”岡田武史氏が語る、日本代表監督の仕事とは!から学ぶ幸せの哲学” を読みました。
自分ニュース 2012/12/29の記事です。
いくつか、発言をピックアップし、コメントしたいと思います。
以下、””が岡田氏の発言で、☆以下が私のコメントです。
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”私心で「俺がこう思われたいから」「俺がこうなりたいから」と思って、選手を外したとしますよね。これは一生うらみをかいますよ。ところが自分自身のためではなく、「チームが勝つために」という純粋にそれだけでした決断というのは、いつかは伝わるんです。”
☆他人の目を気にしたbeing(在り方)では通用しないという話だと思いました。
本気で何かを変えようという人は、人の振りを観て真似てというのではなく、なりふり構わずストレートに本当に必要な心情に沿って行動するということなのでしょう。そうしないと結果もついてこないというお話。
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”経営者でも「倒産や投獄、闘病や戦争を経験した経営者は強い」とよく言われるのですが、どん底に行った時に人間というのは「ポーンとスイッチが入る」という言い方をします。これを(生物学者の)村上和雄先生なんかは「遺伝子にスイッチが入る」とよく言います。我々は氷河期や飢餓期というものを超えてきた強い遺伝子をご先祖様から受け継いでいるんですよ。ところが、こんな便利で快適で安全な、のほほんとした社会で暮らしていると、その遺伝子にスイッチが入らないんです。強さが出てこないんですよね。ところがどん底に行った時に、ポーンとスイッチが入るんですよ。
「途中にいるから中途半端、底まで落ちたら地に足がつく」と書いてあったんです。その通りなんですよ。苦しい、もうどうしようもない、もう手がない。でも、それがどん底までいってしまうと足がつくんですよ。無心になんか中々なれないけど、そういうどん底のところで苦しみながらも耐えたらスイッチが入ってくるということです。”
☆もう後がない。背水の陣になったとき、人は本気になる。もうやるしかないから。
それはあきらめの境地とは全く違うもの。そして仮説ながら、遺伝子スイッチが入るという発想・考え方は面白いですね。
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”明確な共通した目標を持つこと。そしてもう1つは、「このチームはこういうチームなんだ」という“フィロソフィー(哲学)”を作ること。
明確な目標はもちろん「W杯本大会でベスト4入ることに本気でチャレンジしねえか」ということ。みなさんはいろんな成功の書とか読んで「目標設定って大事だ」と思っているでしょうが、今みなさんが思っている10倍、目標は大事です。目標はすべてを変えます。・・・W杯で世界を驚かすために、パススピードを上げたり、フィジカルを強くしたりと、1つずつ変えていくと、かなりの時間がかかります。・・・ところが、一番上の目標をポンと変えると、オセロのように全部が変わります。「お前、そのパスフィードでベスト4行けるの?」「お前、そんなことでベスト4行けるのか?」と何人かの選手にはっきりと言いました。「お前、その腹でベスト4行けると思うか?」「夜、酒かっくらっていて、お前ベスト4行ける?」「しょっちゅう痛い痛いと言ってグラウンドに寝転んでいて、お前ベスト4行けると思うか?」、もうこれだけでいいんです。”
☆目標の重要性は小さい頃から大人から言われるわけですが、チームワークでは特にフィロソフィーとなるべく目標設定が大事なことがうかがえます。具体的なアクションはひとそれぞれやり方が違うでしょうし、向き不向きがあります。でもフィロソフィーが理解されていなかったり、なおざりにされていたら、向かうべき方向を共有できず、オールでこいでいる方向がバラバラで個人が力を発揮していたとしても船は目的地につかないということです。
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”Enjoyの究極はどういうことかというと、自分の責任でリスクを冒すことなんです。日本の選手は「ミスしてもいいから」と言ったら、リスクを冒してチャレンジをするんです。ところが「ミスするな」と言ったら、途端にミスしないようにリスクを負わなくなるんです。・・・会社の商品が売れないで倒産しそうな時に、「僕は経理ですから」とか言っていたらダメ、どんなにすばらしい計算をしても会社が倒産したら一緒です。残り時間10分で0対1というのは、「みんな外に出て商品を売ってこい」という時です。でも、僕はそれをやらせてしまっていたわけなんですけどね。自分のチームを「キャプテンが何とかしてくれる」「監督が何とかしてくれる」と思わせてしまっている。「違う。お前が何とかするんだ、このチームを」ということなんです。・・・
これは日本人だけではないのかもしれないですが、「教えてくれない」「育ててくれない」と何でも他人任せの人がいます。「アホちゃうか」と思うんですけどね。人を育てるとか変えるとかそんなことできないですよ、本人が本気になって変わろうとしない限り。
