<秘境番場ヶ谷>
鎌倉:新春の番場ヶ谷・泉ヶ谷
(山旅スクール第5・6期有志)
2008年1月16日(水)
新年早々の喧噪が一段落した1月16日(水),ノシイカさんの音頭で,鎌倉近郊在住の山旅スクール第5・6期有志が集まって,鎌倉北東部の番場ヶ谷,泉ヶ谷を中心に散策した。
昨日までの寒い日々は,一段落。暖かい日差しを浴びながら,のんびりとハイキングを楽しんだ。参加者は,ノシイカさん,トドさん,痛子さん,仙人など合計6名(男性1人,女性4人,アルカリ性1人)であった。
<ルートマップ>
参考地図 25,000分の1地形図『鎌倉』『戸塚』
都市地図16,000分の1『鎌倉市・逗子市』昭文社
※プリントすると綺麗に見えます
■何だか億劫だな
この所,寒い日が続いている。昨日厳冬の塔ノ岳を往復したばかりの私は,その翌日の今日ばかりは,余り早い時間に家を出たくなかった。何となく家を出そびれて,ついに8時15分から始まるNHKの連続テレビドラマ「ちりとてちん」が始まってしまう。なんとなく惰性で,「ちりとてちん」を見終えてから,あわてて家を出る。
湘南モノレールと横須賀線を乗り継いで,9時11分に鎌倉駅に到着する。新春の初詣客の数も,とっくに峠を越えているので,電車はガラガラに空いていた。集合時間の9時30分には,まだ少し時間があるので,駅構内のコーヒーショップに立ち寄って,暖かいコーヒーを嗜みながら,
「はて,今日は何処を案内しようか」
とあれこれと迷い続ける。
余談だが,私を常に悩ませるのは,参加者から,
「私は鎌倉のことは何も知らないので,どこでもいいからつれてって」
と言われることである。この一言は,案内される方々にとっては当然と思うかもしれないが,案内のプロではない私にとって,腹立たしいほど嫌いな言葉である。
不思議なことに男性で,
「どこでもいいから・・・」
と言う方は皆無に近い。女性特有の言い回しだということを,皆さんお分かりになっているのだろうか。
それはともかく,迷いに迷った挙げ句,今日は二階堂の北から,通称「まむしヶ谷坂」を登って,天園ハイキングコースに出て,適当なところから番場ヶ谷に下る。その後,時間が許す限り,泉ヶ谷を散策してから,一旦,峠の茶屋付近まで戻り,そこから獅子舞東尾根を下って,獅子舞谷の入り口付近に出ようかと心に決める。
■鎌倉駅前を出発
9時25分,コーヒーショップを出て,鎌倉駅表口改札口前に向かう。すでに,仙人,痛子さん,トドさんが到着している。辺りには数組のハイカーが屯している。これらの方々の服装を見ると,本格的な登山をされる方の服装とは違って,どこか「ちぐはぐ」なところが残っている。そんな違いを見ているだけでも楽しくなる。
そんな偉そうなことを言いながら,当の私は,自宅近くの散策ということもあって,実にいい加減な服装である。第一に寝起きに履いたジーンズのまま,それに山では御法度の木綿の下着を着ている。しかも,小さなリュックには,地図もコンパスも入っていない。駅近くのコンビニで購入したオニギリ2個,それに水,手袋程度を入れただけ。ただ,靴だけは,しっかりした軽登山靴を履いているのが,唯一の取り柄である。そんないい加減な装備しかしていない私が,他人の装備のことを,とやかく批評するのは誠におこがましいことである。
定刻の9時30分を少し廻った頃,参加者全員が揃う。9時37分に,ようやく,鎌倉駅前を出発する。
■鎌倉宮へ
まずは,何時ものように,小町通を北上する。朝が早いためか,小町通を歩いている観光客の数は少ないように思える。途中から若宮大路に出て,鶴岡八幡宮へ向かう。
9時51分に鶴岡八幡宮に到着する。まだ人影が疎らな境内を抜けて,横浜国大付属小学校側の出口に向かう。
同行の仙人が,入口に立っている守衛と挨拶を交わしている。守衛が,
