教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

知の共有がもたらす凄さ

2009-12-19 | 勤務校時代の実践
昨日は職場の忘年会でした。
さて、その2次会で、生物の高石教諭との会話の中で、こんな報告を聞きました。

「福島先生の情報の授業の「知の共有」という部分を聞いて、生物の授業にも取り入れてみようと思ったんです。必要な資料を手元におかせて、ある課題について、チームに問題を与えて仮説をたてさせてみる。例えば光を遮断したショウジョウバエの生態についての最新研究の中の課題などです。その答えはもちろんあるのですが、敢えて言わずチームで互いに知恵を共有しながら意見交換させてみる。そして仮説を組み立ててもらう。・・・・・すると、8割が正解という驚くべき結果が出てきました。これは個人作業などでやらせる場合とは比較にならない正答率だったんです。」

この話を聞いていて、やはりなぁという実感を持ちました。生徒に考えるべきポイントを整理して伝え、考えるための環境づくりをしっかり行っておく。そしてチームで知恵を共有したり、うまく伝えあうことができれば、それは単純に1+1=2以上の効果がもたらされる。 考えてみれば当たり前のことなのかもしれませんが、こうしたプロセスはなかなか授業に採用されていません。すべてが、上意下達のダウンロード型授業が多いためです。その方が知識量が増えるような錯覚を教員側が持ってしまっているからかもしれませんね。これもある種のメンタルモデル(固定概念)です。

さて、来年度からの授業設計においては次のようなキーコンセプトを入れたいです。

 知の共有  対話  フィードバック(フィードフォワード)  創発

著名な学者のように一人の脳だけで思考をめぐらせて大きな成果がでることもたまにあるでしょうが、これからの複雑で変化の激しい社会に適応していくためには、知恵の結集が欠かせないと思いますし、その方法としての直接的なコミュニケーション手段である対話にますますスポットがあたっていくことでしょう。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  もしかの時の防災 講演 | トップ |  COPのような多国間・複雑な... »
最新の画像もっと見る

勤務校時代の実践」カテゴリの最新記事