正論で思いっきり怒られて半泣きになる展開の切れ味。
・やられればやられるほどかわいいという受けの美学的な展開にほっこりする。
各作品の感想はこんな感じです。
東京生活では、着いて早々ひどい股ずれを発症してしまい、日に日に歩くのもしんどい状態になっていました。
公演と打ち上げ終了後に、近くにいた遠藤洋平くんにそのことを愚痴ったら、ちょっと強引に大きめの荷物をひとつ持ってくれました。
あんな作品作っといて、やさしいのはずるいよね(いい話風にまとめたつもり)。
※東京滞在中、唯一と言っていい個人的なお楽しみ。千駄ヶ谷の将棋会館へ。扇子の言葉は孟子らしいけど、原典のニュアンスは置いといて、脚本を書くときに励みにしたい言葉。(この画像だけ、さっき自分で撮った)
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