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アイルランド紀行(8)
アイルランドへ
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第3日目:2002年6月16日(日)(つづき)
<スキポール国際空港>
■スキポール国際空港に向かう
午前中にゴッホ美術館を見学した私は,一旦息子の家に戻り,家族一同と一緒に少々遅い昼食を摂る。
14時15分,これから私は息子の車に乗って,アムステルダムのスキポール国際空港へ向かう。家内が見送りのために同行する。その間,息子の嫁と孫は自宅で留守居である。
昨日今日と何回となく通過して見覚えのある道路を進む。でも,その内に,車がどちらを向いて走っているのか分からなくなる。
14時30分頃,スキポール空港T3近くの駐車場に到着する。どうやら大きなターミナルビルの一番端っこのようである。ターミナルビルに入る。ビックリするほどの人が集まっている。息子の先導で,地下鉄に乗る。到着した地下鉄の駅で降りて,エスカレーターで上に登ると,ターミナルビルのど真ん中に出る。
■搭乗手続
14時45分,搭乗手続のために窓口へ行く。窓口は空いている。私は書類一式を係員の女性に手渡す。係員は,家内と息子の3人連れなのに,私1人だけ搭乗手続をするのを訝りながら,
「あなた,お一人で搭乗されるんですか・・・?」
と英語で聞く。
「そうです。私1人です」
「後の方は奥さん?・・・一緒に行かないんですか?」
「家内と息子ですよ・・・用事があるので,私1人で,1週間ばかりアイルランドへ行って,またアムステルダムへ戻ってきます・・・」
「あら~ぁ・・・お1人なんですか。それは寂しいですね」
と私と家内の顔を交互に見詰める。私も家内も思わず苦笑する。
当初,私をからかって言っているのかと思っていたが,オランダ人の感覚からいえば,何時も夫婦が一緒に行動するのが当然の思っているのだろう。そういえば,海外のどこの学会へ行っても,夫婦同伴の方がとても多いことに気が付いている。
搭乗手続は直ぐ終わった。まだ,搭乗開始時間まで大分時間がある。そこで,搭乗開始まで,まずは空港内のコンビニに入る。息子は,ここで赤ん坊用の雑貨を購入する。その後,ドリンクバーでコーラを飲みながら一休みする。
■サッカー国際試合
15時20分,家内と息子にお別れをして,搭乗待合室へ向かう。
まずは出国手続である。窓口の前には50人ほども並ぶ長蛇の列である。「これは参ったな・・・」と思ったが,行列がドンドンと捌け,手続きにはそれほど時間は掛からない。次いで,セキュリティチェックを受けて,15時45分,ヤケに狭い搭乗待合室に入る。待合室のテレビの前は黒山の人集りである。何事かと思ったら,テレビでサッカー試合を中継している。私はサッカーには全く興味がないが,丁度,アイルランドが何処かの国と対戦しているらしい。
機長,キャビンアテンダント,搭乗窓口担当者も仕事をほったらかして,テレビに夢中になっている。「サッカーはサッカー,仕事は仕事」で何故割り切らないのか,私はとても腹立たしい思いに駆られる。
出発時間は16時00分である。それが,サッカー試合が終わってから,ようやく16時10分になって,搭乗手続きが開始される。この試合,アイルランドが勝ったので,周囲の人達は上機嫌である。
16時25分に,ようやく自分の席,D20に着席する。通路側の席である。機内の中央通路の両側に3列の客席が並ぶ小さな飛行機である。機内はほぼ満員である。
<ダブリン国際空港>
■やっと離陸
定刻より22分遅れて,16時42分に飛行機はスキポール国際空港の駐機場から動きだし,16時55分,無事,離陸する。やがて,17時丁度にベルトサインが消える。やっと落ち着いた雰囲気になる・・・が,私の直ぐ隣の席に座ったカップルが,人目を憚らずに抱き合って濃厚なキスを続けている。Flower-hillは年輩者だが,それでもどうも隣のカップルが気になる。
17時25分,飲み物のサービスを受ける。オレンジジュースとビスケットである。やがて,免税品の販売が始まる。何故か分からないが,乗客は争うように色々な品物を購入している。税金が高いからかなと勝手に想像する。
18時07分,飛行機は,無事,ダブリン国際空港に着陸する。アムステルダムとダブリンの間には1時間の時差がある。したがって,現地時間では,今,17時07分である。それにしても,オランダとアイルランドは近いなと実感する。
