鹿島神宮:浅間山登頂記(4)
(小諸グループ)
2006年10月7日(土)~8日(日)
※http://ameblo.jp/flower-hillもご覧ください。
■鹿島神宮詣で
谷を越えて 懐古園へ入園し,藤村記念館を見学した後,私は,鹿島神社の方へ行こうか,それとも,水の手展望台の方へ先に行こうか迷う。しかし,まずは,鹿島神社の方へ行こうと思う。
水の手展望台の手前,200メートルほどの所から数十段の短い階段を下り,西側の谷に掛かる橋を渡る。料金所で入場券を係員に見せてから先へ進む。係員は中年の女性。両手に箒とちり取りを持って,その辺の掃除をしている。私が入場券を見せても,係員は一向に気にしていない。
<鹿島神宮>
さらに先へ進むと,鹿島神宮の境内に達する。境内には全く人影がなく静まりかえっている。
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■回想:宮城遙拝
この鹿島神宮には特別の思い出がある。
その昔,終戦間もない頃まで,鹿島神宮は,小諸駅の真ん前にあった。小さな駅舎の前に小さな広場があり,その先は鬱蒼とした木立が生え茂る崖になっていた。その崖の上に鹿島神社があった。その頃,flower-hillは,小諸から上田の中学(旧制)まで汽車通学をしていた。余談だが,この中学はやがて新制高校になり,駅弁大学が誕生した。その煽りで,中学に入学したのに,そこがいつの間にか高校になり,その結果,同じ学校に6年間も通うことになった。
ところで,古い小諸駅が,現在の小諸駅に建て替えられたときに,駅前にあった鹿島神宮が現在地に移築された。そして,その跡地を利用して,駅前広場が拡幅され,駅前の商店街が造られた。駅前には小諸で始めての歩道ができた。
小諸は「白壁の町」として有名だった。信越本線に乗って,隣駅の滋野(シゲノ)から小諸へ向かう。右手に布引観音の断崖を見ながら,1000分の25の急勾配を喘ぐように汽車が進む。列車が西原辺りまで進むと,勾配が緩くなり,列車の速度が増す。この辺りから,日光を反射してキラキラと輝く白壁が立ち並ぶ小諸の町が良く見える。後には,小諸を抱きかかえるように浅間山連山が聳えている。
ちなみに,その頃,信越本線の客車を牽引する蒸気機関車は,D50とD51であった。特にD5195という機関車には愛着があった。
今考えると,こんな古風の町並みに比較すると,鹿島神宮後に突如出現した新興の商店街は,如何にもチグハグな印象を受けるが,都会への憧れが強かった当時の私達には,とても新鮮で都会的に思えた。これで小諸も一流の都会になったぞと喜んだものである。
小学校(正確には国民学校)高学年の頃,どの程度の頻度だったかは思い出せないが,子供達は定期的に鹿島神宮の清掃を行っていた。早朝,神社に集まって,竹箒で境内をくまなく清掃する。清掃が終わると,神社の前に整然と隊列を作って並ぶ。そして,先生の指揮で「宮城遙拝」をする。体の向きを東京の方に変える。そして,先生の下す
「礼」
を合図に,頭を深々と垂れる。最敬礼である。そのまま10秒ほどに時間が経過する。そして,
「なおれ」
の合図で頭を上げる。
こんな繰り返しを続けているある日,1人の生徒が,最敬礼の最中に,あろうことか,大きなオナラをしてしまった。廻りの生徒は可笑しさで笑いが込み上げてくる。しかし,厳粛な雰囲気での最敬礼の真っ最中である。笑うわけには行かない。笑いを堪えるが苦しくて,苦しくてどうにもならなかったことを思い出す。
オナラの音は,当然,指揮をしていた先生の耳にも達していた。その場は,何事もなく過ぎ去ったが,オナラをした生徒が,後で,
「御前は不敬者だ・・・」
と先生から厳しく叱咤されたのは当然のことである。
「当時の世相は,今の北朝鮮に良く似ているな・・・」
今考えると,当時は,確かに何かが狂っていた。中学生になってからも,
「神風は何時か必ず吹く・・・だから日本は絶対に戦争には負けない・・」
と固く信じていた。そして,何時までの吹かない神風を,焦れったい思いで待っていた。
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今,私は鹿島神宮の前に立っている。松籟の中,神社は静まりかえっている。場所は移転されたとはいえ,社殿は当時のままである。この神社の前も色々なことがあったなと,私は,往時を振り返りながら感慨に耽っている。
(つづく)
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これから山登りシーズン到来ですね!
私も昨年、神戸六甲山へ山登り(山歩き?)に
行って気持ちがよかった記憶があります。
今度は、大阪の金剛山へでも登ってみようかと考えています。
今週より、『宮津天橋立おでかけブログ』をはじめました。ぜひとも、こちらのブログへもお越しください。
六甲山は,その内に,是非,登ってみたいと思っております。
今後とも宜しくお願いします。