<マラケシュ旧市街の市場>
モロッコ訪問期(8):第3日目:マラケシュ観光(1)
(アルパインツアー)
2009年6月7日(日)~18日(木)
第3日目:2009年6月9日(火)
<マラケシュのホテル・アミン>
■朝日が眩しい
私たちは,ムハンマドアブデルカーリムエルカーディビ(?)通りに面したオテルアミン(Hotel Amine)で,マラケシュ滞在第1日目の朝を迎える.もし,私が持っている地図が正しければ,このホテルは,マラケシュ新市街北西部に位置している筈である.でも,正確なことは良く分からない.
時差の影響があって,眠ったような,眠らなかったような朝を迎える.夜中中,目が覚めていたような気もするし,何となく体全体が重いような気がする.
5時30分頃,居たたまれずに起床する.部屋からテラスに出てみる.快晴.朝の太陽が,目の前の茶色の山にまぶしく当たっている.山麓には遺跡のような建造物が見えている.テラスからの風景を,ノートにスケッチする.カメラでは到底視野に入れることができない超ワイドな風景である.
<オテルアミンの部屋からの景色>
<オテルアミンの客室>
■朝食はバイキング
今日はマラケシュの市内見物をしてから,ツブカル山登山口の村,イメリルまで移動する予定である.一体どんなところだろうと,私も興味津々である. 6時30分にモーニングコールの電話が鳴り響く.
7時から,1階のレストランで朝食である.
私たち一同は,一カ所にまとまって席を取る.つまり,パックツアーなので,勝手なところに座る自由はない.こんな一寸したところにも,平素,勝手な旅行をしている私には窮屈に感じる・・・が,特段にどうということはない.
朝食はバイキング.
例によって,食べ過ぎないように注意しながら,いろいろな食べ物を一寸ずつ大皿に取り分ける.何はともかく,パンがとても美味しいので大助かりである.
コーヒーを2~3杯賞味してから,30分ほどで,レストランから自室へ引き上げる.
<朝食はバイキング:パンがとても美味しい>
■遺跡のようにシックなホテル
8時丁度に,バゲージダウン.
リュックに入れて,自分で背負って歩く荷物以外は,キャリーバッグに入れて,自室の前の廊下に出す.
8時30分に出発の予定である.まだ,少々時間があるので,早めにチェックアウトを済ませて,ホテルの周辺を,ほんの少しだけ散策することにする.ホテルの廊下には,ところどころに,天井が円い仕切が付いている.こんな廊下を歩いていると,何だか遺跡の中を散策しているような錯覚に陥る.
1階のロビーに降りる.ロビーには,もう,現地ガイドのアブダラさんが,私たちが降りてくるのを待っている.アブダラさんにお断りして,暫くの間,ホテルの前庭と周辺を散策する.
中庭には,赤,白の花が勢いよく咲いている.花オンチの私にも,ハイビスカスだけは分かる.黄色い花はカシサガ(?)と言うらしい.花を見ていると,いかにも南国に来たなという実感がわいてくる.
<現地ガイドのアブダラさん(左側):ホテルの玄関前:右側の人物は無関係>
<旧市街メディナへ向かう>
■いよいよ出発
8時30分,専用バス“ASUKA”に乗車する.とても大きなバスに,たった7名しか乗らないので,席は選り取り見取りである.景色の良い側の車窓へ,適当に移動しながら,バスの旅を楽しむ.
マラケシュ市内の適当な地図が手元にないので,私たちを乗せたバスが,どの辺りを走っているかが,余りよく分からない. バスが出発すると,アブダラさんが,現地語で,
「ノババ・・・」
と挨拶する.「ノババ」は「おはよう」という意味だそうである.
バスは,どうやら南東に向かって走っているようである.ただ,手元に正確な市街図がないので,どこをどう走っているのか,殆ど見当が付かない.ただ車窓から市街地を見ると,結構賑やかである.
アブダラさんの解説が始まる.
「・・・これから見学するバイア宮殿は,1900年頃,現王朝の祖先が造ったが,今は使われていない・・愛妾用の個室と談話室が沢山並んでいる・・・・・旧市街は12世紀ころ作られたところです.モロッコの軍隊は,2000年頃までは徴兵制でしたが,今は志願制・・・街路樹はオレンジの木.ママレードの原料になります・・・」
と,色々なことを,前後の脈絡なく説明を受ける.
<マラケシュの概念図>
※旧市街の道路は,まるで迷路.とても表現できない.
■旧市街:ロバが主役
8時44分,マラケシュの旧市街メディナ(Medina)にある広場に到着する.バスから下車する.この広場がメディナのどの辺りにあるのか見当が付かない・・・が,まあ,いいかで確かめるのを怠る.そして,ひたすら現地ガイドのアブダラさんの後を追う.
バスを降りると,目の前に荷物運搬用の馬車が止まっている.狭い広場には沢山の人がゴチャゴチャと居る.広場を囲むように赤茶色の建物が建っている.
アブダラさんの話によれば,この旧市街には,およそ40万人の人が住んでいるという.
<バスを降りるとロバが居た:右はリーダのMさん>
■コウノトリ
立派な建物の塔の上に,コウノトリが大きな巣を作っている.
緑色のアーチを潜る.中はマーケットになっている.建物の中は薄暗い.狭い通路を挟んで,雑多な店が雑然と並んでいる.
マーケットを抜けると,高い建物に囲まれた狭い道がくねくねと続く.多種多様な香辛料を入れて大きな編籠を店内にずらりと並べた商店,軒先に蛇かトカゲか良く分からない干物を沢山ぶら下げた店,山盛りのお菓子を並べた店など,実に迫力がある.
