中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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茫洋の富士山を見ながら登る丹沢:塔ノ岳(今年17回目)

2012年03月29日 07時31分36秒 | 丹沢の山旅

                                <花立山から丹沢山塊を望む>

     茫洋の富士山を見ながら登る丹沢:塔ノ岳(今年17回目)
       (上り途中までY川さん・下りご常連数名に同行)
        2012年3月28日(水)  晴・暖かい一日

■よし! 行くぞ・・・
 前回塔ノ岳に登ってから1週間ほど間が空いてしまった.
 「そろそろ今日辺りは,塔ノ岳を往復しなければ・・・」
と起床したときに思い立つ.
 天気予報を見ると,どうやら夕方までは天気が持ちそうである.
 「行くぞ~っ・・・!」
で,何時の通り,5時10分に家を出発する.
 実のところ,この頃の私には体力的に多少の不安がある.というのも,先月末に,突然,血圧が異常に高くなり,医師の診断を仰いことがある.幸いなことに,血圧もすぐに元の値に戻り,今の所,まあまあ正常値が続いている.とはいえ,要するに要注意の身である.
 そうは言っても,家でジッとしていては,ますます体調が悪くなる.やはり,適度な運動は必須である.ところが,この「適度な」が,実際の所,どの程度を持って「適度」と判断するかが極めて曖昧である.
 血圧が高いときの対症療法はメタボの解消,塩分摂取量の削減,タバコを止める・・・等々,いろいろな項目があるが.私は元々メタボでもない.それに,生まれてこの方,タバコは全く吸ったことがない.お酒も,お付き合いで,年に数回,コップ1~2杯程度のビールを飲む程度である.つまり,一般に言われる血圧の対症療法では,手の打ちようがない.
 まあ,そんなことはともかく,平素から無理をしないように極力注意することが必要だろう.
 そんな状況の中,血圧が治まってから,これまで5回ほど塔ノ岳を往復している.だから,今回も体調に充分注意しながら,塔ノ岳を往復するつもりである.
 天気予報によれば,今日の日中は春らしい暖かい温度まで上がるとのことだが,朝,外へ出るとヒンヤリとして幾分寒い.ただ,さすがに3月も下旬となると,日の出も早まり,5時を少し過ぎたばかりだというのに,もう辺りは十分に明るくなっている.こうなると気分も最高である.
 湘南モノレールの駅への道すがら,どこかの家の庭木から,
 「ツーピー,ツピー,・・・」
と小鳥の可愛い啼き声が聞こえてくる.
 「ああ春は良いな・・・」

■たくさんのご常連に会う
 例によって,小田原駅で階段を2段飛びして,小田急電車にすれすれで間に合う.電車に乗ったときは,もう,息も絶え絶え,「はあ,はあ,・・」が治まるのに暫く時間が掛かる.でも,これで渋沢発大倉行の1番バスに間に合うのは確実.ホッとする.
 バス乗り場には,菅笠のYさん,三角髭のTさん,編集長のY川さん,F田女史,ホッシーさんなどがバス待ちをしている.
 私が客待ちの列に並ぶと,すぐに下り電車が到着する.そして下り電車の常連がドッと私の後ろに並ぶ.行列には,韋駄天のTさん,韋駄天のS藤さん,韋駄天のN村さん,K井さんなどの顔が見える.何となく土曜日の顔ぶれのように見える.ご常連のお一人が,
 「あれ~っ・・・今日は土曜日だったかな・・」
とおどけた調子で言う.
 バスは,後ろに若干の空席があるものの,まあ,まあ,満席である.大相撲風に表現すれば「大入満員」ということだろう.枡席に相当する横並びの席には,Y川さん,韋駄天のTさん,ホッシーさんなどご常連が並んで座っている.これが1番バスの典型的な情景である.
 バスは6時58分に大倉に到着する.大半のご常連はバスから降りるとすぐにソソクサと歩き出す.私は,ご常連よりもちょっと遅れて,7時06分に歩き出す.気温は案外高くて10℃である.歩き出しが肝心なので,特に意識してユックリペースを保つ.

