教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

東葛アカデミックスキルズ2日目(1/26実施)

2010-01-27 | 勤務校時代の実践
東葛アカデミックスキルズ2日目。

全員が集まったところで、昨日学んだことの振り返りと、本日学ぶこと・目標などを私から説明しました。

§1 論理的な文章構成
村山涼一氏の著書「論理的に考える技術」などを参考に、文章の構造化を図解していく学習です。まずは、文章の構造には、頭括式・尾括式、双括式・追歩式・列挙式・散叙式などがあること、接続詞の種類や使い方といった基本的な項目を抑えて説明しました。実際に例文を読み、それを図解化する練習を行いました。

講義のあとの演習では、日本の論点2010(文藝春秋社)の「大学全入時代の大学の意義とは」という、やや長めの文章を読んでもらい、アウトライン機能を使って、文章の構造化をやってみました。アウトライン機能の使い方も上手になってきたようです。

後半は、いよいよ集団討論。まずは、話し合いの分類(平田オリザさんの対話のレッスン)で、演説・談話・説得・指導・対話・会話・反応・ひとりごとなどはどこが違うか。会話、対話、ディベート、ディスカッションはどこがどう違い、どういった目的で使われているのかなど。また、日本人はそうしたフレームワークなく主張をぶつけあっていて傾聴などができていないことも講義しました。

集団討論の目標は、
1)各自が集団での意志決定プロセスを味わえるようになること。
2)相手の意見をきちんと聴けるようになること。(傾聴)
3)自分の意見を本音ではっきり主張できるようになること。

さきほど構造化した大学全入時代の課題に関連して、「これからの大学生にとって学ぶべき力って何だろう?」というテーマを示し、5分程度の時間を与えて、自分から見た大学生にとって必要な学ぶべき力を考えてもらいました。
・・・・
そして討論です。このとき、発言する際に注意するのは、必ず前に発言した人の意見を聴き、それにつなげる形で発言するという拘束条件をつけてみました。こうなると、前の人の話はきちんと聴かざるを得ず、「そのほかに考えられないかな?」と私がふることにより、
6人6様の考え、「行動力」「探究力」「コミュニケーション能力」「常識力」「総合力」「戦略力」などが理由つきで出てきました。

次に、ファシリテーターの私としては、「では、6つの力に順位をつけてみてください。特にベスト3とその理由も」という次なるテーマを出しました。このテーマを与えた理由は、社会においてはさまざまな人が「これが最も大切」ということをぶつけてくるが、例えば政策決定者は論拠とともに優先順位を考えなくてはならないという場面が多くあるからと説明しました。政策決定などの大きなものでなくても、案件を複数抱えるということは仕事上いくらでもあり、優先順位を的確につけていく力なども養ってもらいたかったからです。

思いついた生徒から発言していきました。このへんで、もう90分近くが経過しています。
あえて、私が正解を出すこともなく(正解というものはないし、それが変なバイアスとなって理解されてもまずいので)、討論を終了しました。生徒から出た意見では、誰もが2位あたりにコミュニケーション力をもってきたところが共通していました。

さて、最後にチェックアウトをします。チェックアウトとは、ダイアローグ(対話)などの取りかかりでよく行われている技法で、今日の活動を振り返り、感じたことや学びを参加者が輪になって共有するというものです。それぞれの生徒が考え付いた順に手をあげました。

少ない人数なりに、なかなか濃い学びがあった2日目でした。
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