今日は,ブログを一休みして,無駄話を少ししてみたい.
実は,忙しくて私を困らせているものの一つに「趣味人倶楽部(シュミートクラブ)」というサイトがある.
山登りが趣味の私は,最近5年以内に,デジカメで撮りまくった秋の風景を,趣味人倶楽部の自分のアルバムに掲載し始めたところ,私のサイトへのアクセスが急増した.アクセスした方のハンドルネームとアクセス時間が,60人分だけ,一覧表になって閲覧できるようになっているが,この所,たった1日で,一覧表がパンクしてしまい,日の前半にアクセスしてきた方が誰だか分からない状態が続いている.
これまでは,アクセスしていただいた方(つまり足跡を残してくれた方)には,できるだけお礼のメッセージを送っていたが,ここ数日は精根尽き果てて,完全に返礼ができなくなっている.
この影響もあって,ここgooへの投稿も,だんだんと記事が間に合わなくなり,今日は,新しい記事を纏める作業を中止してしまった.
・・・で,話が少し飛躍するが,大体「無駄」って何だろうと考えるところまで連想が飛躍する.果たしてパソコンに向かって,終日(ひねもす),キーボードを弄っているのは無駄なんだろうか.さらには,ときどき山へ登るのは無駄なんだろうか?
そもそも無駄って何なんだ?
こんなことを考え始めると,無駄が無駄を呼んで,訳が分からなくなる.
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昔,昔.大学生の頃,"Use of Life."という本を読んだ記憶がある.今,この本は何処かへ消えてしまい,手許にないが,この本の中に「無駄の効用」という一節があったように記憶している.
ブログで時局に絡む話題は,あまり取り上げたくないが,某政党が盛んに言っている「無駄の排除」の「無駄」とは,一体どんな尺度で無駄を測定しているんだろう・・
こんなことが気になり始める.
私も,つい2~3年前までは,エセ学者風の仕事をしていた.
ぼんくらではあるが,「無駄の構造」を,こんな風に考える.まあ,“ごまめの歯ぎしり”だと思ってお付き合い願いたい.
「無駄の構造」を表現するには,いくつかの切り口があると思うが,ここでは「現在」と「将来」の2軸で考えることにしよう.ただ,何年先からを将来というか,しっかり定義しなければ,きちんとした議論はできないが,まあ,ここはブログの記事,学会誌ではないので,あいまいのままにしておこう.「孫子の頃」と考えても良いし,数百年後でも良いだろう.また,「現在」は,ここ数年かな.それとも「自分の目の黒い間」でも良かろう.
下の図は,縦方向に「現在」,横方向に「将来」を示している.そして,それぞれを「無駄」と「有効」に区分すると,4個の升目ができる.
さて,この升目だが,現在,将来ともに無駄なもの(第2象限)は当然ダメなので×.現在は無駄でも将来は有効(=役に立つもの)ならば(第1象限),これは○.現在は有効でも,将来は無駄になるものも(第3象限),一応○.現在,将来ともに有効なら(第4象限),当然◎.
第3象限については,一寸だけ付記しておきたい.たとえば“箱もの”である.最初は“箱もの”の建設費で潤うが,建設後は維持費がかかるようになる.維持費に相応する価値があれば問題はないが,そうでないと,維持費が肩に重くのしかかったままになる.
話を戻す.
限られた資源を使ってやりたいことが沢山ある場合,優先順位は第4象限の◎がトップ.これには誰も反対しないだろう.さて,次が問題である.現在有効でも,将来無駄になる第3象限のものを採択するか,それとも今は無駄でも孫子の代になって有効な第1象限のものを採択するかである.
…で,どのような試作が必要か?
第3象限の事象は,どうやったら第4象限の事象になるかが施策になる.そうでないと,過去に○だと思っていたことが,長引くと今になると×になってしまう.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんな訳の分からない図を作ってから,この図がいかに無駄な図かに,ハタと気がついた.なぜ無駄な図か?
第1に,無駄とか有効とかを,どのような尺度で測定するかが分からない.俗に,有効性を測定する尺度には,定量的効果と定性的効果があるといわれる.
