<霧の尾根道;堀山付近>
朝から電車を乗り越し気抜けした丹沢:塔ノ岳(今年21回目)
(単独山行)
2016年6月13日(土) 曇・霧
<ルート地図>
←クリック拡大
<電車の中で寝過ごした>
■夜明けが大分遅くなった
何時もの土曜日のように,4時10分に自宅を出発する.
まだ外は真っ暗.つい数週間前までは,4時を過ぎると辺りが明るくなっていたのに…
路傍の草むらで,秋の虫が啼いている.虫の音に.残暑がまだ厳しいとはいえ,季節は確実に進んでいるのを実感する.
私の家がある山の稜線から,谷戸に下る.鎌倉中央公園の池から蛙の啼き声が,「ボー,ボー,…」と聞こえてくる.これもまた初秋の風物詩である.
大船5時10分発東海道本線下り初電熱海行の電車に乗車する.
何時もの土曜日と違って,車内は若い人で一杯である.何時もはガラガラの車内も今日はやっと空席を探して座るほどの混雑である.
席に座って,ホッとする.
■ありゃ~ぁ! 何だか変だぞ!
電車が平塚を発車するとこまでは,ハッキリ覚えている…が,何時の間にか寝込んでしまう.
実に良い気持ちであった.
どこかの駅に停まったときに,突然目が覚める.車内の雰囲気が何となく何時もと違う.ハッとする.
”ありゃ…! どこだ!”
私は座席から立ち上がった.
丁度そのとき,今,電車が早川駅を発車したところだと分かった.
もうだめだ! 塔ノ岳に登るのを諦めて,いっそのこと幕山へでも行こうかと一瞬思った.でも,この蒸し暑い時期に,幕山のなかろう…ということで,取りあえずは次の根府川駅から小田原に引き返すことにする.
<のどかな根府川駅>
■ようやく根府川駅に到着
いざ引き返すとなると,早川駅から次の根府川駅までが,やたらに長いように感じる.私は心の中で,
”根府川駅ははだか,まだか,…”
とジリジリしながら,電車が根府川駅に到着するのを待つ.
電車は,6時56分にようやく根府川駅に到着する.
人気がまったくない”ガラ~ン”とし駅である.ホームにはカラスが1羽居るだけ.
まずは,上り電車が何時来るのか,時刻表を眺める.
”ありゃ~ぁ! 6時19分までないのか!”
根府川駅で,25分近く待たなければならない.貴重な朝,25分も待たされるのは,実にもどかしい.
時刻表を眺めながら,電車の本数が多くて便利だなと思っていた東海道本線も,小田原から先は,日中,1時間に3本の電車しかないのに驚く.
根府川駅の長いホームはガラ~ンとしている.私はホームから見える海と,ホームを動き回るカラスを眺めながら,上り電車の到着をひたすら待つ.
<根府川駅の時刻表>
←クリック拡大
■海を眺めながら電車を待つ
やがて,ホームに設置されている拡声器にスイッチが入ったらしく,雑音が聞こえはじめる.電車が来たのかと思ったら,
”…2番線を列車が通過します…”
というアナウンス.
上りの貨物列車がカタカタと音を立てて通過していく.
上り電車の到着時間に合わせて,乗客が2人ホームに現れる.たった2人である.
やっと,6時19分発の上り電車に乗車する.乗り過ごしたとき,あれほど長く感じた隣駅の早川駅も,今度は意外に短く感じるのも,何時もより遅くなったことを観念したからだろう.
電車は,6時26分に小田原駅に到着する.私は,
”この時間ならば,渋沢発大倉行の2番バスに間に合うな…”
と胸算用する.まあ,2番バスに乗れれば,何時もより15分遅いだけなので,何とか塔ノ岳山頂まで往復できそうである.
<とりあえずは萱場平まで>
■いつもより15分遅れで登山開始
渋沢7時02分発大倉行2番バスに乗車する.乗客は意外に少ない.見かけた常連はMGさんだけ.あとは見知らぬ方々ばかりである.
バスは7時13分に大倉に到着する.
登山届けを投函してから,7時17分に大倉から歩き始める.バスで一緒になったMGさんが私より先に出発したのか,それとも後なのかは分からないが,とりあえずは完全な独り旅である.