■ダブリン国際空港
18時20分にディセンバーグ。つづいて入国審査の窓口へ行く。空港の建物は狭くて薄暗い。窓口の前には長蛇の列ができている。15分ほど並んでやっと入国審査が終わる。続いてバゲージクレイム。ここでもなかなか荷物が出てこない。
17時40分頃,やっと荷物を受け取る。 到着ロビーへ出る。天井が低くて暗く狭いというのが第一印象である。さて,ダブリンを訪れるのは初めてである。しかももう外は真っ暗。交通機関の様子も余りよく分からない。こんな時は,多少費用が掛かってもタクシーを利用するに限る。
アイルランドはEU加盟国である。したがって,オランダで使っていたお金,ユーロが,アイルランドでもそのまま使える。そのために入国早々に現地通貨の工面をしなくても良いので大助かりである。
■アッシュリングホテルへ
17時50分,空港のタクシー乗り場へ到着する。客待ちをしていたタクシーのドライバーに,
「アッシュリングホテル(Ashling Hotel)へ行きたいんですが・・・ご存じですか?」
と聞く。白髪で初老のドライバーが,丁重に,
「はい,分かりますよ・・・どうぞ」
と答える。私はタクシーに乗る。すぐに発車。
最初は明るい街中を走っていたが,直ぐに真っ暗な闇の中を走りだす。外は漆黒。全く何も見えない。タクシーは右へ左へとカーブしながら坂道を登ったり降りたりしながら爆走する。どうやら森の中を走っているようである。対向車は全くない。何かとんでもない異次元の世界へ連れて行かれるような錯覚に陥る。一体,何処を走っているんだろう・・私は,ちゃんとアッシュリングホテルに着けるのだろうかと,少々不安になる。私は不安になって。
「アッシュリングホテルまで,あと何分ぐらいですか・・・?」
と運転手に聞いてみる。ドライバーは,
「もうあと10分くらいですよ」
と綺麗な英語で答える。
勿論,どこをどう通ったのか分からないが,18時35分に,無事,アッシュリングホテルに到着する。
タクシードライバーが,
「長時間ご苦労様でした。ここがアッシュリングホテルですよ・・・」
と教えてくれる。空港からここまでのタクシーの料金は22EU(このときの為替レートは1EU=125円)。チップを1EU添えて,23EUを支払って下車する。
ホテルは薄暗いところに建っている。何とも侘びしい感じがする。どうやら街中のようだが,辺り全体が闇の中に静まりかえっている。全体にうらぶれているような印象を受ける。
■アッシュリングホテルへチェックイン
ホテルの扉を「ぎ~っ・・・」と押して中に入る。外観は余りよく分からなかったが,内部はクラシック調で落ち着いた雰囲気である。フロントには大柄な女性が2人。
「こんばんは・・・私の名前はflower-hill,東京で予約済みですが・・・」
チェックインは直ぐに終わる。
フロントで,このホテルで落ち合う手筈になっているNさん,T大学のF先生,Hさんのルーム番号を教えて貰ってから,自分の部屋に入る。部屋の中には,ダブルベッド1台,シングルベッド1台,バストイレが付いている。勿論,TV付きである。窓際に応接セットが置いてある。十分な広さのある部屋である。
■遅い夕食
部屋に落ち着くと空腹なことに気が付く。真っ暗で不案内な外へは出ずに,ホテル1階(グランドフロアー)のレストランで,軽く夕食を摂ろうと思う。初めてのアイルランドで,1人寂しく夕食を食べるのも良いかもしれない。でも,ヒョッとしたら同行者の誰かが,もうホテルに着いているかもしれない。誰かを誘ってみようかと思い立つ。まずは,F先生に電話してみる。
電話でF先生,Nさんのお二人は,私より早くホテルに到着していて,私からの連絡を待っていたとのことである。まずは,19時35分,レストランで落ち合う。
私は,「本日のチーフお薦め(Chief’s Special of the Day)(14.75EU)」と,「フランス風オニオンスープ(French Onion Soup)(4.75EU)」を注文する。チップ2EUを加えると,1回の夕食で,実に22EUも使ってしまった。明日からは支出をグッと引き締めないと大変なことになるぞと覚悟する。
<アッシュリングホテルの夕食>
「本日のチーフのお薦め」は,少し変形した黄色いお皿にポテトサラダ,白身の魚,菜っぱの油炒めなどがトッピングされている料理である。美味しいが,お醤油を少々かければ格段に美味しくなるような気がする。
