中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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初春の鎌倉:深沢から竜口寺へ

2010年01月10日 10時24分50秒 | 鎌倉あれこれ

                    <竜口寺仏舎利堂の釈迦像>

          初春の鎌倉:深沢から竜口寺へ
              (単独散策)
           2010年1月9日(土)


    ****************************
 特段,何処へ行かなければならないということもないので,足任せで歩き始める.
 まずは,自宅近くの富士塚を訪ねる.次いで,須崎古戦場,泣き塔.等覚寺を経由して,藤沢に向かう.
 川名ゴルフ場脇から,鎌倉市と藤沢市の市境尾根に沿って南に下って,片瀬住宅地に出る.
 腰越配水場脇から,鎌倉市内に入る.住宅地の中を海の方へ向かう.湘南モノレール片瀬山駅から腰越小学校脇を抜けて霊鷲寺,法源寺(ぼたもち寺)を見学.
 竜口寺に入り,頂上の舎利塔の前で,風景を眺めながら昼食を摂る.
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<散策地図>




<プロフィールマップ>


   水平歩行距離 8.5km
      累積登攀高度 202m
   累積下降高度 247m

■富士塚
 9時44分にバス停鎌倉中央公園入口を出発する.まずは,丸山住宅地の中を,湘南モノレール湘南町屋駅方面に歩く,ごく緩やかな下り坂の道を5分ほど歩いて,下り坂が急になる手前の交差点を左折,そしてすぐに右折する.緩やかな登り道をたどり右折して断崖の上で突き当る.
 ここからの眺望が素晴らしい.眼下に湘南町屋駅が見えている.その向こうに富士山や丹沢の山々が良く見えている.もし,今日,予定通りに塔ノ岳に出かけていれば,ここからも良く見えている山頂で,ミー君の写真を撮っている頃である.残念.
 暫く展望を堪能した後,道なりに左折,すぐに小さな山に突き当る.ここが富士塚である.
 数段の石段を登ると,すぐに塚の周回道路になる.落ち葉が降り積もる道を進むと,塚の山頂に向かう道と周回する道に分岐する.山頂に向かう道を登る.急坂を登りきると,塚の山頂に到着する.辺りは深い藪に覆われていて眺望は余りないが,大きな石塔がある.
 続いて,足元がほとんど見えない急な下りの藪道を降りると2基の石塔がひっそりと立っている.
 『かまくら子ども風土記』(p.268)によると,この塚は山崎,寺分,上町屋の境に位置しており,富士浅間神社を祀ったものだという.山頂付近にある風化した丸い石像は,1849年(寛永2年)に作られた釈迦像だというが,頭部が持ち去られている.
 富士塚を見た後,寺分の狐坂付近を下る.昔はこの辺りで上町屋からの古道と交差していたらしいが,辺りの宅地や道路によって消えた(前掲書から引用).



<断崖の上からの藤沢・富士山の眺望>


<塚山頂の石仏:頭がない>


<周回藪道沿いの石塔群>
※祖先の思いが籠っている塚を,子孫のわれわれがこんなに荒れたままにしておいて良いのかと自責の念に責められる.

■須崎古戦場
 寺分1丁目の古い住宅街を抜けて,交差点「深沢小学校入口」でバス通りに出る.このバス通りは,以前,京浜急行の有料道路だった.この交差点から,湘南モノレールに沿って橋げた2本分だけ坂道を登ると,昭和33年に鎌倉青年団が建立した石碑「須崎古戦場」がある.
 ここは,1333年(元弘3年),新田義貞軍と幕府側の赤崎守時軍が激しく交戦した場所である.
      
        <須崎古戦場の碑>

■泣き塔
 ついで,往路を引き返して,深沢多目的スポーツ広場に入る.今日は土曜日.広場には沢山の家族連れが訪れている.どこのチームか分からないが,遠くに富士山が見えている広場で,子どもたちが野球をしている.
 元気な子供たちの姿を見ていると,こちらも元気になってくるから不思議である.広場の端を奥の方まで入り込んで,金網越しに泣き塔を見物する.
 泣き塔は須崎の合戦の戦死者の霊を弔うために,合戦から23回忌の1356年(延文元年)に建てられたという(前掲書,p.265).
 むかしから,泣き塔のある土地を手に入れた人は必ず貧乏になるという言い伝えがある.
 泣き搭を見学したあと,等覚寺を訪れる.

<深沢多目的スポーツ広場>


<泣き搭:後のやぐらの中にも石塔が1基ある> 




<等覚寺>

■素晴らしい小路
 等覚寺から,藤沢鎌倉道路の裏手にある水道道を藤沢方面に向かって歩く.
 椿地蔵付近で,水道道路から藤沢鎌倉道路に出る.手美路交差点を渡って,藤沢方面に向かって暫くの間歩く.深沢高校前を通り過ぎて,川名ゴルフ場前の細い路地に左折する.すぐに閑静な住宅地になる.突き当りのT字路を左折すると,S字形の登り道になる.登っているうちに,次第に藤沢方面の眺望が良くなる.
 やがて,深い谷を挟んで新林公園の山がこんもりと見え始める.この深い谷の中央に池がある.この池にも行ってみたいが,今日はまっすぐに尾根道をたどることにする.
 暫くの間,道幅は狭いが簡易舗装の道が続くが,やがて完全な山道になる.とにかく静かである.鳥も啼かず,そよとした風もない.枯れ木に囲まれた全く音が聞こえてこない尾根道が続く.小さな登り下りが連続する.
 やがて,山道は片瀬山2丁目の住宅地に出て終わる.
 私は,それこそ何年振りかで,この閑静な小経を楽しんだ.今日は,もう,この小路を歩いただけで十分だという気分になる.


■腰越配水池から片瀬山駅へ
 片瀬山2丁目の住宅地を,なるべく市境沿いに歩く.片瀬山3丁目付近では,今,私が歩いている道が市境になっている.進行方向右側が藤沢市片瀬山3丁目,そして左側が鎌倉市西鎌倉4丁目である.道路を挟んで,お互いの家がどのようなお付き合いをしているのか興味がある.行政区画が違えば,多分,町内会も違うだろうし,子どもたちの学区も違うだろう.この辺りのお付き合いの仕方を,是非,伺ってみたいなと思いながら通過する.
 11時32分,腰越配水池脇から尾根を越えて,西鎌倉4丁目の住宅地に入る.なるべく尾根に沿うようにして,南へ向かう.道路が突き当ると道なりに進む.交差点があると,低い方に進む.後になって,どこをどう通ったのか良く分からないが,11時43分にモノレール片瀬山駅前を通過する.

<道路の向かって左側が鎌倉市,右側が藤沢市>


<モノレール片瀬山駅>

■峠を越えて海が見えだす
 11時55分,下っている坂道がT字路で突き当る.ここから腰越5丁目になる.市境近くを歩くという原則に従って右折する.急な上り坂になる.上から下りてきたコンビニ配達の車が,私に向かって警笛を鳴らす.私がウロウロと辺りを見回しながら歩いていたので注意を喚起したのだろう.
 やがて峠に差し掛かる.峠を下り始めると,前方に江ノ島が見え始める.
 「・・ああ,もう海に近づいてしまったか・・」
と,ちょっと寂しくなる.

<峠を越えると江の島が見えだす>

■霊鷲寺から法源寺
 12時02分,腰越小学校の前を通過する.その先の三叉路を右折する.住宅地の中の狭い路地が続く.
 この辺りには,竜口寺の輪番寺が沢山ある.せっかく,ここまで来たのだから,輪番寺を全部回ってみようかとも思う.でも,その前に,どこかで食事をしなければならない.どこで食事をするか迷う.ちょっと回り道して,片瀬山公園で摂るか,それとも竜口寺境内のどこかにするか迷うが,まずはとにかく,竜口寺を詣でることにする.
 道すがら,12時11分,霊鷲寺の前を通過する.いつの間にか霊鷲寺は改築されて,すっかり現代的な建物に建て替えられている.霊鷲寺の由来などは,私の手元にある資料では見当たらないので,全く分からない.
 霊鷲寺を過ぎて,すぐに法源寺入口に達する.ここに「法源寺・ぼたもち寺」と書かれた石碑が建っている.法源寺をお参りするには,ここから僅かな距離だが坂道を登らなければならない.坂道を登るどうかちょっと戸惑う.大きな木に囲まれた薄暗い坂道を登って,12時15分に法源寺に到着する.ここは竜口寺輪番八ヶ寺の一つである.日蓮の孫弟子,日行が1318年(文保2年)に開山した寺である(前掲書,p.182).日蓮が龍ノ口法難にあったとき,桟敷尼がぼたもちを供養したと伝えられる.

<霊鷲寺:この寺の由来,私には良く分からない> 


<法源寺入口:ここから坂道を登る>


<法源寺>

■龍口寺
 元の道に戻り,12時21分に龍口寺に到着する.ここは,さすがに有名な名刹である.沢山の善男善女が参詣している,たまたま私の前を老人夫婦が,石段を一歩一歩踏みしめるようにして登っている.その脇で小さな子供が,母親と一緒に遊んでいる.お爺さんの方が,子どもに話しかける.
  「・・・おやおや,元気で良いですね・・・お爺ちゃんは,92歳ですよ・・」
 私は老人夫婦の脇を通り過ぎる.
 そのまま,山頂にある舎利殿まで登る.さすがに,ここまで登ってくる参拝客はほとんどいないようである.お釈迦さまに像の前から匂ってくる線香の香りを嗅ぎながら,広場のベンチに座って,遅めの昼食を摂る.幸いなことに,この辺りには,あの迷惑なトンビも飛来しないので,ゆっくりとした気分で食事を楽しむ.
 
<竜口寺本堂>

      
      <竜口寺五重塔>

■バス停竜口寺からバスで戻る
 12時45分,昼食を終えた私は舎利殿前から下山する.本堂脇のベンチで,先ほどの92歳の老人夫婦が座り込んでいる.私は軽く会釈をして,龍口寺を後にする.
 食事をしながら日向ぼっこをしているうちに,散歩も飽きてしまった.輪番寺を回るのは止めにして,湘南モノレール江ノ島駅に向かう.途中,バス停「竜口寺」の前で,念のため,バスの時間を見る.10分ほど待てば大船行のバスが来るようである.
 私は,このバスに乗って帰ることにする.
 今日は休日,江ノ島の渋滞が激しくて,バスは5分ほど遅れる.バスに乗車する.すぐにバスは発車する.さて,どこで下車しようかと迷う・・・が,結局,自宅から最も近いバス停を,二つばかり乗り越して,山崎で下車する.バス停近くのコンビニに立ち寄って,ほんの暫くの間,雑誌を立ち読みしてから,裏道を通って,鎌倉中央公園山崎口から公園に入る.園内をブラブラしてから,14時11分,出発点の鎌倉中央公園入口に戻る.
 今回は,水平歩行距離8.5km,累積登攀高度202メートルのプチ散策であった.

<ラップタイム>

 9:44  鎌倉中央公園入口出発
 9:50  富士塚(10:03まで見学)
10:14  バス停「富士塚小学校入口」
10:16  須崎古戦場(10:18まで見学)
10;22  泣き塔(10:23まで見学)
10:27  等覚寺
10:30  鎌倉市役所深沢支所
10:47  セブンイレブン(10:56まで買い物)
11:00  深沢高校前
11:05  川名ゴルフ場
11:10  尾根道に入る
11:20  分岐
11:25  片瀬山住宅地
11:32  腰越給水地
11:43  片瀬山駅
11:55  腰越5丁目
12:02  腰越小学校
12:11  霊鷲寺
12:15  法源寺
12:21  竜口寺
12:30  舎利塔(12:45まで昼食)
12:55  バス停竜口寺着(13:1発:京急バス)
14:11  鎌倉中央公園入口 着

[散策記録]

■水平歩行距離 
    8.5km

■累積登攀高度     202m

■累積下降高度 
    247m

■所要時間
(休憩時間を含む)
  鎌倉中央公園入口 発  9:44
  バス停竜口寺   着  12:55
 (所要時間) 3時間11分(3.18h)

 水平歩行速度
 8.5km/3.18h=2.67km/h
                            (おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/9b8a5cb35d13ea9898838096115cfa02
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