「おはようございます・・・今日はどちらへ行かれるんですか」
と仙人に質問する。
「どこか・・・まあ・・・適当に。その辺りを廻ってきますよ・・」
と,仙人が答える。
その後,清泉小学校脇から,バス通りを進み,10時14分に鎌倉宮に到着する。参加の皆さんが,道すがらお喋りに夢中になっているので,歩行速度がついつい遅くなる。私は内心で,「この調子では,泉ヶ谷をぐるぐる廻るのは無理かな・・予定したコースを短縮するか」と思い始める。
■急坂を登る
10時22分に鎌倉宮を出発する。「お宮通り」を北東に進み,永福寺跡に沿って,獅子舞谷に向かう道との分岐から左側に道に入り込む。進行方向左手には二階堂川の支流が流れている。右手には閑静な住宅地が続く。
「これから住宅地の中を歩きますので静かにしましょう」
と一同に注意するが,あまり効き目がない。
緩やかな坂を登り続ける。そして,つい先日,トドさんと登った急坂への入り口付近に到着する。一行の何人かが,トドさんが手こずったという急坂を登りたいという。そこで,まむしヶ谷坂を登る予定を,急遽,変更して,つい先日登った急坂を目指して右折する。
橋を渡って,少し奥へ進むと直ぐに住宅は途絶え,山道になる。大きな倒木の下を潜ってから更に右折。いよいよ急坂に差し掛かる。
ぬるぬるとした急な登り坂を,滑りそうになりながら這い上がる。木の根や枝を頼りにして,我慢しながら,慎重に登り詰める。そして,11時頃,鉄塔の下に到着する。ここで,衣服調整のために5分ほど休憩を取る。
<急坂を登る> <秘境を行く>
■天園ハイキングコースに出る
鉄塔から尾根道を北北東に,ほんの数分進むと,獅子舞谷の入口にある鎌倉老人園から登る山道と合流する。そのまま登り続けて,2箇所の岩崖を通過し,天園ハイキングコース沿いの鉄塔に出る。
ここから,暫くの間,天園ハイキングコースに沿って歩く。ここまで来ると,沢山のハイカーとすれ違うようになる。
11時27分,私達は鎌倉市の最高峰,大平山山頂(157m)に到着する。山頂から,スッキリと晴れ渡っていれば見える筈の千葉の海岸は全く見えない。ただ,横須賀の三浦三山,大杉山,逗子の二子山,阿部倉山などは良く見えている。
風も殆ど吹いていないので,予想以上に暖かい。
私達は,大平山山頂の下の広場で,円陣になって昼食を摂ることにする。今日はオバさん達の参加者が多いので,いろいろな食べ物が,次から次へと提供される。
■峠の茶屋で挨拶
昼食を終えて,12時10分に,再び歩き出す・・・が,昼食の後片付けで多少手間取る。その間に,「峠の茶屋に挨拶する」と言って,仙人が一足先に歩き出す。そして私達は,仙人より数分遅れて歩き出す。
12時22分に私達も峠の茶屋の真下に到着する。私は,
「ちょっと,待ってて下さい・・・」
と一同に合図してから,仙人を出迎えるために峠の茶屋に入る。
今日の峠の茶屋には,ご常連が沢山集まっている。Eさんも仲間数人と宴会を開いている。私は女店主に,
「今日は,仲間がいますので,済みませんが素通りします・・・」
と挨拶する。そのとき,Eさんが私を手招きする。
「ちょっと,ちょっと,・・・これ一つ摘んで行きなさい・・・」
と言いながら,Eさんはコンニャクを1切,爪楊枝に刺して私に手渡す。私は有り難く頂戴してから,急いで同行者のところへ戻る。
■番場ヶ谷を下る
峠の茶屋から,暫くの間,天園ハイキングコースに沿って,貝吹地蔵方向に進む。獅子舞からの裏道と合流する手前から,番場ヶ谷に下る。コースの詳細を記述することはできないが,踏み跡に沿って下り続けると,やがて,番場ヶ谷の途中に出る。そして,川を渡って左岸沿いの道に出る。
ここから,下流に向かって,暫くの間,歩き続ける。人気のない深い谷間である。ここが鎌倉市内だとは思えないほど深山幽谷の気配がする。やがて,川を渡って右岸へ出る。辺りは,鬱蒼とした杉林である。さらにもう一度渡渉して,再び左岸へ,そして踏み跡のような道を,さらに下り続ける。やがて,三叉路に到着する。ここを左折すると,直ぐに急な登り坂になる。
