2023/11/10
・短編演劇4作品、映像作品2作品のオムニバス公演。
・オープニングの映像が素敵。20人もの出演者を実在するテレビ番組のパロディ風に紹介する。遠藤洋平くんのどうでしょう風の紹介が好き。もっと売れてほしい。
・『緑の神』は、離婚目前のお笑い芸人野上が初心を思い出して窮地を乗り切る話。
・若手時と年配時の芸人野上が入れ替わって、老若横並びで進行するのに二人は同価値ではない。わりとシビア。
・素晴らしい役者さんを集めて、結構ジャンクな食べ物で繋いでいるところがいい味わいになっている。
・お笑い芸人が面白いギャグをするという、作り手にとっては相当難しいシーンで、監修にYes!アキトくんという一線級の芸人を起用しているところがさすが。
・『ワイルドシングな恋』は、恋と仕事と家族と趣味との軋轢に苦しんだ末に自分自身を見つめなおす話。
・人生の荒波にもまれながら徐々にカドが取れていって、だんだん自然体になっていく様子が、たぶん脚本の仕掛けや想定を超えてスケールの大きな話になっている。
・個人的には楽太郎くんがのびのび演技しているのを見てほっこりした。一言一言がおもしろい。
・プロレスラーのオンオフ表現が生々しく、最後のオチは程よい意外性があって好き。
・『長い一日』は、夫を誘拐された夫人が、妹や刑事とともに、誘拐犯人からの電話を逆探知すべく、話を引き延ばそうとする話。
・大昔のよくあるコント設定を堂々と採用し安定感を確保しつつ、とにかく演者は「長い言葉」を要求される。
・演者のフィジカルに訴えかける構造で、各人のクセの強い声色と言い立ての合わせ技が楽しい。
・きゃめさんのセリフで、言葉の意味を捨てて、言い方とニュアンスだけで喋っている瞬間がおもしろかった。
・『白衣の女王』は、マンガ家と、マンガのモデルになった医師と、マンガのファンがそれぞれ窮地に陥るが、全部混ぜるとうまくいったという話。
・こういう豪華な座組が見られるのは、ウェイビジョンと短編作品だからこそ。
・それぞれの世界の関係性と、混ぜ合わせた際のルールで良くわからないところがあって、回収パートについていくのが大変だった。
・あと、ところどころで「うまいなあ」と役者さんと同じ程度の声量でうなる客席のおじさん(たぶん)がいた。おもしろかったけど、すこしは遠慮してほしい。
(11/17 19:30の回 演劇専用小劇場BLOCH)
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