<立派な塔の上にコウノトリが巣を作っている>
■イグワナの干物
妙な四つ足動物の干物がぶら下がっているので,アブダラさんに,
「・・・あれは何の干物ですか?」
と伺う.アブダラさんは,振り返りながら軒先に目をやって,
「あれは,イグワナですよ・・・」
と答える.
「えっ! イグワナ!? イグワナ,食べられるんですか?」
食べられなければ,売っているはずがないのに・・・我ながら愚問だった.
香辛料や穀物を売る店が沢山並んでいる.どの店も,大きな籠に売り物を山盛りにして陳列している.この陳列方法だと,どうしても“先入れ後出し(first in, last out)”になってしまうなと,いらぬ心配をする.
街の中は,色々な匂いが混ざり合っていて,とにかく悪臭がひどい.
<何だか良く分からない動物の干物を売っている>
<香辛料の店>
<狭い路地> <ネコがノンビリ日向ぼっこ>
■ノンビリネコの天国
通路は埃っぽい.歩いていると,いろいろな匂いが混じり合って,街全体に悪臭が漂っている.
アブダラさんの説明によると,この辺りの建物は,12~13世紀に建てられたものが殆どだという.日本になぞらえると,鎌倉時代に建てられたことになる.これは凄いことである.
狭い路地の至る所にネコが居る.ネコはネズミを捕るので珍重されているのだろうか,とにかく,ネコが大らかに,街に溶け込むようにして暮らしている.近づいても逃げない.どうやら虐められている様子は全くない.
ネコ好きの私は,大らかなネコの仕草を見ていると,大いに癒される.私はその辺りでノンビリしているネコの写真を,片っ端から撮りまくる.
(※次回は,ネコ写真集にします.)
<バイア宮殿>
■静かな別天地
9時12分,高い塀に囲まれた大きな屋敷の中に入る.入り口でアブダラさんが入場券を買っている.
中に入ると,外とは隔絶した静かな庭園が広がっている.バイア宮殿(Palais de la Bahia)である.
庭には黄色のブーゲンビリアや,白いキョウチクトウの花が咲き誇っている.実に綺麗である.
<このゲートを潜ると別世界になる>
■28人の愛妾の館
建物の中に入る.杉の木で作られた立派な天井が目に付く.天井には立派な植物の模様が組み込まれている.アブダラさんの話によると,動物の模様はないという.回教では血の出るものは飾らないという.
煉瓦造りの壁には,装飾用の立派な絨毯が飾られている.
王様の居室に入る.天井に沿った高い位置の壁には,立派なステンドグラスがはめ込まれている.居室の両側には,暑い時期の寝室と,寒い時期の寝室が作られている.
ここの建物の広さは,約8ヘクタールもあるという.建物の中には,28人の妾が暮らしていたというから,大ハーレムだったようである.
「・・・へぇ~・・」
私たちは28人の妾と聞いて,ビックリしながら,広い中庭を散策する.誰かが,
「・・かみさん1人でも,大変なのに,28人も居たら,どうしようもないな・・・」
と妙に実感を込めて,独り言を言う.
<28人の愛妾の館>
■祈りの間
それぞれの建物の位置関係は,良く分からないが,10時45分頃,祈りの間に入る.広い部屋だが,祈りの間らしく,この部屋には飾り気がない.
部屋の中央に,石を八角形に組み合わせた手洗い用の池(というか大きな洗面台)が作られている.
この部屋で,回教の聖地,メッカの方を向いて,ひざまずいてお祈りをする.どのようにするかをアブダラさんが実演してくれる.
<独特のモザイク模様>
<祈りを実演するアブダラさん>
<再びマラケシュの旧市内を散策>
■安宿の集積地
9時55分,私たちは,バイア宮殿を後にする.
再び,道幅の狭い迷路を,アブダラさんの後について,ウロウロと歩く.高い建物の上には,コウノトリの巣が沢山ある.
10時12分,私たちが旧市街のどの辺りに居るのか,全く分からないが.ユダヤ人教会の前を通り過ぎる.狭い路地で,荷物を背負ったロバとすれ違う.足元にはネコ達が居る.ネコを踏みつけないかと心配するが,ネコたちは平気である.
周囲には沢山の安宿が立ち並んでいる.中には2階部分が狭い通路に出っ張った建物もある.薄汚く汚れた壁に,白いペンキで3個の枠が描かれている.その枠に1,2,3と番号が振ってあり,枠の中に,馬や鳥の絵が描いてある.私は,アブダラさんに,
「・・・これ,何ですか?」
と伺う.すると,意外にも,選挙のポスターだという.
このポスターの意味が良く分からないが,多分,候補者の愛称が馬や鳥なんだろう.馬が「番号1」なら,投票用紙の「1」に○でも付けるんだろうと勝手に想像する.
<高いところはコウノトリ>
<安宿街の一角>
■青空市場
小さな広場に出る.青空市場になっている.屋台や野菜売り場が連なっている.
品数は実に多くて新鮮である.日本のスーパーのように,発泡スチロールのトレーに,ちまちまと並べてある野菜とは違う.すべてが,ドーンと丸ごとか,山積みになっている.
沢山の買い物客でごった返している.ここは活気があって凄いなと思う.
<沢山の絨毯を吊している>
<活気のある市場>
(つづく)
「モロッコ訪問記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6a8abaad432d6f1eddc365474fce91db
「モロッコ訪問記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/9f515d246c2653439f03383dc23e7d95
「モロッコ訪問記」の最初の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31b79faa79d02b8fe28dc5177880d2e4
「モロッコ訪問記」の索引
(編集中)
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