<秘境:番場ヶ谷を下る> <鎌倉霊園の野良猫>
■鎌倉霊園の猫
登り坂を5分ほど登り続けると尾根に出る。尾根の反対側には,冬枯れの木立の間から,広々とした鎌倉霊園が見えている。参加者の一人が,
「この道を進むと,市境広場に出るんでしょう・・」
とトンチンカンなことを言い出す。この方の頭の中の地図は,どうなっているんだろうと可笑しくなる。
尾根道を北に向かう。気持ちの良い散策路である。やがて,急な下り坂になる。この下り坂を降りきると,鎌倉霊園の西端に出る。私達のような,通りすがりのハイカーが霊園内をウロウロするのは好ましいことではないが,霊園の片隅で,暫くの間,休憩を取る。
すると,どこからともなく,三毛猫が寄ってくる。どうやら野良ちゃんのようである。体毛が少し汚れている。人なつっこく,「ニャ~,ニャ~」と鳴きながら近寄ってくる。この猫にやる食べ物は全く持っていないし,それに,むやみにエサを与えるのは好ましくないので,この猫の写真を撮るだけで済ませる。
■市境広場に出る
私達は,静かに鎌倉霊園の端を歩かせてもらう。そして,泉ヶ谷の東から2番目の尾根道を登る。雑木林の中のジグザグに急坂を登ると,見晴らしの利く尾根道に出る。この辺りの紅葉は,鎌倉で最高といっても良いぐらい見事である。ただ,今はもうすっかり落葉しているので,逆に,見晴らしが良くなっている。東には,尾根の向こうに横浜の金沢文庫付近の住宅地や東京湾が見えている。
尾根道を辿ると,やがて2本の鉄塔を通過する。そして,一番東の尾根から続く道に合流する。さらに,この道を,ほんの数十メートル進むと,環状4号線総武隧道の真上にある市境広場に到着する。途端に環状4号線を通る自動車の騒音が聞こえ始める。
■獅子舞東尾根を下る
14時19分に市境広場を出発して天園に向かう。ときどきハイカーとすれ違う。鎌倉霊園と横浜霊園の間の尾根道を進んで,14時43分に天園に到着する。ここで,暫く立ち休憩を取った後,獅子舞東尾根を下る。
この尾根を下るのは,半年ぶりのことである。その間に道が随分と整備され,途中で迷うこともなくなった。それでも,途中から,多少,藪道が続くが,やがて最後の急坂になる。坂の下で数人の人が焚き火をしているのが見下ろせる。誰だろうと訝りながら下り続ける。
近付いて見ると,若い男女を含む地元の数名の方々である。若い女性が,
「道路,分かりましたか?」
を私達に聞く。どうやら,この人達が,今,私達が降りてきた道を整備していたようである。
■鎌倉駅へ戻る
獅子舞東尾根を降り切って,15時40分に獅子舞登山口近くに出る。ここからは,鎌倉老人園の脇を通って,鎌倉宮へ,さらに大倉幕府跡を横切って,15時45分に鶴岡八幡宮へ戻る。
日が傾き始めたためか,何時もよりも観光客の数が少ないような気がする。それに大分寒くなり始めた。小町通りに出てから「モア」の前辺りで,私は一同とお別れして,バス停「鎌倉市役所前」へ急ぐ。16時から始まるテレビ水戸黄門と,大相撲の中継が見たかったから。
16時25分頃,帰宅。水戸黄門の後半と,大相撲の後半を,ユックリと観戦することができた。
明日から本業で頑張らなければ・・・・
[ラップタイム]
9:37 鎌倉駅歩き出し
9:51 鶴岡八幡宮
10:22 鎌倉宮
10:44 二階堂山道入口
11:00 鉄塔
11:27 大平山(12:10まで昼食)
12:22 峠の茶屋
13:10 番場ヶ谷経由鉄塔尾根
13:21 鎌倉霊園西端
14:17 市境広場
14:43 天園
15:00 獅子舞東尾根から獅子舞に出る
15:25 鎌倉宮
15:45 鶴岡八幡宮
16:03 鎌倉駅
