外来種にしては、テッポウユリに似ていて、日本の風土にしっくりあっているアフリカハマユウ。日本への渡来は幕末だというから、日本の水にすっかり馴染んでいるのだろう。ピンクの花もあるようだが、真っ白がよく似合う。ハマユウのあのモジャモジャ感はないが、テッポウユリとの違いはすぐ分かる。園芸での流通名はクリナム・ポーウェリーだそうである。
(2019-07 東京都 神代植物公園)
アフリカハマユウ
[別名] インドハマユウ
[英名] hardy swamplily
[学名] Crinum bulbispermum(Burm.f.) Milne-Redh. et. Shweick.
ヒガンバナ科 Amaryllidaceae ハマオモト属
伊良湖岬で見られるものは植栽したものである。原種は花に赤い筋が入ったものが多く。ピンク、赤色、白色など多くの園芸品種がある。日本でよく見られるものは花が真っ白でテッポユリに似ている。明治時代に輸入され、インドハマユウと呼ばれ、学名はCrinum latifoliumと長い間されてきた。最近、学名がCrinum bulbispermumに改められ、呼び名もアフリカハマユウに変えられてきている。Crinum latifoliumは花柄がほとんどなく、Crinum bulbispermumは明瞭な花柄がある。U.S.A.では両方見られるため、日本でも両方ある可能性がある。
次の3種が混同されてきたようである。
①インドハマユウ(インド、スリランカ、タイ、ベトナム原産)
学名:Crinum latifolium (L.)L. var. latifolium
中国名:西南文殊? xi nan wen shu lan
鱗茎は直径12.5~15㎝。葉は長さ60~90㎝、幅3.5~6(7.5~12.5)㎝。花は10~20個つき、花柄は非常に短い。花被は白色、基部が紫色を帯び又は紫色の縞がある。筒部は長さ7.5~15(約9)㎝。花被片は長さ約7.5㎝、幅1.5㎝。葯は長さ1.2~1.8㎝の線形。果実は長さ3.5~5㎝のほぼ球形。
②インドハマユウ(アフリカ、インド、スリランカ原産)
英名:Ceylon swamplily ,milk-and-wine-lily ,pink striped trumpet lily
学名:Crinum zeylanicum (L.) L. =Crinum latifolium (L.) L. var. zeylanicum (L.) Hooker f.
鱗茎は直径12~15㎝。葉は長さ50~100㎝、幅3~5㎝。花茎は長さ75㎝以上。花は8~12個つく。花は無柄。花被は白色、竜骨が紫赤色。筒部は長さ7.5~15㎝。花被片は長さ7.5~18 ㎝、幅1~2㎝。果実は、嘴の長さ8~10㎝。種子にいぼがある。
③アフリカハマユウ(南アフリカ原産)
英名:deep sea lily, hardy swamplily, Orange River lily, South African River Lily
学名:Crinum bulbispermum(Burm.f.) Milne-Redh. et Shweick.
鱗茎は大きく、長さ8~10㎝、幅6~8㎝。葉は長さ50~80㎝、幅3~5㎝。花茎は長さ45~75㎝。花は8~13個つく。花被はピンク~赤色、又は白色。筒部は細く、長さ5~10㎝。花被片は長さ6~11㎝、幅1~1.7㎝。花柄は長さ (2)4~6㎝。果実は嘴がほとんどない。U.S.A.ではナガバハマオモト Crinum longifoliumと長く混同されていた。
[花期] 6~7月
[草丈] 45~75㎝
[生活型] 多年草
[生育場所] 沿海地
[分布] 帰化種 南アフリカ