中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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鎌倉:晴とアジサイ

2008年06月26日 13時45分10秒 | 鎌倉あれこれ
                     <長谷寺のアジサイ>

              鎌倉:晴とアジサイ
            (トドさんと太極拳仲間)

           2008年6月25日(水)
 曇

 梅雨時の楽しみの一つに,雨でしっとりと濡れたアジサイを愛でることがある.
 数日前に,山旅スクール同期生のトドさんおよび太極拳仲間から,鎌倉のアジサイ見物の案内をするようにというご下命があった.そこで,今日,25日に晴雨にかかわらず,鎌倉のアジサイを見物することにした.
 今日,6月25日は,梅雨時には貴重な晴の一日となった.さわやかな晴の一日,鎌倉を散策するのは願ってもないことである.ただ,アジサイ見物だけを考えると,霧雨程度の雨が降っている方が,趣があって良いのかもしれない.
 とはいえ,初夏の海風を浴びながら,鎌倉のアジサイを楽しんだ.

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■鎌倉駅から歩き出し
 鎌倉中央公園からバスに乗って,鎌倉駅に出る.今日は,トドさんと太極拳チームメンバーを,アジサイ見物ご案内することになっている.集合時間ギリギリに,集合場所の鎌倉駅表口に到着する.今日は梅雨時には珍しく,朝から良く晴れている.今日は,晴れているとはいえ,梅雨の真っ直中,駅前の混雑は,それ程でもない.私は,
 「どんなところへ行きたいですか・・」
とトドさんと他の参加メンバー3人に伺った結果,定番の長谷寺,御霊神社,成就院,山あじさい隠れ里の4箇所を一回りすることに決定.
 10時頃,鎌倉駅前から歩き出す.駅南側の市場を一回りした後,下馬四つ角から先へ,若宮大路を暫くの間,南へ歩く.鎌倉市体育館,一の鳥居を過ぎて,畠山重安の宝篋印塔付近から右折して,住宅地内の路地に入る.そしてロシア大使館別荘の南側を通り抜けて,10時27分,和田塚に到着する.

■つばめのお宿
 再び路地を抜けて,由比ヶ浜大通りに出る.相変わらず自動車の往来は多いが,散策する観光客の人数は少ないようである.由比ヶ浜の商店街を長谷寺に向けて歩く.皆さんが,道すがらウインドウショッピングをするので,歩く方はなかなか進まないが,どうせどこまで必ず行かなければなら旅でもないので,成り行きに任せる.
 とある商店の軒下に燕の巣があるのを見付ける.4羽の雛が,親燕が帰ってくるのをおとなしく待っている.燕を見ながら,何だかほのぼのとした気分になる.そして,もう初夏だなと実感する.

■長谷寺
 10時53分,長谷寺に到着する.平日のためか,観光客は,案外少なくて,待ち時間なしで,アジサイ見物ができるようである.それならば・・ということで,早速,長谷寺の境内に入る.

                      <長谷寺のあやめ>

 境内に入って直ぐの所にある池の「あやめ」(だろうと思う)が,正に満開である.
 まずは,階段を登って,展望台に到着する.幸いなことに,一同纏まって,展望台のテーブルに座れる.そこで,まずは早めの昼食を摂ることにする.
 さすがに料理自慢の主婦の集まりである.珍しい数々の料理が,たちまちの内に,テーブルに並ぶ.これには,さすがの私もビックリ.男性だけのそぞろ歩きでは,絶対にあり得ない楽しみである.

               <綺麗なアジサイ:虫が止まっている>

 昼食後,アジサイ散策路を一回りする.最盛期をやや過ぎているとはいえ,何時来ても長谷寺のアジサイは実に見事.沢山の観光客がカメラを片手に,そぞろ歩きを楽しんでいる.アジサイの向こうに材木座の海岸が見えている.久々の陽光を浴びた海が,明るく輝いている.その向こうに見える光明寺裏山のみどりが鮮やかである.アジサイ,海,山の緑の取り合わせが実に素晴らしい.美しい風景をデジカメに収める.

                   <長谷寺の展望台からの眺望>


                  <昼食:おいしいご馳走が並ぶ>

■山爺夫妻にバッタリ
 12時頃,混雑する長谷寺を後にする.次の御霊神社に向かう途中,駐車場近くで,山旅スクールフレンドリースタッフの山爺夫妻にバッタリ出会う.ご夫妻は藤沢から散歩しながら長谷寺に到着したという.山爺の奥さんとは,一昨年,ニセコ・羊蹄山登山でご一緒したことがある.そういえば賑やかな数名のご婦人達の集団の中で,山爺の奥さんがリーダー役をしていたなと思い出す.
 暫く雑談した後,山爺夫妻とお別れして,御霊神社に向かう.途中,民家の庭先で見事に咲いている時計草を拝見する.

                  <綺麗なアジサイ:成就院にて>

■御霊神社
 御霊神社のアジサイ小径を一回りする.
 丁度その時,御霊神社の前を江ノ電の電車が通過する.沢山の人達がカメラを構えて電車を撮っている.ここはアジサイと江ノ電を一緒に撮ることができる絶好のスポットとして知られている.同行している1人が,近くの男性に質問する.
 「良い写真,撮れましたか」
男性は,首を横に振りながら,
 「いや,いや,なかなか・・・良い写真は,とても撮れません」
とニコニコしている.

                 <御霊神社のアジサイ>

■成就院
 御霊神社から極楽寺坂へ出る.その角にある力餅屋は,あいにく定休日.残念.
 道順に沿って,成就院の石段を登る.ここには般若心経の文字と同じ本数,256本のアジサイが植えられていると聞いているが,真偽の程はは分からない.沢山の観光客に混じって,アジサイを鑑賞する.そして,由比ヶ浜を見下ろす定番の風景をデジカメに収める.

                    <成就院のアジサイ>


                     <成就院のアジサイ>

■稲村ヶ崎
 成就院の階段を下って,江ノ電極楽寺駅へ向かう.近くに上杉憲方の墓があるが,今日のメンバーは,鎌倉の歴史には興味がなさそうなので,ここは通過する.
 極楽寺公会堂手前の路地を右折する.直ぐに江ノ電の線路に突き当たるが,道なりに進む.この辺りの風景が実に面白い.山側の線路沿いに並ぶ数軒の民家は,玄関が線路側に位置している.家から玄関を出ると直ぐに線路である.線路を横切ると,線路沿いに設置されているフェンスに数十センチの開口部が設けられている.私は,江ノ電らしく,実に長閑な風景だと思っている.
 数軒の家の並びを過ぎると,直ぐに踏切を渡る.そのまま進むとY字型の分岐がある.ここから左側の道を進む.直ぐに切通になる.私は,この切通も,隠れた鎌倉の名所だと思っている.やや急な階段を登りきると,極楽寺1~4丁目と稲村ヶ崎2丁目および5丁目の間にある尾根,通称「お山」の南端に取り付く.そこから道なりに急坂を下ると稲村ヶ崎2丁目と4丁目の間の道に突き当たる.この道を右折して北へ進むと聖福寺跡へ通じる.この道を辿って,途中から小山を超えて月影地蔵に出る道も散歩コースとして素晴らしいと思っている.
 私達は,突き当たりを左折して江ノ電稲村ヶ崎駅へ出る.線路を越える.すると道路の右側に「ギャラリー稲村ヶ崎」というオシャレな店がある.手作りの工芸品や小物を展示販売しているようである.早速,一同,お店に入り込む.私は店の外で,予定のコースを一回りするのに,果たしてどのくらい時間が掛かってしまうのか,少々,心配になってくる.

      <由比ヶ浜の燕の巣>                  <稲村ヶ崎の燕の巣>

■不覚にも道に迷う
 江ノ電線路沿いの道を西へ向かう.
 これから,「山あじさいの隠れ里」を訪れる予定である.もう山あじさいの時期は過ぎているが,ここの場所を,是非,知りたいというご希望に沿って,時季外れにもかかわらず訪れることにしている.ここを訪れるには,七里ヶ浜の老人ホーム鎌倉静養院を通り過ぎて,国道134号線に出る手前,200メートルほどのところから,線路を渡って,細い階段道を登っていくのが,一番野趣があって良い.
 私は,つい先日,ARENAクラブの連中を案内したばかりである.この辺りの道路も熟知しているはずだったが,どういう加減か,頭がこんがらかって,途中から路地を間違ってしまう.仕方なく,一旦,線路沿いの道まで戻る.運良く通りかかった宅配便の運転手に,
 「××さんのお宅へ行く登口は,ここでしたよね・・・」
と伺う.彼は静養院からの道しか知らないようである.
 私は,一行を待たせたまま,辺りを走り回って,登り口を探してみるが,どう考えても,先ほど登った道が正解である.しかし,これ以上迷うのは拙いので,仕方なく静養院からの道を辿ることにする.

