ルアペフ山・トンガリロ山登頂記(10)完走を祝して乾杯
2006年1月29日(日) その5
<<トンガリロクロッシング>>
16:22,密林の中の小径は突然終わりになる。車止めのような柵を越えると,いきなり広場に飛び出る。駐車場である。ここがトンガリロクロッシングの終点である。終点を閉める看板が立っている。出口と反対側にバスが駐車している。その脇にヘンリーさんがこちらを見ている。私達の姿を見ると,
「・・・早く,早く・お出で,お出で・・」
と大げさなボデーランゲージを交えて,盛んに早く来るように促す。
つられるようにして,私達がバスの前まで来ると,早速,缶ビールを1人ひとりに1本,おめでとうと言いながら手渡す。そして,とりあえず居合わせた人達だけで,缶ビールを高々と掲げて乾杯する。下戸の私でも,最初の一口は,実に旨い!
私達の到着から5分ほど遅れて,ビアンコ夫妻,スケルトンさん,酋長さん,ドッジさん夫妻が一団となって続々と広場に入ってくる。ヘンリーさんが,缶ビールを高く掲げながら,
「早く,早く。早くお出でよ・・・!」
と盛んに鼓舞する。
私達は,トンガリロクロッシング,全長17キロメートルのハイキングを終えた。駐車場で缶ビールを片手に,完走の祝杯をすると疲れも一気に吹っ飛ぶ。アルコールに弱い私は,缶ビールを全部のみ干すことができない。残念ながら残った半分以上のビールを大地に戻した。
16:30,迎えのバスに乗車する。直ちに発車。
バスは2車線の道路をもの凄い速度でひた走る。トンガリロ山群の広大な山麓の中をバスは進む。振り返ると私達が下ってきた谷間が良く見える。山麓を北側から東へ回り込むようにして南下する。
17:04分にベイビューシャトーに到着する。
今日は17キロメートルの山道を歩いてきたが,天気が良かったし,泥濘が全くなかったので,登山靴は殆ど汚れていない。私達は登山靴を履いたままホテルのロビーに入り込む。すぐに添乗員のSさんを囲んで,ミーティングが開かれる。
Sさんから,明日のスケジュールの説明を受ける。
*明日のモーニングコールは6:30,
*朝食は7:00,
*出発は8:30
とのことである。
昨夜は,このホテルで結婚式が行われていた。そのためにホテルは大混雑であった。そのあおりで,私達の仲間にも,バスのない部屋や,小さな窓が一つしかない部屋に割り当てられた人も居たが,今夜からは全員最上級の部屋が確保できている。メデタシ,メデタシである。
全員,一旦部屋へ戻って,すぐにビジターセンターを訪問することになる。ビジターセンターはホテルのすぐ近くにあるが,18時には閉まってしまう。大急ぎで部屋にリュックを置いて,ロビーへ戻る。
17:20にホテルを出発する。
ホテルの前の坂道を,ほんの200メートルほど歩いて,ビジターセンターに到着する。三角屋根の瀟洒な建物である。入口を入るとすぐ左手にカウンターがある。ここでは,地図類,土産物,衣類,帽子,絵はがき,バッジなど色々な品物を販売している。
まずは地図を争うように買い求める。中身をよく確かめもせずに,Egmont Park Map(1/55,000),Ruapehu(1/50,000)など3枚の地図を購入する。ついでに,ルアペフ山周辺の写真が入っているCDを1枚購入する。私は,このビジターセンターの外観を,是非,スケッチしたかった。そこで一同より早く店を出て,歩道の片隅に座り込んで,5分ほどスケッチを楽しむ。
そうこうしている内に,一同がドヤドヤとビジターセンターから出てきたので,私も一緒にホテルへ戻ることにした。
17:50,再びホテルへ戻る。すぐに自分の部屋へ戻り,下着の洗濯,入浴をしてしまう。先ほど祝ったビールが体内に残っていて,少々,脱力感がある。そこで,そのままベッドの上で横になり,小休止する。
19時から夕食である。
18:55,同室のTさんと一緒にロビーへ降りる。ロビーで添乗員のSさんから,今日の夕食のメニューを説明うける。なかなか行き届いている。一同,揃ってレストランに入る。こんなところでも,団体行動を取る辺りが,いかにも日本的である。
まずは,ドリンク。私は先ほどのビールで,アルコールはもう沢山である。そこで4.00ドルのグレープフルーツジュースを注文する。前菜は「今日のスープ(Soup of the Day)」。これはカボチャのスープだった。とろりとしていて美味しいが。私的には単純なコンソメスープの方が好みに合う。
メインディッシュはラム肉。素晴らしく美味。量が多いので,またまた太るのではないかと心配になる。
デザートは昨夜と同じに3色アイスクリームにする。
とにかく,アルコール付きのコースメニューなので時間が掛かる。夕食が終えたのは,もう21:30になってしまった。連日の豪華晩餐は贅沢だが,とにかく時間が掛かりすぎる。本当は,30分程度でそそくさと夕食を澄ませて,就寝までの時間をゆっくりと過ごしたいのだが,そうもいかない。
夕食が済んで,自室に引き上げるが,もう眠くて何もする気にならない。すぐにベッドに入り,いつの間にか寝込んでしまう。
(第10話おわり)
2006年1月29日(日) その5
<<トンガリロクロッシング>>
16:22,密林の中の小径は突然終わりになる。車止めのような柵を越えると,いきなり広場に飛び出る。駐車場である。ここがトンガリロクロッシングの終点である。終点を閉める看板が立っている。出口と反対側にバスが駐車している。その脇にヘンリーさんがこちらを見ている。私達の姿を見ると,
「・・・早く,早く・お出で,お出で・・」
と大げさなボデーランゲージを交えて,盛んに早く来るように促す。
つられるようにして,私達がバスの前まで来ると,早速,缶ビールを1人ひとりに1本,おめでとうと言いながら手渡す。そして,とりあえず居合わせた人達だけで,缶ビールを高々と掲げて乾杯する。下戸の私でも,最初の一口は,実に旨い!
