<金冷シ付近からの大山の展望(10:42頃)>
晩秋の丹沢:塔ノ岳(第53回目)
(単独山行)
2008年11月13日(木)
■久々の塔ノ岳
ここ数日,寒冷前線が本州南海上を通過中だったために,ぐずついた天気が続いていた.本来ならば,昨日,11月12日,水曜日,塔ノ岳に登るつもりだったが,計画を1日ずらすことにした.前回,塔ノ岳に登ったのが,11月5日である.あれから,もう,1週間以上,間が空いている.その間にどのくらい体力が落ちているかが気になる.
昨日までのぐずついた寒い毎日が嘘のように,今日は快晴である.寒さも大分和らいでいる.
何時ものように,5時10分に家を出る.月明かりが素晴らしい.
渋沢7時17分発大倉行き2番バスには20名足らずの登山客が乗っている.平日にしてはまあまあの人数である.ザッと見回した所,見覚えのある方も若干居られるようである.
■体調が今ひとつ
7時35分に大倉を歩き出す.8日ぶりの塔ノ岳詣でである.矢張り間を空けすぎたのか,歩き出して直ぐに,今日は足が重いなと実感する.
昨日までのぐずついた天気にもかかわらず,足許はほどほどに乾いていて,歩きやすい.何時ものように,歩き出しから,暫くの間は,同じバスに乗り合わせた登山者の方々を少しずつ追い越させて頂くが,好調なときに比較すると,どうも捗らない.少し急ぐと,すぐ汗が滲んでくるので,これでは拙いなと思いながら,ユックリとした調子に落とす.
こんなことを繰り返しながら,8時37分に駒止茶屋を通過する.歩き出してから,1時間02分経過している.今日も,駒止茶屋まで1時間を切ることができなかったので,塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間20分程度だろうなと予測する.
■綺麗な山麓の紅葉
8時40分頃,堀山の尾根を通過する.今日は久々の快晴である.進行方向左手には,6合目付近まで真っ白な雪に覆われた富士山がとても良く見えている.そこで,何時も富士山の写真を撮る定点で,数枚の写真をデジカメに収める.
反対側を見ると,ようやく色づき始めた木々の間から,二ノ塔,三ノ塔,烏尾山など表尾根の山々が,青空の中にクッキリと聳えている.表尾根の山肌が,紅葉でとても綺麗である.私はときどき足を止めて,辺りの風景をデジカメに収める.
目の前の木々が黄色や紅色に紅葉している.青空を背景にしてとても綺麗である.ここに座り込んで,暫くの間,写真を撮っていたいなと思うが,そんなことをしていたら,何時になったら山頂に到着するのか分からなくなるので,写真撮影は帰りのお楽しみということにして,先を急ぐ.
<堀山稜線付近の紅葉(8:41頃)>
<堀山ノ家付近の紅葉(8:54頃)>
■小草平
8時53分,堀山ノ家を通過する.小草平からも相変わらず富士山が良く見えている.ここでも富士山の写真を撮る.
中年の男性が小草平のベンチに座り込んでいる.エリアマップを眺めながら,
「まだ,山頂まで1時間50分もある・・・・仕方がないから2時間ぐらい掛けてユックリ登ろうか・・」
と言いながら,私の方を見て,ニッコリする.私は何とお答えして良いか分からないので,
「まだ,時間はタップリあります.お互いにユックリ登りましょう・・」
と言いながら,先へ行く.
私のすぐ後に,小草平で休んでいた痩せ形の女性が続いて登ってくる.どこかでお見かけしたようなしないような方である.
私は,途中で,
「・・・どうぞ,お先に・・・」
と道を譲る.すると,この女性は,
「いえ,いえ,飛んでもない・・・flower-hillさんの先になんて・・・」
と,いきなり私の名前を言う.私は大変ビックリする.一体,どなたなのだろう?
<今日の萱場平(9:09頃)>
※座って居る人達は無関係
■ご常連のTさん
ほんの暫く,この女性の後に付いて登っていたが,やっぱり先に行かせて貰う.
9時10分に萱場平を通過する.ここで定点の写真を撮る.やがて,花立山荘前の急な階段に差し掛かる.今日は素晴らしい天気なので,階段の途中で,ときどき振り返って駿河湾を眺める.茫洋と広がる海に真鶴半島が突き出ているのが良く見える.
先ほどの女性が,私から10メートルほど下のところを登っている.
