2024/6/1
・真面目でつまらない博士が性格を反転(狂暴化?)させる薬の発明に失敗し、研究結果の発表前日になって、たまたま目に付いた舞台役者にサクラをお願いする話。
・博士が片岡愛之助、その助手が迫田孝也、博士の婚約者が優香、サクラの舞台役者が藤井隆の四人芝居。
・演者の存在感をしっかり感じることができて、それなりに複雑な話が作れるという、いいトコ取りの四人芝居。
・博士と助手の関係性が不穏。博士のほうが地位的には上なのに助手のほうが主導権を握っている。
・不穏な理由は特に明かされないはず。
・人間関係がすっきりしていて、何が起きているのか全部わかるお話の中で、謎めいた助手の存在がいいアクセントになっていた。
・藤井隆が登場から汗だく。顔がピカピカしている。何かの伏線のように見える。
・薬によって人格が反転してしまう演技は、役者としての見せ場だと思うけど、本作では本職の俳優ではない優香と藤井隆がその役を担っている。
・本職ではないと言っても、藤井隆の演技の手数の多さはさすがだし、意図的なのか何なのか、同じような豹変シーンがたくさんあるのに、少しずつ見せ方が違う。
・彼には、暴力性は高め、ただし性的な方向はNG、そして目の前には性的に積極的な女性がいるという理不尽な演技を求めらる。かわいそうなぶん、おもしろい。
・優香が出演する舞台は初めて見た。器用な人というイメージはなかったけど、思い切りのよさと意外性のある演技で、実質本作の主人公と言ってもいい活躍だった。
・恥ずかしくて死にたいという演技で、右の壁、左の壁に思いっきり体当たりしている。斬新。
・最初のモノローグもとてもよくわかる。
・志村けんイズムみたいなものはあるのかな。ないはずはないか。
・彼女が突飛な行動をするたびに、藤井隆が演技を超えた芸人特有の条件反射で都度ツッコミを入れていた。
・終盤に人間ドラマとは別のシチュエーションコメディとしてのクライマックスがある。こういうのがあるのとないのとでは大違い。プロローグの回収にもなっている。
・「あいつが一番悪い」というセリフ。見ている人全員がそう思ったはず。
(早稲田演劇博物館JDTA)
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