2023年5月6日、戴冠式を終えた英国国王チャールズ3世とカミラ王妃 (OLI SCARFF/AFP via Getty Images)
紫色の吉祥と尊貴
伝統文化で黄金色と同列に論じられる色は、紫色です。この色は、「紫気東来」(紫の気が東から来た)という典故でよく知られています。中国人は、紫の気が吉祥で縁起の良い代表だと思っています。道家も紫の気を重んじます。例えば、仙人が住むところは「紫府」といい、道家の経文は「紫書」と言います。
その源が非凡であるため、紫は伝統文化で「尊貴」を象徴しています。『後漢書』の巻48に「天有紫微宫,是上帝之所居也。王者立宫,象而為之」とあります。日本語に翻訳すると、「天上に「紫微宫」という宮殿があり、上帝が住むところだ。地上の王は宮殿を建てる時、天上の宮殿を真似て作る」となります。中国の古代人は、「天人合一」と重んじ、都市計画も天道に合わせなければいけません。天上の上帝は「紫微宫」に住みます。「紫微星」(しびせい:古代中国の天文学で、紫微垣(しびえん)に属する星。北斗の北にある)は「帝星」と見なされます。地上で天から受命する「天子」の住むところは、天上の「紫微宫」と対応します。歴史上、隋唐の時代に「紫微城」、明清の時代に「紫禁城」と呼ばれるのはこのためです。
【続きはこちら】
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます