<塔ノ岳山頂>
残暑と時ならぬ雨でグショグショの丹沢;塔ノ岳(今年22回目)
(単独山行)
2018年8月11日(土) 曇一時雨
▇夜明けが大分遅くなった
台風12号が過ぎ去っからまた台風13号が沖縄方面に近づいている.天気予報を見ると,今日,土曜日の午前中は曇りながら,どうやら夕方までは雨が降らないようである.
”…ならば,塔ノ岳へ出掛けるかな…”
一昨日,富士山すそ野ウォーキングに出掛けたばかりなのに,また家を空けるのはちょっと気が引けるが,塔ノ岳詣での間を空けすぎると,脚力がまたたくまに弱くなってしまうのは必定.これはもう行くしかない.
私は,4時10分にいつも通りに自宅を出発する.ここ2~3週間の間に日ノ出の時間が随分と遅くなったようである.外はまだ真っ暗である.舗装道路には昨日の熱気が貯まっていて,生暖かい熱気が足許からムツと立ち上っている.
お盆の連休が始まったためか,東海道本線下り一番列車も何時もの土曜日より大分混雑しているようである.
小田原で小田急電車に乗り換えて,6時11分に渋沢駅に到着する.すでに先客数人がバス停に並んでいる.
臨時バスが出る.乗り合わせた常連は,毎日登山のTGさん,KMさん,MTさん,AIさん,KM夫妻ほか.
臨時バスは6時52分にバス停大倉に到着する.
▇三々五々,大倉から歩き出す
身支度を調えて,6時55分,バス停大倉から歩き出す.いきなり蒸し暑い.どうやら湿度が大分高そうである.
常連の皆さんとほぼ一緒の時刻に歩き出すが,私は鈍足.瞬く間に,先を行く常連の皆さんとの距離が開いていく.
今日も相変わらず蒸し暑い.塔ノ岳山頂まで登れるかどうか分からないが,無理をせずに自然体で登りたいなと思う.
”蒸し暑いので,大体4時間ぐらい掛けて山頂まで登ろう…”
と漠然な思いを持ちながら,終始,自然体に徹するつもりである.
<常連の後ろ姿を眺めながら,大倉から歩き出す>
▇観音茶屋
むっとする湿っぽさの中を登り続ける.数え切れないほどのランナーに追い抜かれながら…
私の前後にはもう常連の姿はとっくに居なくなっている.路面は少し濡れている.深い杉林に囲まれた登山道はまるで蒸し風呂のようである.
喘ぎながら登って,7時21分,観音茶屋を通過する.ここから先はジグザグの上り坂になる.何時もならばこの辺りで体が登山に馴れてくる筈だが,今日は相変わらず調子が出ない…が,無理をせずに登り続ける.
<観音茶屋を通過>
▇見晴茶屋
7時40分,雑事場ノ平に到着する.
雑事場ノ平直前に私を追い抜いていった男性が,雑事場ノ平のベンチに身を投げ出すように座り込んで荒い呼吸をしている.
”なんだ! そんなに無理をして追い抜課なくても良いのに…”
と重いながら,先へ進む.ここまで登ると,尾根越えの風が幾分吹いている.ちょっとホッとする.
7時42分,見晴茶屋に到着する.
ここからの相模湾のパノラマを期待していたが,海とも空とも判然としない灰色が広がっているだけ.一応写真を撮るには撮ったが,ここで疲労する意味がないような写真である.
<見晴茶屋>
▇見晴階段
見晴階段に差し掛かる.相変わらずムシムシと蒸し暑い.
階段下から恒例の写真を撮る.右手から日光が照りつけている.
”ここは,もう,焦らずユックリと登るしかないな…”
と極度に自制しながら,一段,一段,実にユックリと登り続ける.
それでも,汗が止めどもなく流れる.私はハイドレーションシステムに約2リットルの水を入れている.その水を少しずつ意識的に飲みながら登り続ける.
<見晴階段>
▇一本松
見晴階段を過ぎてモミジ坂に差し掛かる.この坂が結構長い.この坂を急ぎすぎると後で必ずバテるので,マイペースを保持しながら登り続ける.
8時10分,ようやく一本松を通過する.
大倉からの所要時間は1時間15分.いつもより15分ほど余計に時間が掛かっているが,この暑さではやむを得ないなと,自分を慰める.
<一本松>
▇駒止茶屋を通過
8時23分,駒止階段に差し掛かる.
この階段もウンザリだが,極力体力を消耗しないように注意をしながら登り続ける.
この階段で,私が乗車したバスより1本後のバスで来られた韋駄天のMGさんに追い抜かれる.
8時31分,駒止茶屋を通過する.
大倉からの所要時間は1時間36分.涼しいときならば堀山の家に到着している時間である.
<駒止階段>
▇素晴らしい尾根道
駒止茶屋を通過すると素晴らしい尾根道が待っている.毎度のことながら,ここを歩くのがとても楽しみである.緑のこぼれ日の中を深呼吸しながらユックリと歩く.でも今日は殆ど無風で,結構蒸し暑いのが残念である.
<堀山の尾根道>
▇富士山は雲の中
晴れていれば富士山が良く見える場所に到着する.
上空は青空だが,富士山は雲に覆われていて全く見えない.残念.
8時44分,堀山の標識を通過する.ここから暫くの間緩やかな下り坂になる.
<富士山は雲の中>
▇小草平(堀山の家)
少し登り返して,8時54分,小草平(堀山の家)に到着する.堀山の家はまだ開店していない.
大倉からの所要時間は1時間59分,
”オヤ,オヤ,…こんなに掛かっちゃったの…”
と内心で呆れている.
私が小草平に到着すると同時に,小草平で休憩を取っていたMGさんが,私にちょっと挨拶して,続きの坂道を登り始める.
堀山の家の温度計は23℃.
<堀山の家>
▇萱場平
私は小草平でも休憩を取らずにそのまま登り続ける.つい20~30メートル先にMGさんの後ろ姿が見えているが,登り続けるにつれて,だんだんと遠ざかり,すぐに見えなくなる.
どの辺りを,どの程度の速度で登れば,楽に登れるかは,これまでの繰り返し登山の経験から熟知しているので,ごくごくマイペースで登り続ける.
9時24分,萱場平に到着する.ここでちょっと一息入れる.
どこからともなく,とっくに先に行っていると思っていたMGさんが現れる.暑いので休憩を取っていたとのこと.
丁度そのとき,KIさんが現れる.KIさんと一緒に萱場平を出発するが,すぐにKIさんとの間が空いてしまう.
<萱場平>
▇花立階段
9時37分,大きなガスボンベを背負って下山してくるチャンピョンとすれ違う.
「やあ,やあ,…お元気ですが,皆さん登っていますね…」
と私に挨拶する.
9時52分,花立階段に到着する.
私より先に花立階段に到着したKIさんが,階段下の石に座って休憩を取っている.私も釣られてKIさんの脇に座って,2~3分,休憩を取る.
でもあまり長く休憩を取ると登る気がしなくなるので,KIさんより一足先に立ち上がって,花立階段を登り始める.
毎度のことながら,階段の上を見上げるとウンザリするので,ひたすら足許だけを見ながら,登り続ける.
やがて,前方に花立山荘の幟旗が見え始める.
”あともう少し…”
と思うのだが,このもう少しが実に辛い.
10時08分,やっと花立山荘に到着する.花立山荘は開店したばかり.氷水を飲みたいが,ここで一休みしてしまうと登る気力が失せるかも知れないので止めておく.気温22℃.
どうやら雲の中に入ったらしく,辺り一面に濃い霧が立ちこめている.
大倉からの所要時間は,3時間03分.実に情けないラップである.
<花立階段>
▇花立山
花立山荘を通過してからの階段道が結構辛い.最近,階段道が補修されて大分歩きやすくなったが,それでも辛い.
階段道を何とか登り切ったところで,
「FHさ~ぁん…!」
と後ろから声を掛けられる.
私より後のバスで来られたTTさんである.
TTさんから私たちより1週間前に剱岳に登ったとのことである.
10時26分,花立山山頂を通過する.
私はとてもではないがTTさんには付いていけないが,ここから先,金冷シまではほぼ水平道なので,TTさんにお付き合いいただき,雑談しながら一緒に歩く.
<花立山山頂>
▇塔ノ岳山頂
霧の中,半ば惰性で歩き続けて,10時35分,金冷シを通過する.ここから先はTTさんに先に行って貰う.
もうここまで登れば,どんなにユックリ登っても,間違いなく塔ノ岳山頂には到着できる.私はちょっとばかり安堵して,さらにダラダラ歩きになる.
金冷シを通過して2番目の階段を登っているときに,下山してくるMGさんとすれ違う.
「…TGさんは尊仏山荘に立ち寄るそうです…」
とのこと.
ところが,ほどなく山頂直下の階段で,下山してくるTTさんとすれ違う.
10時52分,やっと塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は22.5℃.やっぱり随分と高温である.
山頂は濃い霧に覆われている.眺望は皆無.それに無風.何となく湿った感じの雰囲気である.
大倉から山頂までの所要時間は3時間57分.
”蒸し暑いんで,こんな時間でも仕方がないな…山頂まで登っただけで満足しなければ…”
と勝手に屁理屈を付ける.
それにしても,何となく疲れた.
山頂到着後,すぐに下山しようと思ったが,どうもシンドイので,山頂の石に腰を下ろして,10分あまり休憩を取る.
<晴れていれば富士山が見えるはずだが…>
▇ノロノロと下山開始
体調も回復したので,11時05分,下山開始.
何となく疲労感が残っているので,何時もよりユックリ慎重に下山し続ける.
11時27分,花立山を通過する.
花立山から花立山荘へ向けてガレ場を下っているときに,私の後ろから声を掛ける人がいる.TTさんである.今日は用事があるとかで急いで下山するとのこと.たちまちのうちにTTさんの後ろ姿が小さくなっていく.
11時27分,花立山荘を通過する.
花立階段を慎重に下る.そしてガレ場を通過して階段道を下山し続ける.
11時40分頃,萱場平に到着する.ちょっとかったるい感じがするので,ベンチに腰を下ろして,2~3分,休憩を取ることにする.ベンチに座って一息入れていると,
「FHさぁ~ん…!」
と言う声が聞こえる.
KIさんと,MTさんのお二人である.
▇堀山の家
萱場平から下の階段道は,それなりに整備されているので歩きやすい.そのために,私はいつも萱場平まで下山すると少しホッとする.ここから先は,単調に階段道を下り続ける.
あともう少しで小草平というところで,またガレ場になる.このガレ場も何時ものように下り続けて.12時14分,堀山の家に到着する.
丁度そのとき,MTさんが小屋から出てくる.入れ違いに私は堀山の家で,ほんの数分,休憩を撮ることにする.
私は250円也のオレンジジュースを所望する.
<堀山の家でオレンジジュース>
▇時ならぬ驟雨
12時20分,堀山の家を出発する.
堀山の尾根道をルンルン気分で歩いて,12時40分,駒止茶屋を通過する.そして,駒止階段を下り始めた頃,急に辺りが薄暗くなり始める.
階段を降りて平坦な道を歩いているときに,ポツリ,ポツリと雨が降り出す.リュックの中には雨具がすぐ取り出せるように入れてあるが,どうせ汗でびっしょりになっているので.何だか雨具を着用する気になれない.
”まあ,イイカ…!”
で雨具を装着しないまま下山し続ける.
途中で雨足が少し弱まったが,それ以降,暫くの間,ザンザン降りになる.でも濡れるに任せて下山し続ける.登山道はたちまちの内に,雨水で小川のようになる.勿論,私はゴアテックス張りの登山靴を履いているが,足首から雨水が入ってしまい,靴の中がグショグショになってしまう.それに,山ヒルが流れてこないかが気になる.
13時20分,ようやく観音茶屋に到着する.
観音茶屋の女主人に,
「スミマセン,今日は時間がないので通過します…」
と挨拶して,観音茶屋は通過.バスの時間まで残り18分.
”13時38分発のバスには間に合わないな…”
と思ったが,暫く下ると雨が止む.
丹沢ベースを通過して,舗装道路に入ってから,私は小走りでバス停大倉を目指す.
”ああ,もうダメか…”
バス亭に到着したと同時に,バスの乗車口の扉がしまる.
”残念!”
と思った瞬間,バスの前の方から2人の女性が駆け込む.一旦走り出したバスが停まる.これ幸いと私もバスに飛び乗る.バスはほどほどに混雑している.入口近くの席に,MGさん,AIさん,TGさんが座っている.
▇渋沢駅ビルでコーヒーブレーク
バスが渋沢駅に到着する.
何時ものように,渋沢駅ビル1階のミスタードーナッツへ.
雑談しながら,270円也のホットコーヒーを3杯お替わりする.雑談をしながらのコーヒーはまた格別の味である.
今日の私は,所要時間は長かったものの何とか塔ノ岳山頂まで登った.そのため授業を早退したような後ろめたさは全くない.”よかった! よかった!”である.
<ミスタードーナッツでコーヒーブレーク>
▇無事帰宅するが…
濡れた衣服が何時の間にか乾いている.やっぱり山専用の衣類は乾きが早いので感心する.
小田原では,丁度特急電車が通り過ぎる時間に重なってしまい,20分以上待たされるが,快速アクティ宇都宮行とやらに乗車する.
乗車中は眠気との格闘になるが,なんとか乗り越さずに大船駅で下車する.大船駅前はそよ風が吹き抜けていてとても涼しい.
無事帰宅.私の留守中に,息子が来ている.
リビングに入って,
「やあ,来ていたか…」
私は気がつかなかったが,私が歩いた後に,泥の足跡がベタベタ.家内に叱られる.
いやはや,時ならぬ驟雨で大変な登山だった.
<ラップタイム>
6:55 大倉歩き出し
7:21 観音茶屋
7:42 見晴茶屋
8:31 駒止茶屋
8:54 堀山の家
10:08 花立山荘(10:10まで休憩)
10:32 金冷シ
10:52 塔ノ岳着
11:05 〃 発
11:21 金冷シ
11:27 花立山荘
12:14 堀山の家(12:20まで休憩)
12:40 駒止茶屋
13:05 見晴茶屋
13:20 観音茶屋
13:38 大倉着
[山行記録]
▇水平歩行距離 7.0km(片道)
▇累積登攀下降高度 1,269m
▇上り所要時間(休憩時間込み)
大倉発 6:55
塔ノ岳着 10:52
(所要時間) 3時間57分(3.95h)
水平歩行速度 7.0km/3.95h=1.77 km/h
登攀速度 1,269/3.95h=321m/h
▇下り所要時間(休憩時間込み)
塔ノ岳発 11;05
大倉着 13:38
(所要時間) 2時間33分(2.55h)
水平歩行速度 7.0km2.55h=2.74 km/h
下降速度 1,269m/2.55h=498m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/bf85f48b5e5713f02707e950f67fbbf3
「丹沢の山旅」の次回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/cb3c47603911cb4e7dce76c1743d3168
お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
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