田代湿原と武尊山山頂：武尊山登頂記(4)

　　　　　　田代湿原と武尊山山頂：武尊山登頂記(4)
　　　　　　　　　（太田わたすげの会）
　　　　　２００６年１０月１４日（土）～１５日（日）

 （２）第２日目　10月15日（日）　快晴

■田代湿原
　いよいよ，今日は武尊山登頂の日である。エリアマップに記載されている登山標準所要時間は8時間30分である。この時間には休憩時間は含まれていない。従って，私達の登山力量から勘案して，所要時間は10時間を超えることが予想される。宿泊している照葉荘の朝食を食べてから出発するのでは，どうも心許ない。そこで，昨夜中に朝食弁当を作ってもらい，それも持って早出することにした。
　早朝，5時30分に起床する。気になる朝食弁当を開けてみる。大きなオニギリが２個とシャケの切り身，たくあん2切れが入っている。成り行きで，オニギリ１個を，そそくさと食べてしまう。
　6時24分，照葉荘のマイクロバスで，「群馬自然の森駐車場登山口」まで送ってもらう。照葉荘の主人が運転手である。マイクロバスは渓谷沿いの道をひたすら下る。途中，すれ違う車もない。そして，6時24分に登山口に到着する。登山口は駐車場の片隅にある。周辺の木々が美しく紅葉している。ストレッチをした後，6時30分に歩き出す。登山口の標高は1420mである。

　　　　　　　　<群馬自然の森からの登山道入口>

　登山口からちょっと下って，湿地帯の中の小径を進む。周辺の紅葉が素晴らしい。すぐに左の俣沢を渡ると暫く平らな道を進む。そして右の俣沢を渡る。この辺りから登山道はなだらかな登り坂になる。照葉樹林帯の中を歩く気持ちの良い登山道が続く。標高1470メートル地点から，緩やかな下り坂をほんの少し進み，キバの沢を過ぎる。そこから少々長い登り坂を上がり切ると，目の前の樹木の間から田代湿原(1605m)が見渡せる広場に到着する（7時26分）。
　紅葉した照葉樹林に囲まれた広場に，柔らかい秋の日差しが射し込んでいる。足下には落ち葉が絨毯を敷き詰めたように積み重なっている。湿原の手前には，湿原の見取り図と説明を書いた大きな看板が建っている。地図を見ると，湿原を一周する遊歩道があるようである。だが，あまり時間をとることできないので，残念ながら周遊は見送るしかない。

　　　　　　　　　　　　<田代湿原>

　私は，ここで休憩を取って，湿原を眺めていたかったが，先頭がドンドン先へ進んでしまうのが残念である。仕方なく，隊列の最後に廻り，湿原の情景を大急ぎでカメラに収める。田代湿原の直径は200～300メートルほどもあるのだろうか。植物に疎い私には何が生えているのか分からないが，一面に枯れた雑草が生えている。湿原の周辺の樹木は見事に紅葉している。実に綺麗な湿原である。

■武尊山に到着
　7時29分に田代高原を出発する。暫くの間，紅葉した木々の間に幅が1～2メートルほどの道が湿原に沿って続く。路面を敷き詰められたように落ち葉が被っている。写真を撮ったり，メモをしたりで，私は，一行より数十メートルほど遅れたが，すぐに追いつく。
　登山道は南南西の方向に緩やかな上りが続く。8時06分頃，10分ほど休憩を取る。そして，小さな上り下りがあって，8時44分に高山平（1759m）を，続いて8時57分頃，セビオス山（1870m）と思われるところを通過する。そして，9時03分，1870メートル地点で，再び5分ほど休憩を取る。
　10時34分に，水場「笹清水」を通過する（2120m）。
　やがて，急な登り坂が続くようになる。周囲の見晴らしが良くなる。雲一つない快晴である。遠くに至仏山が聳えている。何とも雄大な景色である。

               　　　　　<至仏山遠望>

　稜線を辿りながら，最後の坂を登り詰めて，11時00分に武尊山山頂(2158m)に到着する。山頂は数十人の登山客で大変混雑している。どこからこんなに沢山の登山客が現れたのか不思議に思えてくる。私達は山頂の片隅に座り込んで，そそくさと昼食を摂る。
　武尊山山頂からの眺望は，やや雲が出てきたものの，とても雄大である。


　　　　　　　　　　<武尊山からの眺望>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）