(おわり)
鎌倉:新春の番場ヶ谷・泉ヶ谷
(山旅スクール第5・6期有志)
2008年1月16日(水)
新年早々の喧噪が一段落した1月16日(水),ノシイカさんの音頭で,鎌倉近郊在住の山旅スクール第5・6期有志が集まって,鎌倉北東部の番場ヶ谷,泉ヶ谷を中心に散策した。
昨日までの寒い日々は,一段落。暖かい日差しを浴びながら,のんびりとハイキングを楽しんだ。参加者は,ノシイカさん,トドさん,痛子さん,仙人など合計6名(男性1人,女性4人,アルカリ性1人)であった。
<ルートマップ>
参考地図 25,000分の1地形図『鎌倉』『戸塚』
都市地図16,000分の1『鎌倉市・逗子市』昭文社
※プリントすると綺麗に見えます
■何だか億劫だな
この所,寒い日が続いている。昨日厳冬の塔ノ岳を往復したばかりの私は,その翌日の今日ばかりは,余り早い時間に家を出たくなかった。何となく家を出そびれて,ついに8時15分から始まるNHKの連続テレビドラマ「ちりとてちん」が始まってしまう。なんとなく惰性で,「ちりとてちん」を見終えてから,あわてて家を出る。
湘南モノレールと横須賀線を乗り継いで,9時11分に鎌倉駅に到着する。新春の初詣客の数も,とっくに峠を越えているので,電車はガラガラに空いていた。集合時間の9時30分には,まだ少し時間があるので,駅構内のコーヒーショップに立ち寄って,暖かいコーヒーを嗜みながら,
「はて,今日は何処を案内しようか」
とあれこれと迷い続ける。
余談だが,私を常に悩ませるのは,参加者から,
「私は鎌倉のことは何も知らないので,どこでもいいからつれてって」
と言われることである。この一言は,案内される方々にとっては当然と思うかもしれないが,案内のプロではない私にとって,腹立たしいほど嫌いな言葉である。
不思議なことに男性で,
「どこでもいいから・・・」
と言う方は皆無に近い。女性特有の言い回しだということを,皆さんお分かりになっているのだろうか。
それはともかく,迷いに迷った挙げ句,今日は二階堂の北から,通称「まむしヶ谷坂」を登って,天園ハイキングコースに出て,適当なところから番場ヶ谷に下る。その後,時間が許す限り,泉ヶ谷を散策してから,一旦,峠の茶屋付近まで戻り,そこから獅子舞東尾根を下って,獅子舞谷の入り口付近に出ようかと心に決める。
■鎌倉駅前を出発
9時25分,コーヒーショップを出て,鎌倉駅表口改札口前に向かう。すでに,仙人,痛子さん,トドさんが到着している。辺りには数組のハイカーが屯している。これらの方々の服装を見ると,本格的な登山をされる方の服装とは違って,どこか「ちぐはぐ」なところが残っている。そんな違いを見ているだけでも楽しくなる。
そんな偉そうなことを言いながら,当の私は,自宅近くの散策ということもあって,実にいい加減な服装である。第一に寝起きに履いたジーンズのまま,それに山では御法度の木綿の下着を着ている。しかも,小さなリュックには,地図もコンパスも入っていない。駅近くのコンビニで購入したオニギリ2個,それに水,手袋程度を入れただけ。ただ,靴だけは,しっかりした軽登山靴を履いているのが,唯一の取り柄である。そんないい加減な装備しかしていない私が,他人の装備のことを,とやかく批評するのは誠におこがましいことである。
定刻の9時30分を少し廻った頃,参加者全員が揃う。9時37分に,ようやく,鎌倉駅前を出発する。
■鎌倉宮へ
まずは,何時ものように,小町通を北上する。朝が早いためか,小町通を歩いている観光客の数は少ないように思える。途中から若宮大路に出て,鶴岡八幡宮へ向かう。
9時51分に鶴岡八幡宮に到着する。まだ人影が疎らな境内を抜けて,横浜国大付属小学校側の出口に向かう。
同行の仙人が,入口に立っている守衛と挨拶を交わしている。守衛が,
「おはようございます・・・今日はどちらへ行かれるんですか」
