耳順庵日記

60歳を超えて、生き馬の目を抜く首都圏の生活にカムバックした。
浦安太郎が見た、都会の意外な側面を綴ってみたい。

ピンピンコロリ

2019年05月21日 11時09分20秒 | この頃思うこと

 若いころ、まだマンションが知名度が無いころ、集合住宅は

一戸建に出世するまでの仮住まいだと思っていた。

 所帯を持ってやっとの思いでマンションに入居した時は、

戸建てに劣らない設備と管理に感動し、もうこれが終の棲家だと

思った。住環境に不満は無いし、ここから出ていけるだけの財力も

無いので、最近までずっとそう思っていた。

 

 子供を二人作って、4人乗りの乗用車を買い、3LDKマンションに

住む、と言うのが高度成長時代の標準パターンだった。その子供が

巣立った後は、老人二人で悠々自適の生活が待っているはずだった。

 

 しかし最近、マンションでも介護の手が無い独居老人が増えて、

最期を迎えるためには施設に移らざるを得ないという傾向が出て

きている。

老夫婦は、いずれどちらかが先に死ぬのは必然で、残った方は

独居老人にならざるを得ない。遠方に所帯を持った子供たちは、

近くに越して来てくれるなら面倒見れるけど、自分たちも生活が

有るので独居老人のマンションに通うことは出来るはずもない。

 

 昔の大家族時代では、孫・子に囲まれて、畳の上で大往生する

と言うパターンが普通だったが、今となっては田舎の大きな家で

さえ、若い人が居ないので、望むべくもない。

 

 

 長生きしすぎると、終の棲家にも住み続けられないということか?

 

 

 リースバックとかリバースモーゲージとか、判断能力が

しっかりしている間に、契約してマンションを売却後も同じ部屋に

住み続ける仕組みがある。

 マンション・リースバックは、不動産会社に売却してその対価を

得て、その後は毎月家賃を支払って住み続ける。療養費など一時的に

大きなお金が必要な場合には有効だ。賃貸と同じ形態だから、管理の

責任が無くなるが、売却価格は低めになるし、家賃も高めになる

ことが多い。

 

 リバースモーゲージでは、逆に死亡後に不動産を売却する約束を

して(持ち家を担保にして)、同じ部屋に住み続けながら、毎月

一定の生活費を受取る仕組み。通常のローンと異なり、明確な担保が

有るので、高齢者でも借りることが出来る。年金だけでは生活できない

老人向きの制度だが、長生きリスクがある。売却した額を使い切ったら、

追い出されるのだ。更に不動産価格は主に土地代だから、マンションには

不向きかもしれない。

 

 ピンピンコロリは、PPKと言って老人の理想である。

その反対はネンネンコロリ(NNK)だというが、コロリと逝ければ未だ良い。

 

 

 せいぜい、PPKを目指して、健康診断は受診せず、ガンになっても

治療せず、延命処置を拒否して、弱ったらすぐ死ねる準備を心掛けることが、

これからの老人の義務であろう!

 

 

 


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