縁起笑店

縁起の道も招き猫から
陶芸家猫社長のつれづれコラム
横浜の縁起村から伊豆の満腹村に移住

桃太郎君

2008-07-30 | Weblog
桃太郎君は 昼過ぎに買い物に出た。今日も暑いなあと汗を拭き拭き、日傘で日光を避けながら縁起村の
何か妖怪堂に入った。妖怪堂では涼みながらあっちこっちとみて回り適当な総菜をカゴに入れ
レジに並んだ。レジの順番が来てポイントカードを渡したまさにその時だった。入り口の自動ドアから見える
その先の景色が一変した。日暮れのように暗くなって雨が滝のように道路を叩き始めたのだ。
道路はあっというまに川になった。川になった道路にはゴミやペットボトル、犬、猿、雉、大木、自動車
ありとあらゆる物が流されていった。やがて川の水は何か妖怪堂にも流れ込みあっというまに
一階がプールになった。 桃太郎君は急いで二階に避難したが水は一階から二階へと浸食してきた。
そこで4階の屋上まで避難したのだが水はすでにここにもヒタヒタ上がってきていた。
ああこれで一巻の終わりかとあきらめ掛けていたら無人のゴムボートがどんぶらこと流れてきた。
しめたとばかり桃太郎君はボートに乗り込み避難することが出来た。ついでに桃太郎さんは水の中で
溺れかけていた犬猿雉をボートに引き上げた。犬猿雉は桃太郎君を命の恩人です一生付いていきますと
涙をこぼして感謝した。水かさはどんどん増してボートはスイスイ下流に流されていった。
ああやれやれ、後は雨が退くのとボートまかせでどこかに着くのを昼寝しながら待つとするか。
どれくらいの時間が過ぎたのだろうか、桃太郎君が目を覚ますとそこは大海原のただなかだった。
こりゃ大変だ。犬猿雉も不安そうに桃太郎君を見つめていた。
やがて水平線に小さな島が見えてきた。島が近づいてくると崖っぷちに看板が立っているのがわかった。
 ようこそテーマパーク鬼ヶ島へ 
桃太郎君たちはしばらくそこで遊んでから帰ることにした。おみやげはもちろんキビ団子。