<春爛漫の登山口>

■暫くY川さんとご一緒する
 7時15分,克董窯付近で,Y川編集長に追い付く.
 「今日は,どちらまで登られますか・・」
と伺う.Y川編集長は,今日は堀山登山だとのことである.
 ここから,暫くの間,Y川さんと雑談をしながら,超ユックリのペースで登り続ける.その間に,後から来られた菅笠のYさんに追い抜かれる.
 登山道の路面は,ほどほどの湿り気で歩き易い.風も全くなく,暑くも寒くもない.もちろん,まだ,あの厄介な山ヒルも出ていない.それに明るい日射しが杉林に射し込んでいる.実に心地よい登山道である.

■ホッシーさんの後に続く
 7時44分,雑事場ノ平を通過する.杉並木の遙か先に,ホッシーさんの後ろ姿が見える.
 見晴茶屋で,枯れススキの向こうに広がる春霞の相模湾をデジカメに収める.そして,見晴階段に差し掛かる.日光が射し込む見晴階段は,何時もよりとても明るく感じる.
 坂を見上げるとすぐ近くにホッシーさん,その先に数名の登山客の後ろ姿が見える.
 今日は当初からユックリペースで登ろうと決めている.ホッシーさんの登攀速度に準じて登ってみようかと急に思い立つ.そこで,今日一日はホーシーさんに気がつかれないように,ホッシーさんとの間隔を50メートルほどとったまま,登り続けることにする.

<こぼれ日の見晴階段>

■茫洋とした富士山
 8時18分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間12分,何時もよりも6~7分時間が余計に掛かっている.でも,これで良いのだと自分に言い聞かせる.その代わり,ここまで全く汗をかかずに実に楽に登ってきたなと良い方に解釈する.
 堀山の尾根道に入ると,やや泥んこ道になる.ただ,まだ早朝のために,半ば凍っていて,ちょうど耳たぶ程度のグニャグニャで,歩くのに支障はない.
 今日はスッキリとした青空が広がっている.春霞を通して茫洋とした富士山が見えている.
 「この状態では,デジカメで富士山を写すのは無理かな・・・」
と思いながらも,“下手な鉄砲も数打ちゃ当たる”で,滅多矢鱈にシャッターを押す.

<茫洋とした富士山>

■影法師と戯れる
 相変わらず柔らかい日射しが登山道一杯に射し込んでいる.実に心地がよい.
 ふと気がつくと,路面や道端の斜面に私の影法師がクッキリと写っている.私は嬉しくなる.そこで,影法師の写真を撮ることを思いつく.ところが,写真を撮ろうとして動くと,当然のことながら影法師も動いてしまう.
 「このヤロー,何で動くんだ・・」
と理不尽な罵声を影法師に浴びせる.

<ままならぬ影法師>


<堀山の家>

■萱場平
 8時36分,堀山の家を通過して,急坂に差し掛かる.丁度そのとき,坂の上から,Y沢さんが飛び出るように降りてくる.そして,堀山の家のベンチに座り込む.
 萱場平までの坂道を,ゆっくりノンビリ,ボンヤリとしながら登る.私の前後には誰も居ないので,随分と気が楽である.
 私は平素幾ら悟ったようなことを言っていても,目の前に登山者が居ると,どうしても追い越したくなるし,後ろから追い付かれるとやっぱり気になる.つまり,まだまだ悟り切れていないのだ.こんな私には前後に誰も居ない登山道が一番気が楽である.

 8時56分,萱場平を通過する.定点観測用の写真を撮る.前方には相変わらずホッシーさんの後ろ姿が見えている.

<萱場平>

■韋駄天のF田さんに追い付かれる
 相変わらずのペースで登り続けて,あと少しで後7分坂に差し掛かる頃,後ろに何となく人の気配を感じる.後ろの人は,足音からご常連さんだと直感する.
 後ろを振り向くと,私が乗車したバスより,30分後の2番バスで来られた韋駄天のF田さんである.F田さんは,
 「やあ・・暫くです.やっとお会いできました・・・」
と言いながら,2枚の写真を私に差し出す,私は有り難く頂戴する.どうやら1ヶ月ほど前に撮ったものらしく,雪の中でT中さんと私が写っている.
 私は,F田さんに道を譲りながら,写真を撮らせてもらう.もちろん,ブログ掲載の了承を得ている.
 「相変わらず,素晴らしいスピードですね,羨ましいですよ・・」
と言うと,
 「いえいえ・・・私こそFHさんが脅威ですよ.私がFHさんの年齢になったとき,(塔ノ岳に)登れるかどうか分からないです・・」
と仰る.なるほど,人それぞれに色々な感じ方があるなと改めて思う.
 私を追い越したF田さんは,もの凄い速度で,私の視界から消えていく.