☆ミスしていいからと言われたなら、あるいはそれを自分で決めたなら覚悟を決めてリスクを冒して挑戦すること。〇〇してくれないからこんなになってしまった自分・・・ではなく、リスクをチャレンジだと思って受け入れ進んでいくこと。
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”スランプの泥沼にあえいでいる奴らが10人いるとするじゃないですか。泥沼であえいでいる時に早く手を出してバッと引き上げても、手を離したら大体もう1回落ちるんですよ。そして2回目に落ちた時というのは、中々上がってこない。これ放っておくと、10人いたら5人はそのまま沈みます。でも、5人は必死になってもがき苦しんで、自分の力で淵まではい上がってくる。その時に手を貸した奴は残ります。”
☆人をサポートするとは、どういうことか、考えさせられる一文でした。
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”「concentration」。これは「集中する」ということですが、何に集中するかといったら「今できることに集中しろ」ということです。「動物は今を精一杯生きている。でも人間は、済んだことを悔やんで今できない。先のことを心配して今できない。俺はそういうのは大嫌いだ。今できることをやってくれ」という言い方をします。そう簡単にいっても中々できないんですけど。
勝負の鉄則に「無駄な考えや無駄な行動を省く」ということがあります。考えてもしょうがないことを考えてもしょうがない。負けたらどうしよう。負けてから考えろ。ミスしたらどうしよう。ミスしてから考えたらいい。「余計なことを考えて今できない、なんて冗談じゃない」と言います。できることは足元にある。今できること以外にない。それをやらないと、目標なんか達成できないんです。
「壁は邪魔をするために現れてきているわけじゃない。本気で目指しているかどうかを試すために出てきている。本気なら必ずその壁を乗り越えられる。本気じゃなかったらあっさり壁に阻まれる」
自分はああだこうだと頭で考えたり勉強したりしましたが、よく言われる「ともかくやってみろ」「ともかく始めてみろ」ということは本当なんだなという気がしました。”
☆とかく現代人は、過去を悔やみ、未来を憂えることにエネルギーを使いすぎているのかもしれません。今、やれることをやる。明日死ぬとしても後悔しない今を生きるということ。
いろいろな場面で覚悟を決めてぎりぎりの決断をしてきた岡田氏ならではの、深いエピソードで勉強になりました。
自分ニュース 2012/12/29の記事です。
いくつか、発言をピックアップし、コメントしたいと思います。
以下、””が岡田氏の発言で、☆以下が私のコメントです。
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”私心で「俺がこう思われたいから」「俺がこうなりたいから」と思って、選手を外したとしますよね。これは一生うらみをかいますよ。ところが自分自身のためではなく、「チームが勝つために」という純粋にそれだけでした決断というのは、いつかは伝わるんです。”
☆他人の目を気にしたbeing(在り方)では通用しないという話だと思いました。
本気で何かを変えようという人は、人の振りを観て真似てというのではなく、なりふり構わずストレートに本当に必要な心情に沿って行動するということなのでしょう。そうしないと結果もついてこないというお話。
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”経営者でも「倒産や投獄、闘病や戦争を経験した経営者は強い」とよく言われるのですが、どん底に行った時に人間というのは「ポーンとスイッチが入る」という言い方をします。これを(生物学者の)村上和雄先生なんかは「遺伝子にスイッチが入る」とよく言います。我々は氷河期や飢餓期というものを超えてきた強い遺伝子をご先祖様から受け継いでいるんですよ。ところが、こんな便利で快適で安全な、のほほんとした社会で暮らしていると、その遺伝子にスイッチが入らないんです。強さが出てこないんですよね。ところがどん底に行った時に、ポーンとスイッチが入るんですよ。
「途中にいるから中途半端、底まで落ちたら地に足がつく」と書いてあったんです。その通りなんですよ。苦しい、もうどうしようもない、もう手がない。でも、それがどん底までいってしまうと足がつくんですよ。無心になんか中々なれないけど、そういうどん底のところで苦しみながらも耐えたらスイッチが入ってくるということです。”
☆もう後がない。背水の陣になったとき、人は本気になる。もうやるしかないから。
それはあきらめの境地とは全く違うもの。そして仮説ながら、遺伝子スイッチが入るという発想・考え方は面白いですね。
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”明確な共通した目標を持つこと。そしてもう1つは、「このチームはこういうチームなんだ」という“フィロソフィー(哲学)”を作ること。