9時27分に花立山荘を通過する.ここでも相変わらず富士山が良く見えている.
花立山荘から続く階段道を登る.花立場の露岩帯に出る所で,ご常連のTさんが下ってくる.Tさんが,
「やあ,暫く・・今日は良い天気ですね.今日は2時間丁度でした・・」
と話しかけてくる.Tさんは,相変わらず凄い.
■素晴らしい紅葉
この辺りは,私の定点観測場である.私のすぐ後に続いて登ってくる件の女性に, 「ここで,写真を撮っていきますので,どうぞお先へ・・・」と道を譲る.
今日の花立場からの眺望は実に素晴らしい.
5合目付近に雲が棚引いているものの,富士山が実にクッキリと見えている.その遙か向こうに南アルプスの山々が連なっているのが見える.多分,塩見岳辺りが見えているのだろう.その隣の丹沢の蛭ヶ岳付近の山々に続いて,八ヶ岳が見えている.そして目の前には,これから登る塔ノ岳の山頂が間近に聳えている.
ほんの数分,私は写真を撮るのに専念する.撮った写真を,後で見るのが楽しみである.
馬の背を通過する.馬の背のヤセ尾根から谷間を覗き込むと,紅葉した鍋割山稜が見渡せる.ここでも数枚の写真を撮る.
<花立場からの富士山と南アルプス(9:34頃)>
<花立場から見た塔ノ岳(9:35頃)>
<馬の背から見た鍋割山稜の紅葉(9:36頃)>
■塔ノ岳山頂の展望
9時40分に金冷シノ平を通過する.少々ユックリし過ぎたので,先を急ぐつもりだが,身体がついてこない.山頂間近の木道で,若い男性2人とすれ違う.私が道を譲って待っていると,
「・・山頂はもうすぐですよ・・・」
と私を勇気づける.今回の私は.今年になって53回目の塔ノ岳登頂だというのに,弱々しく見えたのか,慰められてしまう.
山頂直前で,ご常連のYさんが下り始めるのに会う.
「あれ・・どうされたんですか.随分,遅いですね」
と私が質問する.
「・・今日は表尾根を廻ったんで,遅くなっちゃいました・・」
と,Yさんはニッコリする.
9時54分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は,2時間18分.この時期としては芳しくない.
山頂では,カメラマン氏が,リュックを置いて,富士山の写真を撮り始めている.私はカメラマン氏に釣られるようにして,富士山の写真を撮る.
カメラを望遠にして,ファインダ越しに富士山を覗くと,雪の斜面に,ジグザグと続く登山道が良く見える.果たして写るかなと思いながら,デジカメに収める.
山頂では数名の方々が休憩を取っている. 私は,カメラマン氏より先に尊仏山荘へ入るのは気が引けるが,カメラマン氏が熱心に写真を撮っているので,一足先に尊仏山荘に入ることにする.
<塔ノ岳山頂からの富士山(9:55頃)>
<塔ノ岳から見た富士山と越前岳(9:55頃)>
■尊仏山荘
尊仏山荘に入る.先客に先ほどの女性が居る.今日の小屋番は営業部長,ミー君の上司,Oさんである.営業部長はサボっているのか,店先には出てこない.私が席に着くと,直ぐにカメラマン氏も山荘に入ってくる.
山頂の10時ちょっと前の気温は+6.0℃.
「一昨日は,樹氷が見えましたよ・・」
とOさんが言う.冬ももう間近である.
例によって,300円也のお茶を所望する.
私はたまたま持参していた浅間山と塔ノ岳の紅葉の写真をカメラマン氏に見て貰う.
私のブログの話になる.
「貴方のラップタイムを見ると,花立山荘から山頂まで,ちょっと時間が掛かりすぎているようですね・・・」
とカメラマン氏が指摘する.
そう言われてみると,確かに図星かもしれない.何時も花立場や馬ノ背付近で,何枚かの写真を撮っているので,写真を撮るのをやめたら,4~5分は時間を短縮できるかもしれない.とはいえ,折々の写真だけはどうしても撮りたいので,こればかりはやむを得ない.
Oさんから,
「今日の2番バスは何人ぐらい乗っていましたか・・?」
という定番の質問が出る.ついで,
「今日は久々に2時間20分で登りましたよ」
とOさんが言う.これを切っ掛けにして,誰が何時間で登ったかが話題になる.
<富士山の登山道が良く見える(11:37頃)>
■私の履いている靴
10時25分に尊仏山荘を出発して,下山を開始する.
