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つかの間の晴れ間に見た、黒いチョウを思う。  クロアゲハとナガサキアゲハ

2013-06-25 | 僕の散歩道
天気予報では、晴れ間がのぞくことも…。と、なっていた。ウェザーニュースの雨雲の動きを見ても、昼前から晴れ間になると表示されていた。

6月25日。11時を回ると、急に晴れてきた。いつもより遅く、11時35分から散歩に出かける。
いつものコースを進む。途中フラワーパーク(農業公園)の中を抜けて行くと、チョウがやけにたくさん飛んでいる。時間帯の問題か、雨上がりにいきなり強い陽射し、という特殊な条件だからか、理由は分からないが、なんかウキウキする。
矢沢川脇の道に出ると、いきなり路上で吸水するクロアゲハに出会った。
クロアゲハは、久しぶりだ。しかし、なんとなくこのシチュエーションどこかで経験したような…。
家に戻って、調べてみた。
あった。 4年前の6月17日、同じように雨上がりで、まさに今日とほぼ同じ場所で、同じような写真を撮っていたのだ。

 
路上で吸水するクロアゲハ 2013-06-25(左) 2009-06-17(右) 世田谷

その後、定点カウントをしている場所で、15分間のカウントを始めた。
最近は、チョウのセンサス調査なども、結構行われているが、僕の実感としては、あまり良い感触ではない。
カウントの最後に目の前を通過した黒いチョウがいた。クロアゲハ? いや、これはナガサキアゲハだ。

ナガサキアゲハというのは、名前からわかるように、もともとは西日本に生息していたチョウだ。博物学者シーボルトが、長崎で採集し命名したといわれている。僕が子供のころは紀伊半島あたりまでしか分布していないと図鑑に書かれていたが、それが、10年ほど前から、関東でも見ることが多くなってきた。
温暖化の影響と言われ、良く例として取り上げられたりもしたが、疑わしい。ナガサキアゲハは幼虫がかんきつ類で育つのだが、僕の友人は、シークワーサのブームの際に、苗木と一緒に幼虫や卵が持ち込まれたと見ている。
この意見に僕も賛成だ。同様の例として、ビオラを食草とするツマグロヒョウモンが、ほとんど同じ成り行きで関東に侵入したものと確信している。
このナガサキアゲハ、翅の模様に変異があるのだが、黒い個体はクロアゲハとそっくりだ。しかし、アゲハチョウ類のシンボルともいえる尻尾(尾状突起という)がない。


クロアゲハ 尾状突起が目立つ 2013-06-25 世田谷 前の写真と同じ個体
 
ナガサキアゲハ 黒色個体 2011-10-14 世田谷 白斑,赤色斑の入った個体 2011-09-06 世田谷

東京の品川で育った僕には、子どもの頃図鑑でしか見たことがなく、憧れの的だったチョウがいる。それが、今世田谷で見ることができるようになったのだ。しかし、その中には、人間の都合で持ち込まれてしまったものが何種かいる。
少年の頃の憧れのチョウと、ゆがんだ形で対面しているというわけだ。

ことの是非を、今の段階で問うてもあまり意味はない。しかし、同じ轍を踏まないためにも、多くの意見を交わし、人々の心に留めておくことは必要なことだろう。

雨で成果が少なかったためか、ずいぶんと硬い話に発展してしまった。次は、もう少し柔らかくいきましょうか!


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