夕食を終えて,21時,頃部屋へ戻る。
「今日は一寸贅沢しすぎたな・・・」
と反省しながら就寝する。
(つづく)
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<スキポール国際空港>
■スキポール国際空港に向かう
午前中にゴッホ美術館を見学した私は,一旦息子の家に戻り,家族一同と一緒に少々遅い昼食を摂る。
14時15分,これから私は息子の車に乗って,アムステルダムのスキポール国際空港へ向かう。家内が見送りのために同行する。その間,息子の嫁と孫は自宅で留守居である。
昨日今日と何回となく通過して見覚えのある道路を進む。でも,その内に,車がどちらを向いて走っているのか分からなくなる。
14時30分頃,スキポール空港T3近くの駐車場に到着する。どうやら大きなターミナルビルの一番端っこのようである。ターミナルビルに入る。ビックリするほどの人が集まっている。息子の先導で,地下鉄に乗る。到着した地下鉄の駅で降りて,エスカレーターで上に登ると,ターミナルビルのど真ん中に出る。
■搭乗手続
14時45分,搭乗手続のために窓口へ行く。窓口は空いている。私は書類一式を係員の女性に手渡す。係員は,家内と息子の3人連れなのに,私1人だけ搭乗手続をするのを訝りながら,
「あなた,お一人で搭乗されるんですか・・・?」
と英語で聞く。
「そうです。私1人です」
「後の方は奥さん?・・・一緒に行かないんですか?」
「家内と息子ですよ・・・用事があるので,私1人で,1週間ばかりアイルランドへ行って,またアムステルダムへ戻ってきます・・・」
「あら~ぁ・・・お1人なんですか。それは寂しいですね」
と私と家内の顔を交互に見詰める。私も家内も思わず苦笑する。
当初,私をからかって言っているのかと思っていたが,オランダ人の感覚からいえば,何時も夫婦が一緒に行動するのが当然の思っているのだろう。そういえば,海外のどこの学会へ行っても,夫婦同伴の方がとても多いことに気が付いている。
搭乗手続は直ぐ終わった。まだ,搭乗開始時間まで大分時間がある。そこで,搭乗開始まで,まずは空港内のコンビニに入る。息子は,ここで赤ん坊用の雑貨を購入する。その後,ドリンクバーでコーラを飲みながら一休みする。
■サッカー国際試合
15時20分,家内と息子にお別れをして,搭乗待合室へ向かう。
まずは出国手続である。窓口の前には50人ほども並ぶ長蛇の列である。「これは参ったな・・・」と思ったが,行列がドンドンと捌け,手続きにはそれほど時間は掛からない。次いで,セキュリティチェックを受けて,15時45分,ヤケに狭い搭乗待合室に入る。待合室のテレビの前は黒山の人集りである。何事かと思ったら,テレビでサッカー試合を中継している。私はサッカーには全く興味がないが,丁度,アイルランドが何処かの国と対戦しているらしい。
機長,キャビンアテンダント,搭乗窓口担当者も仕事をほったらかして,テレビに夢中になっている。「サッカーはサッカー,仕事は仕事」で何故割り切らないのか,私はとても腹立たしい思いに駆られる。
出発時間は16時00分である。それが,サッカー試合が終わってから,ようやく16時10分になって,搭乗手続きが開始される。この試合,アイルランドが勝ったので,周囲の人達は上機嫌である。
16時25分に,ようやく自分の席,D20に着席する。通路側の席である。機内の中央通路の両側に3列の客席が並ぶ小さな飛行機である。機内はほぼ満員である。
<ダブリン国際空港>
■やっと離陸
定刻より22分遅れて,16時42分に飛行機はスキポール国際空港の駐機場から動きだし,16時55分,無事,離陸する。やがて,17時丁度にベルトサインが消える。やっと落ち着いた雰囲気になる・・・が,私の直ぐ隣の席に座ったカップルが,人目を憚らずに抱き合って濃厚なキスを続けている。Flower-hillは年輩者だが,それでもどうも隣のカップルが気になる。
17時25分,飲み物のサービスを受ける。オレンジジュースとビスケットである。やがて,免税品の販売が始まる。何故か分からないが,乗客は争うように色々な品物を購入している。税金が高いからかなと勝手に想像する。
18時07分,飛行機は,無事,ダブリン国際空港に着陸する。アムステルダムとダブリンの間には1時間の時差がある。したがって,現地時間では,今,17時07分である。それにしても,オランダとアイルランドは近いなと実感する。
■ダブリン国際空港