今日も蒸し暑いに似違いないが,ここ数日の蒸し暑さに比較すれば,大分マシのように思える.もちろん,今日も体調を勘案しながら慎重に歩きはじめるが,どうやら体調はよさそうである.そこで,これまでよりは幾分歩行速度を速めて登りつつける.
7時20分,登山口を通過する.
克董窯の先で簡易舗装の道から土道に入る.路面が幾分濡れていて滑りやすい.
7時31分,丹沢ベース前を通過する.今日もやっぱり蒸し暑い,全くの無風.汗がじわじわと出てくる.
7時40分,観音茶屋を通過する.観音茶屋はまだ開店していない.
観音茶屋から先はジグザグの薄暗い登り坂になる.足許が濡れている.
7時45分,高原の家分岐を通過する.
<丹沢ベース> <観音茶屋>
■雑事場ノ平と見晴茶屋
先ほどから私の後ろに何となく人の気配がある.
高原の家分岐で大きく右に曲がるところで振り返ると,私の後ろにMGさんが居られる.俊足のMGさんと一緒の速度では到底歩けないが,雑事場ノ平付近までは,雑談をしながら御一緒する.
雑事場ノ平の手前で,MGさんに先に行ってもらうことにする.
「…10時30分頃までに塔ノ岳山頂に到着できそうでしたら,山頂まで行きます…」
とMGさんにお伝えする.
7時55分,雑事場ノ平を通過する.ここまで登ると尾根越えの微風が肌に纏わり付いている湿った空気を取り除いてくれる.
7時57分,見晴茶屋に到着する.
見晴茶屋の前から,何時ものように相模湾を見下ろす風景を写真に収めるが,雲が湧いていて海は良く見えない.
<雑事場ノ平> <見晴茶屋>
■見晴階段
見晴階段に差し掛かる.何時ものように定点観測の写真を撮る.1番バスで来られたかと思われる登山者の後ろ姿が点々と見えている.
私より20~30メートル先に,さきほど雑事場ノ平まで御一緒したMGさんの後ろ姿が見えている.
今日は体調がまあまあなので,楽な気分で坂道を登り続ける.
<見晴階段>
■モミジ坂をユックリ登る
見晴階段を登り切って,モミジ坂に差し掛かる.
モミジ坂の途中で,1番バスで来られたTGさんとSTさんのお二人に追い付く.TGさんは,数日間,塔ノ岳登山を中断したために今日は調子が出ないとのこと,お二人とも今日は萱場平が終点だとのこと.
このような話にすぐ同調してしまう私は,この話を聞いた途端に塔ノ岳山頂まで登る気力が失せてしまう.今朝方,電車で寝過ごしたことが,私のやる気のなさに,どうも影響しているようである.
私もお二人と一緒に今日の終点は萱場平ということにしてしまう.
ここから先は,このお二人と一緒に,ややユックリとした調子で登り続ける.
<モミジ坂>
■駒止茶屋から堀山へ
8時15分,一本松を通過する.
モミジ坂の途中から歩行速度を落としたにもかかわらず,大倉からの所要時間は58分.わずか2分だが1時間を切っている.私はノートに時間を記録しながら.
”今日の体調は意外に良かったな…”
と安心する.
8時17分,下山してきたKSさんとすれ違う.例により,
「やあ,やあ,…」
と挨拶してすれ違う.今日もKSさんから元気を貰う.
続いて,駒止階段に差し掛かる.相変わらず3人でユックリペースで登り続ける.
8時36分,ようやく駒止茶屋前を通過する.
大倉からの所要時間は1時間19分.駒止階段を超ユックリペースで登ったにしては,それほど悪くはないラップである.
駒止茶屋を通過する辺りから,大分霧が濃くなり始める.
堀山の尾根道に差し掛かると,霧がますます濃くなり,幻想的な雰囲気になる.晴れていれば,富士山が良く見える場所を通過する.今日は勿論富士山は見えないが,儀式として見えない富士山の写真を撮る.
<駒止茶屋>
■小草平(堀山の家)
8時58分,小草平に到着する.
堀山の家はまだ開店していない.堀山の家の玄関に吊り下げてある温度計によると今の気温は20.5℃である.