<山頂まで2時間一寸の韋駄天さん>

■後7分坂
 後7分坂を登り始める.坂を3分の2ほど登ったところで,韋駄天のS藤さんとすれ違う.
 S藤さんは,3人組の女性に,『韋駄天さんですか・・FHさんのブログで拝見しています』と声を掛けられたようだが,この3人の女性は,山旅スクールで私と同期の方々である.
 続いて,韋駄天のN村さんとすれ違う.そういえば,この頃,N村さんの兄,ローギャー氏とお会いしていないなと気になる.
 9時20分,漸く花立山荘に津到着する.大倉を歩き出してから2時間14分.それにしても随分と時間が掛かったものだ.
 途中での雑談が多かったためか,ホッシーさんとの距離が,何時の間にか,100メートルほどに開いている.私は,早々と追い付くのを諦める.でも,まあ,いいか・・である.
 春霞で周囲の風景は茫洋としているが,折角なので,花立山山頂付近で,かなり何枚かの写真を撮る.相変わらず風は殆どなく,実に心地よい.富士山は殆ど見えないが,近くの大山が良く見えている.

<後7分坂を下る韋駄天のS藤さん>

■さらにご常連とすれ違いながら・・・
 9時36分,金冷シを通過する.
 若い男性が1人,分岐の所に居られる.私が
 「どうぞお先に・・」
と道を譲ったが遠慮する.そこで,何となくおしゃべりをしながら一緒に登る.この男性は,今夜,丹沢山の「みやま山荘」に宿泊するとのことである.
 「じゃあ・・時間はタップリありますね.尊仏山荘で一休みしていきませんか」
とお誘いする.
 金冷シを過ぎたところで,下山してくる韋駄天のTさんとすれ違う.Tさんから,
 「・・・展覧会,初日に伺います・・」
というお返事を頂戴する.
 実は4月17日(火)から22日(日)まで横浜山下公園の神奈川県民ホールで開催される第35回神奈美展に,私も40号の水彩画を3枚出展することになっている.この展覧会を見に来て戴けるとのこと,感謝.感謝.である.
 つづいて,三角髭のTさんが下ってくる.実にダンディーな出で立ちでをされている.
 「写真を撮らせて下さい・・・」
で1枚パチリ.

<三角髭のTさん;後ろが金冷シからご一緒した青年>

■塔ノ岳山頂
 そんなこんなで,何時の間にか,目標にしていたホッシーさんを見失ってしまう.
 金冷シからご一緒の男性とは前後しながら,ほぼ同時,9時50分に塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間44分と振るわない.でも,ゆっくり,しかも,汗もかかなかったので,疲労感は全くない.こんな登り方も良いなと内心で思っている.
 型どおりに山頂からの風景を一回りデジカメに収める.
 山頂からも残雪は消えている.

<塔ノ岳山頂;雪はすっかり消えた>

■尊仏山荘
 男性と一緒に尊仏山荘に入る.
 同じバスに乗車していたご常連が屯している.ということは,今日の常連の中で,私が一番鈍足だったということになる.K井さん,F田女史,U村さん,韋駄天のF田さん,菅笠のYさん,ホッシーさんなどが座っている.
 山頂の気温は10℃とかなり高い.
 今日の小屋番はオーナーのHさん.私は即座に山猫ミー君との対面を諦める.そして300円也のお茶を所望する.
 席に座ろうとすると,F田女史が,
 「FHさん・・ネコあそこにいますよ・・」
と言いながら,別棟ネコ御殿の2階を指さす.
 なるほど,2階の窓にネコが居る.日だまりが心地よさそうである.
 「おや,あそこですか・・・まずはネコの写真を撮りましょう」
ということで,私は山荘で落ち着く前に,また外に出て,ネコの写真を撮る.
 もう少し富士山がはっきり見えたら,面白い写真が撮れたのに・・・残念
 山荘に戻って,ホッシーさんに伺うと,後ろに私が付けているのが凍傷から分かっていたという.
 「何となく後ろに人の気配がするので,ときどき後ろを振り返って,FHさんが居るのを見ていましたよ・・」
 何だ,そうだったのか.それならば,途中で追い付いても良かったかなと内心で思う.