18時20分にディセンバーグ。つづいて入国審査の窓口へ行く。空港の建物は狭くて薄暗い。窓口の前には長蛇の列ができている。15分ほど並んでやっと入国審査が終わる。続いてバゲージクレイム。ここでもなかなか荷物が出てこない。
17時40分頃,やっと荷物を受け取る。 到着ロビーへ出る。天井が低くて暗く狭いというのが第一印象である。さて,ダブリンを訪れるのは初めてである。しかももう外は真っ暗。交通機関の様子も余りよく分からない。こんな時は,多少費用が掛かってもタクシーを利用するに限る。
アイルランドはEU加盟国である。したがって,オランダで使っていたお金,ユーロが,アイルランドでもそのまま使える。そのために入国早々に現地通貨の工面をしなくても良いので大助かりである。
■アッシュリングホテルへ
17時50分,空港のタクシー乗り場へ到着する。客待ちをしていたタクシーのドライバーに,
「アッシュリングホテル(Ashling Hotel)へ行きたいんですが・・・ご存じですか?」
と聞く。白髪で初老のドライバーが,丁重に,
「はい,分かりますよ・・・どうぞ」
と答える。私はタクシーに乗る。すぐに発車。
最初は明るい街中を走っていたが,直ぐに真っ暗な闇の中を走りだす。外は漆黒。全く何も見えない。タクシーは右へ左へとカーブしながら坂道を登ったり降りたりしながら爆走する。どうやら森の中を走っているようである。対向車は全くない。何かとんでもない異次元の世界へ連れて行かれるような錯覚に陥る。一体,何処を走っているんだろう・・私は,ちゃんとアッシュリングホテルに着けるのだろうかと,少々不安になる。私は不安になって。
「アッシュリングホテルまで,あと何分ぐらいですか・・・?」
と運転手に聞いてみる。ドライバーは,
「もうあと10分くらいですよ」
と綺麗な英語で答える。
勿論,どこをどう通ったのか分からないが,18時35分に,無事,アッシュリングホテルに到着する。
タクシードライバーが,
「長時間ご苦労様でした。ここがアッシュリングホテルですよ・・・」
と教えてくれる。空港からここまでのタクシーの料金は22EU(このときの為替レートは1EU=125円)。チップを1EU添えて,23EUを支払って下車する。
ホテルは薄暗いところに建っている。何とも侘びしい感じがする。どうやら街中のようだが,辺り全体が闇の中に静まりかえっている。全体にうらぶれているような印象を受ける。
■アッシュリングホテルへチェックイン
ホテルの扉を「ぎ~っ・・・」と押して中に入る。外観は余りよく分からなかったが,内部はクラシック調で落ち着いた雰囲気である。フロントには大柄な女性が2人。
「こんばんは・・・私の名前はflower-hill,東京で予約済みですが・・・」
チェックインは直ぐに終わる。
フロントで,このホテルで落ち合う手筈になっているNさん,T大学のF先生,Hさんのルーム番号を教えて貰ってから,自分の部屋に入る。部屋の中には,ダブルベッド1台,シングルベッド1台,バストイレが付いている。勿論,TV付きである。窓際に応接セットが置いてある。十分な広さのある部屋である。
■遅い夕食
部屋に落ち着くと空腹なことに気が付く。真っ暗で不案内な外へは出ずに,ホテル1階(グランドフロアー)のレストランで,軽く夕食を摂ろうと思う。初めてのアイルランドで,1人寂しく夕食を食べるのも良いかもしれない。でも,ヒョッとしたら同行者の誰かが,もうホテルに着いているかもしれない。誰かを誘ってみようかと思い立つ。まずは,F先生に電話してみる。
電話でF先生,Nさんのお二人は,私より早くホテルに到着していて,私からの連絡を待っていたとのことである。まずは,19時35分,レストランで落ち合う。
私は,「本日のチーフお薦め(Chief’s Special of the Day)(14.75EU)」と,「フランス風オニオンスープ(French Onion Soup)(4.75EU)」を注文する。チップ2EUを加えると,1回の夕食で,実に22EUも使ってしまった。明日からは支出をグッと引き締めないと大変なことになるぞと覚悟する。
<アッシュリングホテルの夕食>
「本日のチーフのお薦め」は,少し変形した黄色いお皿にポテトサラダ,白身の魚,菜っぱの油炒めなどがトッピングされている料理である。美味しいが,お醤油を少々かければ格段に美味しくなるような気がする。
夕食を終えて,21時,頃部屋へ戻る。
「今日は一寸贅沢しすぎたな・・・」
と反省しながら就寝する。
(つづく)