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野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

葉の感触から名前が付けられたユニークなラセイタタマアジサイ(紫陽花シリーズ34)

2019年08月05日 11時17分36秒 | 

ラセイタタマアジサイの名前はザラザラする葉の感触から、ラシャに似た織物を意味するポルトガル語のラセイタと、タマアジサイからくる。日本に固有の品種でタマアジサイの変種らしい。両性花が丸いためにこの名がつけられたらしい。写真では玉の部分がかなり開いて、アジサイには珍しく、両性花が見どころの一つになっている。葉の感触から名前が付けられているのも、アジサイとしてはユニーク。

(2019-06 東京都 神代植物公園) 

 

 


ラセイタタマアジサイ

【和名】 ラセイタタマアジサイ
【学名】 Hydrangea involucrata Siebold var. idzuensis Hayashi


ユキノシタ科の落葉低木。タマアジサイの変種で、伊豆諸島に分布しています。
葉は大型で厚く、裏表の両面に細かい毛があり、触るとざらざらしているのが分かります。(ガクアジサイはツルツルしています)
蕾が玉のようなことから付いた名前で、花は8月頃から咲き始めます。


夏のこの時期に貴重な紫の花をつけるニガクサ

2019年08月05日 05時38分26秒 | 

紫色の小さな花が、夏の暑い時期にも咲くニガクサ。噛んでも苦くはないのに、なぜニガクサなのか。牧野博士も何も説明していないという。「日本名は苦草の意味であるが、この植物の茎や葉は苦くない。したがって名前の由来は不明」(牧野新日本植物大図鑑)。外国ではハーブや薬草にしているというから、そちらの連想か。誰が命名したのか、不明なので、今ではわかりようもないが。いずれにしても夏枯れのこの時期に、木陰でひっそりとこの色の花をつけるニガクサは目を引く。

(2019-07 東京都 調布野草園) 


ニガクサ(Teucrium japonicum)はシソ科ニガクサ属の植物の1種。木陰に生え、夏に淡紅色の花の穂をつける。

特徴
多年生の草本。茎は立ち上がって高さ30-70cmになり、時に下向きの細毛がある。地下に細長い走出茎を伸ばす。葉は卵状楕円形から広披針形で長さは5-10cm、幅は2-3.5cmあり、先端は尖る。茎の断面は四角く、葉は対生し、葉の縁には不揃いな鋸歯がある。

花期は7-9月で、茎の先端に花序を集中させる。花序は細長い総状花序で長さ3-10cm。萼は筒状で長さ4mm程度、5歯があるが上歯は歯先がやや尖り、また表面には腺毛が無くて短毛のみがある。花は淡紅色で長さ10-12mm。花弁は唇弁だけがあるように見えるが、これは上唇に当たる部分が大きく深く左右に裂け、またその裂片が小さいために唇弁基部に上向きの突起がある風にしか見えないためで、これはこの属の特徴にもなっている。雄蘂は4本あってこの上唇の裂け目から上に突き出している。

萼が開花期にふくれて虫こぶとなることがある。これはヒゲブトグンバイ(Copium japonicum)によるものであり、ニガクサツボミフクレフシと呼ばれる 。

ちなみに噛んでも苦くはない。和名の意味はやはり苦い草であるが、そう記している牧野も苦くない旨を記しており、この名の矛盾に関しては何も述べていない。