大徳寺祇園守は薄紫の大輪のムクゲ。内弁が重なって半八重咲きとなるのが特徴。もこもこと生える内弁は、最初のうちは余計な感じがするが、見慣れるとなかなかいいものだ。
(2019-07 東京都 神代植物公園)
大徳寺祇園守は薄紫の大輪のムクゲ。内弁が重なって半八重咲きとなるのが特徴。もこもこと生える内弁は、最初のうちは余計な感じがするが、見慣れるとなかなかいいものだ。
(2019-07 東京都 神代植物公園)
ヤブカンゾウは忘れ草とも呼ばれるが、それは花が一日限りで終わると考えられたためらしい。英語ではもデイリリーと呼ばれる。ただし数日もつ花も多いらしい。少し暑苦しい花で、同じ仲間で一重のノカンゾウのほうが涼し気だ。キスゲ類の全体を指すことも多い「忘れ草」は万葉の昔から歌われている。「忘れ草 我が紐に付く香具山の 古りにし里を忘れむがため」という家持の歌は、有名な「あをによし 奈良の都は咲く花の にほふがごとく今盛りなり」という小野老の歌に返したものだが、桜の花との対比ではまったく分がない。
(2019-07 東京都 神代植物公園)
ヤブカンゾウ(薮萱草)
多年草
北海道/九州の道ばたや土手、林のふちなどに多い。有史以前に中国から帰化したと考えられている。根はところどころ紡錘状にふくらむ。葉は長さ40/60cm、幅2.5/4cmの広線形。花茎は高さ0.8/1mになり、直径約8cmの橙赤色の花を数個つける。花は八重咲きで、雄しべと雌しべが弁化して八重咲きになる。完全に弁化していない雄しべもまじっている。花筒は長さ約2cm。結実しない。花期は7/8月。(野に咲く花)
学名は、Hemerocallis fulva var. kwanso
ツルボラン科ワスレグサ属
似た花にノカンゾウがある。
忘れ草の和歌
忘れ草 我が紐に付く香具山の 古りにし里を忘れむがため 大伴旅人 巻3-0334
忘れ草 我が下紐に付けたれど 醜の醜草言にしありけり 大伴家持 巻4-0727
我が宿の 軒にしだ草生ひたれど 恋忘れ草見れどいまだ生ひず 柿本人麻呂歌集 巻11-2475
忘れ草 我が紐に付く時となく 思ひわたれば生けりともなし 作者不詳 巻12-3060
忘れ草 垣もしみみに植ゑたれど 醜の醜草なほ恋ひにけり 作者不詳 巻12-3062