定量的効果は客観的だといわれる.なぜならば,効果を投入した人件費,材料費,あるいは時間短縮など,誰が見ても同じに見える「量」で測定できるからだ.
それに対して定性的効果は,見た目が良くなった,みんなが生き生きとしてきた,何となくやる気が出てきたというように,結果が量では測定しにくい効果なので,どうしても立場,置かれた環境の違いなどによって主観的になる.
定性的効果は,同じ人間でもそのときの状況によって判断が違ってしまう.たとえばNHKのニュースを聞きたいなと思っているときには,隣から息子が聞いているベートーベンの名曲が聞こえてくれば,うるさい雑音になってしまう.つまりTPOで違った判断になっちゃう.
だから,この図は所詮無駄なものだ.
第2に,立場によって全く逆な判断になることが,この図を無駄にしている.
やや語弊があるかも知れないが,私は観光地にある巨大な歴史的モニュメントを,いくつか訪れて感動した.
これらのモニュメントを,作れと命令した立場の人には有効かも知れないが,作るために,かり出された人たちにとっては堪ったものではない.
また,当時は無駄だと思っていたものが,後世になって有名な観光地になるかもしれない.そうなれば過去の無駄のお陰で,今,大変な恩恵を受けていることになる.
今,無駄だ,無駄だと喧伝されているナントカというところも,数100年後になれば,“平成の遺跡”として有名になり,沢山の観光客が訪れているかもしれない.それで,過疎に悩まされていた山村が,観光地として隆盛を極めるようになる.
村人達は,
「平成のご先祖様のお陰で,この村も潤っています」
と私たち先祖を賛美し敬ってくれる.
第3に,無駄が無駄とは言い切れないことが,この図を無駄にしている.
俗に「2,8の原則」あるいは「7,3の原則」といわれる経験則がある.
たとえば,営業マンが100人居ると,売上高の8割は20人が稼ぐのに,後の売上高2割は,残りの80人がやっと稼いでいるというのである.では,8割稼ぐ20人だけ残して,残りの80人を馘首したら,20人だけで8割も稼いでいるから,うんと生産性が上がるんじゃないか・・と,思うかもしれない.でもそうは問屋が卸さない.残った20人も,結局は,2割の4人が全体の8割を売り上げて,残りの16人はやっと2割しが売り上げないという話である.
勿論,こんな話がすべての場合に当てはまるとは私も思わないが,疑いもなく,かなり現実的な話である.
このことから,「有効な施策には,必然的に応分の無駄が伴う」という現実が見えてくる.そうなると,前掲の図は,このままでは使えないということになる.つまり,「無駄の効用」を考慮した図に作り直さなければならないという結論に達する.
第4に,この図には,施策を実現するまでの時間的要素が加味されていないことが,この図を無駄にしている.短期即効的に実現するか,長期総合的に実現するか,これがこの図では分からない.多分,実際には短期即効的に進めるものと,長期総合的に進めるものとがバランス良く併存していることが望ましいのだろう.
・・・・・・・・・・・・・・・・・
自室から窓外に目を移す.
秋雨前線が停滞して,シトシトと雨が降り続いている.
外にも出られないし,ブログの記事を纏めるのも飽きた.それで,こんなバカなことを考えている内に,台風18号が,だんだんと日本列島に近づいている.明日(10月7日)の夜には,本州を縦断しながら関東地方に接近するそうである.
「そうだ・・・」
こんなバカなことを書き綴っていないで,台風接近に備えて,家の周りを見回らなければ・・・
たまたま家の前を,某政党の宣伝カーが拡声器で何事かを訴えながら,我が家の前を通り過ぎる.今月25日に,私の住む鎌倉市の市長選挙がある.鎌倉市には,沢山の文化遺産や史蹟がある.だから私も鎌倉市が大好きである.
でも,これらの遺産や史蹟の裏には,今日,うすらボンヤリと考えた「無駄の効用」が沢山潜んでいるのかもしれない.
・・ということで,お後が宜しいようで・・今回の雑談は終わり.
ああ,無駄なことをしたな.
「閑話休題」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/36bc35631f6705ade0d9185a99a9f8ba
「閑話休題」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2698ca427265e838e5676a812809afa4
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