■山あじさいの隠れ里
 今来た道を,少々,稲村ヶ崎の方に戻って,踏切を渡る.静養荘を回り込むようにして,坂道を登る.進行方向左側の駐車場を通り過ぎて,LPガス容器置場付近から左手に登る狭い階段道を登る.そして,13時45分頃,「山あじさいの隠れ里」に到着する.
 もう,時期外れのためか入口にクサリが掛けられている.欲のない私はサッサと見学するのを諦める.
 トドさんは,入口で一寸,ためらったものの,
 「一寸だけ覗いてみます・・・」
と言って,スタスタと入口の階段を登っていく.すぐ戻ってくるかと思っていたが,なかなか戻ってこない.仲間の一人が,
 「トドさんは,何時も心臓が強いから,お構いなしに行ったんでしょう・・」
と感心する.その内に,釣られるようにして,何人かが××さんの家に入っていく. 私は,つい先日,ここを訪れたときに,雨に濡れたアジサイをかき分けている内に,頭から足の先までビッショリになってしまった.もう滴でビッショリになるのは敵わないので,辛抱強く外で待っている.
 
        <ギャラリー稲村ヶ崎>               <山あじさいの隠れ里>

■稲村ヶ崎で休憩
 14時15分頃,山あじさいの隠れ里を出発する.帰りは,先ほど登ろうとしていた道を辿って,江ノ電の線路まで下る.先ほど間違ったかなと思っていた入口は,やっぱり正しかった.ただ,途中の分岐で左折するところを,どこか類似の所の先入観で,確信を持って,右に行ってしまったのが,間違いの原因だった.やっぱり,年相応に呆けてきたかなと自戒する.
 途中から国道134号線に出る.まだ,人数が少ない七里ヶ浜の海岸を眺めながら,稲村ヶ崎へ向かう.稲村ヶ崎の山頂にある吾妻屋に潜り込んで,暫くの間,休憩を取る.ここでも,皆さんのリュックの中から,沢山の「おやつ」が出てくる.
 「おやつ」のお裾分けを頂戴しながら,男どもと散策するより,おばさん連と散策する方が,だいぶメリットがあるな・・・と,卑しい感想を持つ.やっぱり,食べ物の威力は凄いなと思う.
 食べ物を広げていると,リスやハトが寄ってくる.特にハトは何度追ってもすぐに近寄ってくる.その内に,トンビまで現れて,私達の隙を見はからっている.

■極楽寺でお別れ
 14時45分頃,稲村ヶ崎を出発する.
 横断歩道を渡って,駐車場を横切る.そして,十一人塚を経由して,江ノ電沿いの道を,極楽寺を目指して歩く.途中,日蓮袈裟懸松の前を通過する.
 15時20分頃,極楽寺駅に到着する.一行は,このまま鎌倉駅まで歩くという.時間が押しているので,私は,ここで皆さんとお別れして,1人で月影地蔵,火の見下経由で,鎌倉中央公園近くの自宅まで帰ることにする.

■深沢のアジサイ秘境
 一行とお別れしてから,私は貯まったエネルギーを発散させるように,目一杯の急ぎ足で,どこにも立ち寄らずに歩き続ける.梶原から深沢の裏道に入る.途中,東光院,大慶寺の前を通過する.そして,アジサイが見事に咲いている某民家の庭先を,少々拝見する.ここは隠れたアジサイの名所.実に見事なアジサイが西向きの山の斜面一杯に,整然と植えられている.正にアジサイの秘境である.

                 <深沢の秘境:アジサイの家>
             ※正面右側にも沢山のアジサイが咲いている.

■水戸黄門
 16時25分頃,帰宅する.
 早速,テレビを点ける.今日は見るつもりがなかったテレビ,水戸黄門の後半を楽しむ.
 私は,6月28日から30日まで,東海道五十三次宿場巡りの旅に出る.6月30日夜,帰宅したら,翌,7月1日には,ペルーに向けて旅立つ予定である.のんびりとアジサイ見物などしていないで,ペルー行の準備に取りかからなければいけない.
 私は,急に不安になってくる.
                             (おわり)
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