大倉からの所要時間は1時間41分.やっぱり掛かり過ぎ.
小草平のベンチに座って,少々長い休憩を取る.その間に,3番バスで来られたFTさんが小草平に到着する.
<小草平に到着>
■萱場平
今日の終点は,ここ小草平にしようかという雰囲気になり始めたが,まあ,折角だから萱場平まで登ろうということになる.
9時25分,小草平から歩き始める.長い階段道をユックリペースで登り続ける.ラップタイムなど無視してノンビリと登るのも良いものだなと思いながら登り続ける.
先頭はSTさん.私はSTさんの歩行速度に合わせて,少し離れた後ろを歩き続ける.
9時25分,萱場平に到着する.
ベンチに先客が1人.この方に挨拶して,同じベンチに座る.やがて,私達2人より数分遅れてTGさんも萱場平に到着する.
そのTGさんの様子を見ていた先客が,
「…あの方,お年は幾つぐらいですか…」
と私達に聞く.私が一番苦手な年談議が始まる.
「いや,随分と勇気をもらいました…」
と言ってから,この先客は山頂目掛けて歩き出す.
<萱場平>
<単独行で花立山荘へ>
■後七分坂
大分長い休憩時間の後,私は折角ここまで来たんだから,せめて花立山荘まで登ろうかと思い始める.
9時45分,萱場平を出発する.
STさんは,萱場平から下山することにしているが,TGさんは私と一緒に花立山荘まで登るか,それともSTさんと一緒に下山するか大分迷われたようだが,結局は,お二人とも萱場平から下山することになる.
私は単独行で花立山荘を目指して登り始める.
途中で休憩を取ったためか,体調はすこぶる良好である.急坂を結構気楽に登り続ける.
長い階段道を登り切って,ガレ場を登っている10時頃,下山してくるKMさんとすれ違う.
「あれ,(塔ノ岳に)来られたんですか…? バス停の何時もの場所に居られなかったので,てっきり,お盆で田舎に帰られたのかと思っていました…」
私は,朝,電車を寝過ごしたというハズカシイ話を披露する.
10時04分,後七分坂(見晴階段)に差し掛かる.
<後七分坂(見晴階段)>
■花立山荘
後七分坂を9分掛けて,10時13分に,ようやく花立山荘に到着する.
花立山荘前のベンチには登山客がチラホラ.
相変わらず濃い霧が掛かっている.眺望は皆無.ただ,とても涼しい.
”このまま登ったら,10時45分頃には山頂に到着するな…そのまますぐに下山すれば,13時40分のバスには間に合うな…どうしよう?”
私は少々迷うが,まあここは,温和しく花立山荘を終点にして下山することに決める.
ちなみに,大倉から花立山荘までの所要時間は2時間25分.何階も休憩を摂ったことを勘案すれば,メチャメチャ悪いラップとも言えない.
花立山荘を覗いてみる.もし,カナブンが居たら立ち寄ろうかとも思ったが,カナブンはどうやら不在.
10時20分,花立山荘から下山開始.
<花立山荘>
<山小屋をハシゴして下山>
■堀山の家
10時20分,花立山荘から下山開始.
下りは全くの独り旅である.同行者が居ないので,廻りに気兼ねすることもなく,全くのマイペースで下山し続ける.
10時38分,萱場平を通過する.通名の登山者がベンチで休憩を取っている.
今日は何時もの土曜日と違って,随分と登山者が少ない.登って来る登山者とのすれ違いに悩まされることもなく,10時54分,小草平に到着する.小草平のベンチでは沢山の登山客が休憩を取っている.
大倉発13時11分のバスに乗車するには,まだ十分に時間があるので,堀山の家に立ち寄って,冷たいジュースを所望する.
女主人の”なっちゃん”から,
「…冷たいものがありますよ…」
ということで,冷菓子を馳走になる.
丁度そのとき,堀山の家の前を,MGさんが通過する.
私は,あわてて,
「…MGさんと一緒に下山します…」
で山荘を飛び出す.
<堀山の家にて>
■観音茶屋のかき氷
堀山の家を飛び出して,20メートルほど先を歩いているMGさんを呼び止める.
ここから先は,MGさんと雑談をしながら御一緒する.
11時14分,駒止茶屋を通過する.