と仙人に質問する。
「どこか・・・まあ・・・適当に。その辺りを廻ってきますよ・・」
と,仙人が答える。
その後,清泉小学校脇から,バス通りを進み,10時14分に鎌倉宮に到着する。参加の皆さんが,道すがらお喋りに夢中になっているので,歩行速度がついつい遅くなる。私は内心で,「この調子では,泉ヶ谷をぐるぐる廻るのは無理かな・・予定したコースを短縮するか」と思い始める。
■急坂を登る
10時22分に鎌倉宮を出発する。「お宮通り」を北東に進み,永福寺跡に沿って,獅子舞谷に向かう道との分岐から左側に道に入り込む。進行方向左手には二階堂川の支流が流れている。右手には閑静な住宅地が続く。
「これから住宅地の中を歩きますので静かにしましょう」
と一同に注意するが,あまり効き目がない。
緩やかな坂を登り続ける。そして,つい先日,トドさんと登った急坂への入り口付近に到着する。一行の何人かが,トドさんが手こずったという急坂を登りたいという。そこで,まむしヶ谷坂を登る予定を,急遽,変更して,つい先日登った急坂を目指して右折する。
橋を渡って,少し奥へ進むと直ぐに住宅は途絶え,山道になる。大きな倒木の下を潜ってから更に右折。いよいよ急坂に差し掛かる。
ぬるぬるとした急な登り坂を,滑りそうになりながら這い上がる。木の根や枝を頼りにして,我慢しながら,慎重に登り詰める。そして,11時頃,鉄塔の下に到着する。ここで,衣服調整のために5分ほど休憩を取る。
<急坂を登る> <秘境を行く>
■天園ハイキングコースに出る
鉄塔から尾根道を北北東に,ほんの数分進むと,獅子舞谷の入口にある鎌倉老人園から登る山道と合流する。そのまま登り続けて,2箇所の岩崖を通過し,天園ハイキングコース沿いの鉄塔に出る。
ここから,暫くの間,天園ハイキングコースに沿って歩く。ここまで来ると,沢山のハイカーとすれ違うようになる。
11時27分,私達は鎌倉市の最高峰,大平山山頂(157m)に到着する。山頂から,スッキリと晴れ渡っていれば見える筈の千葉の海岸は全く見えない。ただ,横須賀の三浦三山,大杉山,逗子の二子山,阿部倉山などは良く見えている。
風も殆ど吹いていないので,予想以上に暖かい。
私達は,大平山山頂の下の広場で,円陣になって昼食を摂ることにする。今日はオバさん達の参加者が多いので,いろいろな食べ物が,次から次へと提供される。
■峠の茶屋で挨拶
昼食を終えて,12時10分に,再び歩き出す・・・が,昼食の後片付けで多少手間取る。その間に,「峠の茶屋に挨拶する」と言って,仙人が一足先に歩き出す。そして私達は,仙人より数分遅れて歩き出す。
12時22分に私達も峠の茶屋の真下に到着する。私は,
「ちょっと,待ってて下さい・・・」
と一同に合図してから,仙人を出迎えるために峠の茶屋に入る。
今日の峠の茶屋には,ご常連が沢山集まっている。Eさんも仲間数人と宴会を開いている。私は女店主に,
「今日は,仲間がいますので,済みませんが素通りします・・・」
と挨拶する。そのとき,Eさんが私を手招きする。
「ちょっと,ちょっと,・・・これ一つ摘んで行きなさい・・・」
と言いながら,Eさんはコンニャクを1切,爪楊枝に刺して私に手渡す。私は有り難く頂戴してから,急いで同行者のところへ戻る。
■番場ヶ谷を下る
峠の茶屋から,暫くの間,天園ハイキングコースに沿って,貝吹地蔵方向に進む。獅子舞からの裏道と合流する手前から,番場ヶ谷に下る。コースの詳細を記述することはできないが,踏み跡に沿って下り続けると,やがて,番場ヶ谷の途中に出る。そして,川を渡って左岸沿いの道に出る。
ここから,下流に向かって,暫くの間,歩き続ける。人気のない深い谷間である。ここが鎌倉市内だとは思えないほど深山幽谷の気配がする。やがて,川を渡って右岸へ出る。辺りは,鬱蒼とした杉林である。さらにもう一度渡渉して,再び左岸へ,そして踏み跡のような道を,さらに下り続ける。やがて,三叉路に到着する。ここを左折すると,直ぐに急な登り坂になる。
