たしかこれも学生のときだったと思うんですが、そのとき少なくとも僕のまわりではちょっとした民族音楽ブームで、有名なところではトルコの行進曲、たしかなるほどザワールドで紹介されて流行ったかなんかのとか、バリ島のガムランとかジプシーの音楽とか、前に紹介したインドのシタールとか。まあ僕のまわりと言っても似たような趣味の人間が集まっていたからと言われればそんな気もしますが。そんで僕は何かで知ってモンゴルのホーミーなんか面白いんじゃないか、と思って買ってみたわけです。
このCDはタイトルがホーミー中心のようですがいちおう前半がホーミー、後半がオルティン・ドー、ボギノ・ドーという歌詞のある歌という半々の構成になっています。なぜか松任谷由美とかが紹介しているようでご存知の方もおられるかと思いますが、ホーミーというのはうなるような声を出しながらそれを口、鼻、のどなどに共鳴させてメロディーを奏でる、二声唱法とかいうやり方です。CD買ったとき最初ただおっさんがうーんと唸っているだけでなんじゃこりゃと思ったのですが、ラジカセに背中向けたときに高い音のメロディーにやっと気づいてびっくりした記憶があります。聞いたことない人は一度聞いてみることをお勧めします。びっくりするよホント。
僕もホーミー聴きたさに買ったクチですが、通して聴いてみてオルティン・ドーの凄さに圧倒されてしまいました。ホーミーの曲もそうですが、メロディーに哀愁が漂うわりに全体に湿っぽくない感じがとても好きで、聴いていると不思議とゆったりと安心してきます。とくに「エンフ・メンディーン・バヤル(平安の喜び)」という曲をヘッドホンで聴くと、魂をがっちりと掴まれて揺さぶられたような感覚になります。でもそれだけ強く揺すられても、曲が終わった後は疲れるどころか、リラックスした幸せな気分にすらなるんですよ。
このエンフ・メンディーン・バヤルは、歌詞わかんないけど聴いた雰囲気で適当に歌ってみたりします。この歌を歌うのはとても幸せなんだけど、自分がヘタクソなのでがっかり、さらに歌うたうだけでヘトヘトに疲れるのでさらにがっかりです。ホーミーもそうだけど、会社行くときはあまり聴けないんだよなあ。
「超絶のホーミー~モンゴルの歌」キング KICC 5133