MGさんは結構な速度で下山し続けるが,下り坂はそれほど体力を必要としないので,まあ,なんとか,MGさんの速度について行ける.
11時32分,見晴茶屋を通過する.
11時46分,観音茶屋に到着する.夏場は観音茶屋のかき氷がお目当てである.
観音茶屋に入る.先客は,先ほど萱場平でお別れしたTGさん.ちょうどかき氷を食べ終わったところのようである.なお,萱場平まで一緒だったSTさんは,観音茶屋には立ち寄らずに真っ直ぐ下山したとのこと.
私達が観音茶屋に到着してから数分後に,YSさんが観音茶屋に到着する.
かき氷を賞味している内に,汗も完全に引っ込む.
<観音茶屋のかき氷>
■無事大倉へ
14時57分,観音茶屋を出発する.
観音茶屋で合流したTGさんとYSさん,それにMGさんと私の4人一緒である.先頭はMGさん.
私はMGさんの後に付いて下り続ける.
12時05分,丹沢ベースを通過する.この辺りの登山道は石が敷き詰められている.石の表面が濡れていて滑りやすいので,とても歩きにくい.
滑りやすい石道を終えて,12時10分,克董窯の前を通過する.YSさんとTGさんが少々遅れているようである.
12時18分,無事,大倉に到着する.
12時40分のバスに十分間に合うが,常連の皆さんが下山してくるのを待って,13時10分のバスに乗車することにする.
<渋沢駅のミスタードーナッツ>
■ミスター℃ナッツのコーヒー
大倉発13時11分のバスに乗車する.バスは何時もの土曜日より空いている.
13時25分,バスは大倉に到着する.
何時もの土曜日のように,渋沢駅1階にあるミスタードーナッツに入る.TGさん,MGさん,YSさん,私の4人.270円也のホットコーヒーを所望する.この店は珈琲のお代わりが貰えるので嬉しい.
土曜日丹沢登山の楽しみは,登山後,ここでほんの一時だが気心知れた山仲間と一緒に雑談をすることである.ここで,顔見知りの方々が,元気なことを確かめるだけでも,ここに立ち寄る価値があると思っている.
雑談をしている内に,次のバスで来られたNMさん,ONさん達も加わる.
<ミスタードーナッツ>
■無事帰宅
私は渋沢発14時02分の小田原行電車に乗りたいので,皆さんより一足先にミスタードーナッツを出る.
今日はどうしたことか,小田急電車だけでなく,東海道本線の電車の中でも,眠くならない.不思議である.朝の電車で寝過ごしたことが影響しているのかもしれない.
15時10分,無事,大船駅に到着する.
今日は塔ノ岳山頂まで登らなかったので,少々物足りない気持ちも残っているが,花立山荘まで登ったんだから良しとしよう.
帰宅後,早速シャワーを浴びて,熱めの風呂に浸かる.気分最高である.
<ラップタイム>
7:15 大倉歩きだし
7:40 観音茶屋
7:57 見晴茶屋
8:36 駒止茶屋
8:58 小草平(堀山の家)(9:05まで休憩)
9:25 萱場平(9:45まで休憩)
10:13 花立山荘着
10:20 〃 発
10:54 小草平(堀山の家)(10:56まで休憩)
11:14 駒止茶屋
11:32 見晴茶屋
11:46 観音茶屋(11:54まで休憩)
12:18 大倉着
[山行記録]
■水平歩行距離 5.4km(片道)
■累積登攀高度 1,059m
■累積下降高度 50m
■登り所要時間(休憩時間を含む)
大倉発 7:15
花立山荘着 10:13
(所要時間) 2時間58分(2.97h)
水平歩行速度 5.4km/2.97h=1.82km/h
登攀速度 1,059m/2.97h=356.6.4m/h
■下り所要時間(休憩時間を含む)
小草平発 10:20
大倉着 12:18
(所要時間) 1時間58分(1.97h)
水平歩行速度 5.4km/1.97h=2.74km/h
下降速度 1,056m/1.97h =536.0m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事(塔ノ岳)
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a63121c4688942d23bcd57521f2c28e8
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/8cdfa52f2885ab654e882a76502ac457
お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します.
最新の画像[もっと見る]
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前