<富士山と山猫山荘;2階の窓にミー君が居る>
        ↓拡大

<山猫山荘2階のミー君>

■下山開始;知り合いとすれ違う
 10時31分,下山を開始する.
 図らずも,K井さん,F田女史,韋駄天のF田さん,U村さんとご一緒である.花立山荘で,先に下山していたホッシーさんも加わって,賑やかに下山する.花立階段,駒止階段のような難所では,私は到底皆様と同じ速度で下山することはできないはずだが,皆さんがゆっくり下山してくれたおかげで,何とかご一緒する.
 花立山付近で,同行のU村さんから,
 「FHさんは,アンチエージングのために何かしておられますか・・」
と聞かれる.私は特段何をしている訳でもない.ただ,ただ,自然流,成り行き任せである.それに昨今の私は,年に1回ぐらいの頻度で,一寸した体調不良になることがある.
 さらに下り続けて,花立階段に差し掛かる,そのとき,山旅スクール後輩の女性.2人とすれ違う.
 「今日は水曜日なので,ひょっとしたらFHさんに会えるかもしれないと思いながら登ってきました・・」
とのこと,
 私の写真を撮るというので,ついでに同行のご常連も交えた写真を撮ってもらう・・・が,気がついたら私のカメラではなく,彼女らのカメラで撮ってもらった.これでは,これらの写真を入手する手段がない.撮ってもらってから,この矛盾に気がつく.
 私もブログに載せることを前提にして,お二人の写真を撮る.お二人の屈託のない笑顔が素敵である.

<笑顔が素敵な山旅スクール後輩>

■可憐な春めき桜
 同行のお1人が,下山途中で,登山道に落ちている浮き石を取り除いたり,崩れかけた階段を一寸手直しをしたり,実に細々としたボランティア活動をされる.その姿に感動する.
 萱場平手前の登山道は,暖かい陽気ですっかり融けていて,ビシャビシャの泥んこ道.これには参った.
 12時30分,登山口に到着する.
 大倉に向かう道路の左手に,清楚な桜が咲いている.案内板によると「春めき桜」という種類の桜らしい.可愛らしい木である.思わず写真を撮る.

<春めき桜>

■気分最高;やっぱり山登りは良いな
 12時36分,バス停大倉に到着する.
 下り所要時間は,2時間05分.私が1人で下山するときに比較すると,10分ほど速い.何時もはそれだけ道草をしているとも言えそうである.
 大倉発12時52分のバスに乗車する.途中の電車の接続が余り良くなかったが,15時頃帰宅する.
 恙なく塔ノ岳を往復できたので,気分は最高.血圧も低めのまま推移している.
 夕食後,早めに風呂に入る.実に気分がよい.
 「やっぱり,山登りは最高だな・・・」
と思いながら,20時過ぎに早々と就寝する. 

<ラップタイム>


 7:06  歩き出し
 7:27  観音茶屋
 7:46  見晴茶屋
 8:18  駒止茶屋
 8:36  堀山の家
 9:20  花立山荘
 9:36  金冷シ
 9:50  塔ノ岳山頂着(10.0℃)
10:31    〃   発
10:42  金冷シ
10:52  花立山荘
11:22  堀山の家
11:40  駒止茶屋
12:02  見晴茶屋
12:15  観音茶屋
12:36  大倉 着

 [山行記録]

■水平距離          7.0km(片道)

 ■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:06
  塔ノ岳  着       9:50
 (所要時間)    2時間44分(2.73h)
 水平歩行速度      7.0km/2.73h=2.56km/h
 登攀速度         1269m/2.73h=464.5m/h

■下降所要時間(雑談時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:31
  大倉   着       12:36
 (所要時間)     2時間05分(2.08h)
 水平歩行速度     7.0km/2.08h=3.36km/h
  下降速度        1269m/2.08h=610.1m/h
                                       (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2951bc0282f1e1ec897597d797e72e64
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/7088d0d3e1a79dd33e362a43401d30dc



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