トポタヨッサンポンタ

チーム満腹専属のカーレーサーヤマネ君は一度でいいからF1オリンピックグランプリに
優勝したいと切望していた。
腕は超一流だがエンジンがいまいちでどうしてもいいところでいつも優勝を逃していたのだ。
ある日英国スピード社のエンジンはすごいらしい、そこそこの車体でもゼロヨンで１秒から
５秒タイムを縮めてしまうというニュースが飛び込んできた。
スピード社はどこのレース車にでもエンジンを提供する用意があると発表していた。
ヤマネ君はチーム満腹の監督にスピード社のエンジンを積みこめないものかと進言した。
試しのテストの結果はこれならグランプリで３位入賞まちがいないすごいタイムの連続だった。
お前の腕は一級だ。後はこのエンジンさえつければ優勝まちがいない。
だがなあ、うちのスポンサーはトポタヨッサンポンタ社だ。そこのエンジンで走らなきゃ今後
どうなるかわかったもんじゃない。こんな屈辱をトポタヨッサンポンタが受け入れると思うか？
監督はぼそっとつぶやいた。
どうなるチーム満腹、どうする日本水連。

血湧き肉躍るランチ

エゾシカちゃんとコアラちゃんと久々に都心でランチをした。最初は東京オリンピックの話で軽く
オードブル。
　オリンピックなんて別にやらんでもいいよねえ。
　テロの心配や、交通の混雑、疲れそう。
　一ヶ月間の盛大な祭りのために金使うな。
結局３人とも賛成しかねていた。
メインは３人とも肉汁がしたたる江東区女性行方不明事件に移った。
　あの犯人は短時間で遺体をバラバラにしてトイレに流したらしいね。
　絶対いかれてる。
　バラバラにする前に心臓や内臓、脳みそが飛び出すよね。普通の人間ならこの時点で
　気分が悪くなりギブアップだ。
　絶対いかれてる。
　たとえばさあ、猫社長とエゾシカちゃんでコアラちゃんをバラバラにしようとするでしょ。
　その時コアラちゃんの目玉がドローと飛び出してきたら、恐怖で気絶しちゃうよね。
　絶対いかれてる。そういう奇妙な妄想をする猫社長あんたはいかれてる。
　でもね、最近の人間は想像力が足りないから危険なボーダーを超えてしまうんだよ。
さてさてこんなおどろおどろした話をしながらの最後の締め、デザートは居酒屋タクシーの話。
　私はキャンディをもらったよ。
　私は缶ジュースをいただいたことがあったわ。
　猫社長は折り詰めの寿司食いねえだったよ。
　なわけねーだろ
そこでまたまた、たしなめられた。だって猫社長はタクシーなんて乗らないから想像力を駆使するしかない。
皆様、食事を美味しく頂くためには世俗とは離れた話題をいたしましょう。

最後に残るアマゾンの部落民

ブラジルアマゾンの密林で空撮された先住民族の写真が公開された。コロンブスがアメリカ大陸を
発見してその後侵略しめちゃくちゃにするまではすべて彼らの土地だった。それでもひっそり、こっそり
暮らし続ける部族がまだ百近くあるらしい。
飛行機に向かって槍を向ける仕草は戦争中の日本の竹槍みたいでため息がでた。
竹槍でB29が落とせるわけない。結局日本は完敗してアメリカに占領された。
今はアメリカのポチだ。つまり彼らの未来がとても心配だ。
大きな目でみれば人類は地球の先住民族。異星人からみればまだまだ未発達で野蛮な者達と
あきれ果てているかもしれない。異星人は、地球温暖化、殺人インフルエンザ、HIV、戦争などで
自分たちがが手を下すことなく地球人が自滅するのを待っているのかもしれない。
数十年後、異星人が移住のため地球に降り立った時、唯一生き延びていたアマゾンの先住民族と
出会う。その時異星人は彼らを歓迎して淡雪のような静謐な微笑みを浮かべるだろう。

イグアナじじいに花束を

パン、油、冷凍食品、ティッシュ、アイスクリーム、ガソリンetcの値段が上がってる。
イグアナじじいはテレビにだめだしするのが大好きだ。今日もぶつぶつ始まった。
「食料品の値上がりは私たちの生活に......」と殊勝な顔の女子アナに
「バーロー、年収１千万以上もらってるくせによういうよ」
「我々庶民には.....」が口癖の福留には
「おメーは庶民じゃねえ、お大臣にしかみえん、こっちは貧民じゃあ」
そんでもってみのもんたがテレビ画面に出てきた時にはそりゃもう大変。
「いい背広だねえ。一着百万か？ガソリン代がリッター１０万になってもどうってこと
ねえだろうなお前さんなら、いいねえ、いいたいこと言って金もらえてなあ......」
どうにも止まらなくなる。
イグアナじいさんはお米を食べ、庭で取れた野菜をおかずにして、新聞で鼻をかみ、
週に一度の風呂では石けんを使わず束子でゴシゴシこすり。時々大福もちを楽しむ。
免許はないので車はない。
偏屈で意固地だけど猫社長はイグアナじじいのことをちょっぴり尊敬している。