耳順庵日記

60歳を超えて、生き馬の目を抜く首都圏の生活にカムバックした。
浦安太郎が見た、都会の意外な側面を綴ってみたい。

浦安の旨いもの 寿司

2015年03月04日 09時14分19秒 | 思い出
浦安の旨いもん その2

うちのかみさんは寿司が大好きだ。私も嫌いでは無い。

新鮮な生の魚は旨いと思うが、ワサビと酢飯の組み合わせは絶
妙だ。日本人の食文化の粋だろう。

 最初の子が生まれる前、私が買い物に行って近くのスーパーで
鯨のベーコンを見つけて買って帰ったら、ゲーゲーやり出して、
それ以来我が家では鯨はご法度に為っている。
 普通つわりの時は生ものは受け付けないというが、彼女にとって
寿司は別らしい。子供がお腹に居た頃、新宿のデパートによく食べ
に行った。

浦安に越して来たばかりの頃、猫実の地場の寿司屋に行った。
トロか何か頼んだと思うが2貫で600円程だったので、2品で逃げ
帰ったことがある。そう言えば銀座の高級寿司屋に一度行って
見ようと言う事で、福屋に行った時も余りの場違い感に恐れを
成して、2−3個だけで引き上げた。何とも情けない話だ。

 回る所ができる前は、近場で安くて美味い寿司屋を探し回った。
 市内に、立ち食いに近い簡易寿司屋が出来たので、暫くは通った
がそのうち潰れてしまった。堀江に新装オープンした寿司屋に
行ったら、盛りこぼしと称してイクラやウニがお皿に山盛りの
軍艦や、車海老の握りを頼んだら頭を塩焼きにしてくれたり、
大サービスだった。良いところが出来たと喜んでいたが、しばらく
したら値段が倍になってしまった。開店サービスだったらしい。



 寿司が庶民的になって来たのはいつ頃からだろうか。


 小僧ずしで、出来合いの寿司を買って来ると言うスタイルが
スーパーに普及し、弁当の仲間入りした頃かも知れない。最近は
機械が作る寿司ロボットまで出来た。もはや、握ってさえいない。
しかし、あれは寿司ではない。寿司の形をした別の食べ物である。
本当の握り寿司は、暖かい酢飯をふわっと素手で握って、
ラディッシュでは無い本物のおろし山葵を付けて新鮮な魚貝を
乗せたものである。  だから旨い。

 回転寿司も、世に出て来た当初は、冷凍のネタを乗せてビニール
手袋で握ってはいるが、まだ職人の手作業だった。
最近は、カウンターで職人に直接注文すると言う方式も止めて、
コンベヤーの前で、タッチパネルを操作してオーダーすると、奥で
機械が皿に乗せてコンベヤーを流れて来るようになった。子供は
遊び感覚で喜んで操作するし、一皿100円均一だから、親もあれは
高いからダメ、なんて言わなくていいから、結構賑わっている。

 でも、外国の人を連れて行ってはいけない。あれは「寿司」では
無いから。

浦安でも、舞浜の廻鮮すし吉恒や猫実の銚子丸は、回る所だけど
一応職人が手造りの寿司を喰わせてくれる。ネタもそこそこで、
結構イケる。しかし、最近出来た浜寿司やスシローは、安くて
手軽だが、スーパーの冷凍陳列棚に並んでるような、寿司とは
別の食べ物が流れる。それを覚悟すれば、それでもいいのかも
知れない。

先日ひょんな事から、築地の寿司清に入った。食べたのは
ちらし寿司だったが、カウンターで職人と目を合わせながら
話が出来て、目の前でシャリの量など相談しながら作って
くれた。



昔は、客が食べた分飯粒をカウンターの裏に貼り付けて、
客が勘定!と言うと即座に金額を答えた、なんて話もあったが、
今は明朗会計で、伝票制に成ってた。



 やはり寿司は贅沢な食べ物だと思う。カウンターで威勢の
いいオヤジと会話を楽しみながら、時期のネタを握って貰う
と言う、あの雰囲気も味の内だろう。


    -- 続く --

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