私は大倉発12時52分のバスに乗るつもりである.時間はタップリあるので,途中,途中で写真を撮りながら降りることにする.
山頂から直ぐ下の階段を降りているときに,2番バスのご常連,ローギャー氏とすれ違う.
「・・・今日は1本遅いバスできました・・・」
馬の背付近で,紅葉の写真を何枚も撮る.そして,10時54分に,花立山荘を通過する.ベンチには疲労しきった登山客が数名へたり込んでいる.
長い階段を降りて露岩帯に入る.
下からチャンピョンが登ってくる.私の足許を見ながら,
「相変わらず良い靴を履いてますね・・・」
と私を茶化す.これで,私は,数回,チャンピョンから靴を褒められている.でも,チャンピョンが言っている「良い靴」の真意が分からない.
この所,私は,アプローチシューズのような簡単な靴を履いて塔ノ岳を訪れている.それをみて「ズックみたいなひどい靴」をひねって「良い靴」と言っているのか,それとも,一応はビブラム底でゴアテックスのハイカット靴なので,「本当に良い靴」と言う意味で言っているのか,その辺りが,どうも分からない.
<山麓の花(11:12頃)>
■地図ぐらい持ちましょう
12時31分に丹沢ベースを通過する.たまたまそこで休憩を取っている2人つれに呼び止められる.2人は,そこから見えてい三ノ塔付近を指さしながら,
「塔ノ岳はあれですか・・・」
と質問する.私は呆れる.内心で,地図ぐらい持って歩きなさいよと注意する.
前回転倒した場所を横目で見ながら慎重に下って,12時45分に大倉到着.下り所要時間は2時間20分.登りより余計に時間が掛かってしまった.
[ラップタイム]
7:35 大倉歩き出し
7:39 登山口
7:48 丹沢ベース
7:55 観音茶屋
7:59 分岐
8:08 雑事場ノ平
8:10 見晴茶屋
8:24 一本松
8:37 駒止茶屋
8:45 堀山
8:53 堀山ノ家
9:09 戸沢分岐
9:10 萱場平
9:27 花立山荘
9:40 金冷シ
9:53 塔ノ岳山頂 着
===========================================
10:25 塔ノ岳山頂 発(+5.4℃)
10:39 金冷シ
10:54 花立山荘
11:12 萱場平
11:14 戸沢分岐
11:27 堀山ノ家
11:35 堀山
11:45 駒止茶屋
11:59 一本松
12:11 見晴茶屋
12:13 雑事場ノ平
12:21 分岐
12:24 観音茶屋
12:31 丹沢ベース
12:39 登山口
12:45 大倉 着
[山行記録]
■登攀・下降高度 1201m
■水平移動距離 7.0km(片道)
■登攀所要時間
大倉発 7:35
塔ノ岳山頂着 9:53
(所要時間) 2時間18分(2.30h)
登攀速度
1,201m/2.30h=522.2m/h
■下降所要時間
塔ノ岳山頂発 10:25
大倉着 12:45
(所要時間) 2時間20分(2. 33h)
下降速度
1,201m/2.33h=515.5m/h
(おわり)
[訂補]
2008年11月15日 転換ミスなどを訂正
「塔ノ岳」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6198be4ec01130199e711cd0125f7a81
「塔ノ岳」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3afbcf5e38eefd07dd1daca201941cf7
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コメント有り難うございます.
今週は塔ノ岳でお目にかかれず残念でしたが,ご母堂さまのことを第一にどうぞ.
いよいよこれからが塔ノ岳登頂に一番良い季節になりました.
また,お目にかかれるのを楽しみにしています.
なお,来週はお天気の様子を見ながら,なるべく定例の曜日に塔ノ岳詣でをする予定です.
よろしくお願い致します.
僕はきのう14日に塔ノ岳に登りました。
同じ大倉からです。スタートは14時と遅かった。
午後から快晴で真っ青な空でした。
富士山がすばらしかった。
頂上では燃える様な真っ赤な夕焼け。背後からオレンジ色のお月さんが登り上がる。美しい光景でした。
登り3時間。下り2時間50分。
コメント有り難うございました.塔ノ岳が1日違いだったとは残念でした.また,お目にかかれることを楽しみにしています.
tt様のHPを拝見しました.随分と活躍されておりますね.登られた山のリストの中で「前黒法師」は,私も是非登ってみたい山です.
今後とも宜しくお願い致します.