明確な目標はもちろん「W杯本大会でベスト4入ることに本気でチャレンジしねえか」ということ。みなさんはいろんな成功の書とか読んで「目標設定って大事だ」と思っているでしょうが、今みなさんが思っている10倍、目標は大事です。目標はすべてを変えます。・・・W杯で世界を驚かすために、パススピードを上げたり、フィジカルを強くしたりと、1つずつ変えていくと、かなりの時間がかかります。・・・ところが、一番上の目標をポンと変えると、オセロのように全部が変わります。「お前、そのパスフィードでベスト4行けるの?」「お前、そんなことでベスト4行けるのか?」と何人かの選手にはっきりと言いました。「お前、その腹でベスト4行けると思うか?」「夜、酒かっくらっていて、お前ベスト4行ける?」「しょっちゅう痛い痛いと言ってグラウンドに寝転んでいて、お前ベスト4行けると思うか?」、もうこれだけでいいんです。”
☆目標の重要性は小さい頃から大人から言われるわけですが、チームワークでは特にフィロソフィーとなるべく目標設定が大事なことがうかがえます。具体的なアクションはひとそれぞれやり方が違うでしょうし、向き不向きがあります。でもフィロソフィーが理解されていなかったり、なおざりにされていたら、向かうべき方向を共有できず、オールでこいでいる方向がバラバラで個人が力を発揮していたとしても船は目的地につかないということです。
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”Enjoyの究極はどういうことかというと、自分の責任でリスクを冒すことなんです。日本の選手は「ミスしてもいいから」と言ったら、リスクを冒してチャレンジをするんです。ところが「ミスするな」と言ったら、途端にミスしないようにリスクを負わなくなるんです。・・・会社の商品が売れないで倒産しそうな時に、「僕は経理ですから」とか言っていたらダメ、どんなにすばらしい計算をしても会社が倒産したら一緒です。残り時間10分で0対1というのは、「みんな外に出て商品を売ってこい」という時です。でも、僕はそれをやらせてしまっていたわけなんですけどね。自分のチームを「キャプテンが何とかしてくれる」「監督が何とかしてくれる」と思わせてしまっている。「違う。お前が何とかするんだ、このチームを」ということなんです。・・・
これは日本人だけではないのかもしれないですが、「教えてくれない」「育ててくれない」と何でも他人任せの人がいます。「アホちゃうか」と思うんですけどね。人を育てるとか変えるとかそんなことできないですよ、本人が本気になって変わろうとしない限り。
☆ミスしていいからと言われたなら、あるいはそれを自分で決めたなら覚悟を決めてリスクを冒して挑戦すること。〇〇してくれないからこんなになってしまった自分・・・ではなく、リスクをチャレンジだと思って受け入れ進んでいくこと。
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”スランプの泥沼にあえいでいる奴らが10人いるとするじゃないですか。泥沼であえいでいる時に早く手を出してバッと引き上げても、手を離したら大体もう1回落ちるんですよ。そして2回目に落ちた時というのは、中々上がってこない。これ放っておくと、10人いたら5人はそのまま沈みます。でも、5人は必死になってもがき苦しんで、自分の力で淵まではい上がってくる。その時に手を貸した奴は残ります。”
☆人をサポートするとは、どういうことか、考えさせられる一文でした。
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”「concentration」。これは「集中する」ということですが、何に集中するかといったら「今できることに集中しろ」ということです。「動物は今を精一杯生きている。でも人間は、済んだことを悔やんで今できない。先のことを心配して今できない。俺はそういうのは大嫌いだ。今できることをやってくれ」という言い方をします。そう簡単にいっても中々できないんですけど。
勝負の鉄則に「無駄な考えや無駄な行動を省く」ということがあります。考えてもしょうがないことを考えてもしょうがない。負けたらどうしよう。負けてから考えろ。ミスしたらどうしよう。ミスしてから考えたらいい。「余計なことを考えて今できない、なんて冗談じゃない」と言います。できることは足元にある。今できること以外にない。それをやらないと、目標なんか達成できないんです。
「壁は邪魔をするために現れてきているわけじゃない。本気で目指しているかどうかを試すために出てきている。本気なら必ずその壁を乗り越えられる。本気じゃなかったらあっさり壁に阻まれる」
自分はああだこうだと頭で考えたり勉強したりしましたが、よく言われる「ともかくやってみろ」「ともかく始めてみろ」ということは本当なんだなという気がしました。”
☆とかく現代人は、過去を悔やみ、未来を憂えることにエネルギーを使いすぎているのかもしれません。今、やれることをやる。明日死ぬとしても後悔しない今を生きるということ。
いろいろな場面で覚悟を決めてぎりぎりの決断をしてきた岡田氏ならではの、深いエピソードで勉強になりました。