耳順庵日記

60歳を超えて、生き馬の目を抜く首都圏の生活にカムバックした。
浦安太郎が見た、都会の意外な側面を綴ってみたい。

機内食 その2

2010年02月28日 15時33分09秒 | 都会の風景
 帰りは、どういうわけか無料でビジネスクラスに格上げになった。
 座席は広いしリクライニングは電動でほぼ水平まで広がるし、何より美人のおねえ
さんの丁寧な対応が嬉しい。
 離陸したらすぐ飲み物を聞きに来たので、シャンペンを頼んだ。プラスチックの検尿
カップではなく、ちゃんとガラスの足つきグラスである。食事は和食か洋食。岩ジイは
洋食を頼んでいたが、私はもちろん和食。飲み物は日本酒の地酒。100cc入りのミニ
酒びんと、ちゃんとしたガラスのシャンペングラスがうやうやしく運ばれてきた。
 そもそもアメリカの機内サービスは、客をもてなす/満足感を与える、という精神がな
い。おざなりにやっているだけで心がこもっていないから、哀れな客がオーダーを理解
できないなら、鼻でせせら笑って愚かな客を無視する。これも民族性だろうか。
 ロスのANAカウンターでは、ちょっとした問合せにも大勢が飛び回って対応してくれ
た。だから採算が悪くなるのかもしれないが。

 朝3時に起きて、空港での発券トラブルもあって6時過ぎに乗り込むまでは食事の余
裕はなかった。ロスまでの4時間のフライトでも食事のサービスはなく、コーヒー1杯飲
んだだけだった。ロスではビジネス用のロビーが使えたが、30分しか時間がなかった
ので小さなサンドイッチ2切れと、バドワイザーを1缶だけ。12時近くになってやっと、
まともな食事にありついた。
 
 ビジネスクラスの食事は、こんなに差別するか、と思うほど違う。
まず洗いおろしのテーブルクロスが来た。器は使い捨てのプラスチックではなく白い
磁器である。献立は、多分エコノミーより内容が上なんだろうが、私には良く分らない。
しかし、雰囲気と食器と給仕をしてくれる人によって、へそ曲がりの私でさえこんなに
も満足感が充足されるものだとは、驚きであった。



 ほぼフラットに伸びる座席でひと眠りした後、着陸前には温かいうどんを注文した。
脂っこいスパイシーな濃い味付けに辟易していたので、やっとこれで日本に帰れると
いうことを実感できた。

 なんだかんだ言いながら、矢張り古い人間なんだねえ、俺は。

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