縁起笑店

縁起の道も招き猫から
陶芸家猫社長のつれづれコラム
横浜の縁起村から伊豆の満腹村に移住

舞麗面の音楽隊

2011-06-07 | Weblog
放射能汚染のために人間がすべて逃げてしまった舞麗面村。
置いてけぼりにされた牛や馬や鶏などの家畜やペットの犬や猫たちは
エサもなく途方にくれていた。
それでも何とか生きなければならない。
家畜たちは小屋を出て雑草やきのこを食べた。
ペットたちも集団で残飯を漁ったりねずみやうさぎを
追いかけて何とか凌いだ。
やがて牛は乳をすべての動物たちに与え、鶏は卵を分け与え、
犬は魚を捕り、猫は木に上り木の実を落とした。
馬は時々山から下りてくる熊を追い払った。
長い年月は舞麗面村を豊かな森に変えた。

人間たちがやってきた。
動物たちは代替わりして人間を知るものは一匹もいなかった。
人間は体がつるつるでへんてこな声をだした。
おまけに二本足で歩いている姿は奇妙そのものだった。
動物たちはまじキモイ、こいつらを追い出そうと相談した。
そこで牛と馬の上に犬と猫、てっぺんに鶏のタワーを作り人間の前に
大声で鳴きながら飛び出した。
すると熊に肩車されたきつねと狸もいっしょに現れて吠えながら人間達を囲んだ。
人間達はこの村にはまだしばらくは戻ってこられないと解釈した。
舞麗面村はまた元の危険で平和な村に戻ったのであった。