2024/5/19
・2016年のアヴィニョン演劇祭で上演された、15国籍23人のダンサーとミュージシャンによるパフォーマンス。
・女性の一人語りから始まる。AIのような無機質な語り口で言語としての身振りについて語る。手話のようにも見えるがだんだん複雑化していって、人間として見るには不自然な機械的な動きになっていく。
・次に登場人物が集まってきて同じように動くんだけど、見た目も服装もバラバラで、同調性は強調せずに、同じ振り付けで動くことで違う部分をわかりやすく見せている感じ。
・多国籍の演者たちが言葉、踊り、歌、それぞれの異なる見せ方で小さなシーンを作って、それらを組み合わせて構成している。
・こういう作品だと、全体に対して今がどれくらいなのかわかりにくいので、どんなに高度なことをやっていても長く感じてしまいがち。
・5大陸を表現しているという巨大な直方体の枠を組み合わせて様々な場面を作っている。何か具体的なものの置き換えることもあれば、抽象絵画っぽくもなる。
・あんなに大きくて細い枠なのに、演者が乗ってもゆがんだりしない。何で作ったらそうなるんだろう。
・ダンス批評のシーンに対して笑いが起きていた。観客のダンスリテラシーがかなり高い。
・移動するとだんだん人間から類人猿に変化していくところがおもしろい。
・日本人もいる。知らない言語に交じって日本語が聞こえてくるのが不思議な感じ。
・最後のほうに、バベルらしく、各演者がそれぞれの国籍の言語のよさをアピールしながらケンカになっていく。
・日本語がまあまあ良い扱いされていた。関西弁だった。
・いて当然の中国人がいたかどうかはわからなかった。少なくともあんまり目立つ感じではなかった。
・終盤になって登場人物が再び横一列になって二人三脚のような動きをする。たどたどしくても慎重に。まるで今の雑で単純化してしまいしがちな世の中全体に求められている態度のようだった。
・バベルの塔の話は神様に言語をバラバラにされたことによる人類の不幸だったけど、彼らの様子を見ていると、言語も含めて全然違う人間がいるからこそ楽しいんだという主張に思えて、勝手に感動した。
(U-NEXT)
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