<秘境:番場ヶ谷を下る> <鎌倉霊園の野良猫>
■鎌倉霊園の猫
登り坂を5分ほど登り続けると尾根に出る。尾根の反対側には,冬枯れの木立の間から,広々とした鎌倉霊園が見えている。参加者の一人が,
「この道を進むと,市境広場に出るんでしょう・・」
とトンチンカンなことを言い出す。この方の頭の中の地図は,どうなっているんだろうと可笑しくなる。
尾根道を北に向かう。気持ちの良い散策路である。やがて,急な下り坂になる。この下り坂を降りきると,鎌倉霊園の西端に出る。私達のような,通りすがりのハイカーが霊園内をウロウロするのは好ましいことではないが,霊園の片隅で,暫くの間,休憩を取る。
すると,どこからともなく,三毛猫が寄ってくる。どうやら野良ちゃんのようである。体毛が少し汚れている。人なつっこく,「ニャ~,ニャ~」と鳴きながら近寄ってくる。この猫にやる食べ物は全く持っていないし,それに,むやみにエサを与えるのは好ましくないので,この猫の写真を撮るだけで済ませる。
■市境広場に出る
私達は,静かに鎌倉霊園の端を歩かせてもらう。そして,泉ヶ谷の東から2番目の尾根道を登る。雑木林の中のジグザグに急坂を登ると,見晴らしの利く尾根道に出る。この辺りの紅葉は,鎌倉で最高といっても良いぐらい見事である。ただ,今はもうすっかり落葉しているので,逆に,見晴らしが良くなっている。東には,尾根の向こうに横浜の金沢文庫付近の住宅地や東京湾が見えている。
尾根道を辿ると,やがて2本の鉄塔を通過する。そして,一番東の尾根から続く道に合流する。さらに,この道を,ほんの数十メートル進むと,環状4号線総武隧道の真上にある市境広場に到着する。途端に環状4号線を通る自動車の騒音が聞こえ始める。
■獅子舞東尾根を下る
14時19分に市境広場を出発して天園に向かう。ときどきハイカーとすれ違う。鎌倉霊園と横浜霊園の間の尾根道を進んで,14時43分に天園に到着する。ここで,暫く立ち休憩を取った後,獅子舞東尾根を下る。
この尾根を下るのは,半年ぶりのことである。その間に道が随分と整備され,途中で迷うこともなくなった。それでも,途中から,多少,藪道が続くが,やがて最後の急坂になる。坂の下で数人の人が焚き火をしているのが見下ろせる。誰だろうと訝りながら下り続ける。
近付いて見ると,若い男女を含む地元の数名の方々である。若い女性が,
「道路,分かりましたか?」
を私達に聞く。どうやら,この人達が,今,私達が降りてきた道を整備していたようである。
■鎌倉駅へ戻る
獅子舞東尾根を降り切って,15時40分に獅子舞登山口近くに出る。ここからは,鎌倉老人園の脇を通って,鎌倉宮へ,さらに大倉幕府跡を横切って,15時45分に鶴岡八幡宮へ戻る。
日が傾き始めたためか,何時もよりも観光客の数が少ないような気がする。それに大分寒くなり始めた。小町通りに出てから「モア」の前辺りで,私は一同とお別れして,バス停「鎌倉市役所前」へ急ぐ。16時から始まるテレビ水戸黄門と,大相撲の中継が見たかったから。
16時25分頃,帰宅。水戸黄門の後半と,大相撲の後半を,ユックリと観戦することができた。
明日から本業で頑張らなければ・・・・
[ラップタイム]
9:37 鎌倉駅歩き出し
9:51 鶴岡八幡宮
10:22 鎌倉宮
10:44 二階堂山道入口
11:00 鉄塔
11:27 大平山(12:10まで昼食)
12:22 峠の茶屋
13:10 番場ヶ谷経由鉄塔尾根
13:21 鎌倉霊園西端
14:17 市境広場
14:43 天園
15:00 獅子舞東尾根から獅子舞に出る
15:25 鎌倉宮
15:45 鶴岡八幡宮
16:03 鎌倉駅
(おわり)