私達の到着から5分ほど遅れて,ビアンコ夫妻,スケルトンさん,酋長さん,ドッジさん夫妻が一団となって続々と広場に入ってくる。ヘンリーさんが,缶ビールを高く掲げながら,
「早く,早く。早くお出でよ・・・!」
と盛んに鼓舞する。
私達は,トンガリロクロッシング,全長17キロメートルのハイキングを終えた。駐車場で缶ビールを片手に,完走の祝杯をすると疲れも一気に吹っ飛ぶ。アルコールに弱い私は,缶ビールを全部のみ干すことができない。残念ながら残った半分以上のビールを大地に戻した。
16:30,迎えのバスに乗車する。直ちに発車。
バスは2車線の道路をもの凄い速度でひた走る。トンガリロ山群の広大な山麓の中をバスは進む。振り返ると私達が下ってきた谷間が良く見える。山麓を北側から東へ回り込むようにして南下する。
17:04分にベイビューシャトーに到着する。
今日は17キロメートルの山道を歩いてきたが,天気が良かったし,泥濘が全くなかったので,登山靴は殆ど汚れていない。私達は登山靴を履いたままホテルのロビーに入り込む。すぐに添乗員のSさんを囲んで,ミーティングが開かれる。
Sさんから,明日のスケジュールの説明を受ける。
*明日のモーニングコールは6:30,
*朝食は7:00,
*出発は8:30
とのことである。
昨夜は,このホテルで結婚式が行われていた。そのためにホテルは大混雑であった。そのあおりで,私達の仲間にも,バスのない部屋や,小さな窓が一つしかない部屋に割り当てられた人も居たが,今夜からは全員最上級の部屋が確保できている。メデタシ,メデタシである。
全員,一旦部屋へ戻って,すぐにビジターセンターを訪問することになる。ビジターセンターはホテルのすぐ近くにあるが,18時には閉まってしまう。大急ぎで部屋にリュックを置いて,ロビーへ戻る。
17:20にホテルを出発する。
ホテルの前の坂道を,ほんの200メートルほど歩いて,ビジターセンターに到着する。三角屋根の瀟洒な建物である。入口を入るとすぐ左手にカウンターがある。ここでは,地図類,土産物,衣類,帽子,絵はがき,バッジなど色々な品物を販売している。
まずは地図を争うように買い求める。中身をよく確かめもせずに,Egmont Park Map(1/55,000),Ruapehu(1/50,000)など3枚の地図を購入する。ついでに,ルアペフ山周辺の写真が入っているCDを1枚購入する。私は,このビジターセンターの外観を,是非,スケッチしたかった。そこで一同より早く店を出て,歩道の片隅に座り込んで,5分ほどスケッチを楽しむ。
そうこうしている内に,一同がドヤドヤとビジターセンターから出てきたので,私も一緒にホテルへ戻ることにした。
17:50,再びホテルへ戻る。すぐに自分の部屋へ戻り,下着の洗濯,入浴をしてしまう。先ほど祝ったビールが体内に残っていて,少々,脱力感がある。そこで,そのままベッドの上で横になり,小休止する。
19時から夕食である。
18:55,同室のTさんと一緒にロビーへ降りる。ロビーで添乗員のSさんから,今日の夕食のメニューを説明うける。なかなか行き届いている。一同,揃ってレストランに入る。こんなところでも,団体行動を取る辺りが,いかにも日本的である。
まずは,ドリンク。私は先ほどのビールで,アルコールはもう沢山である。そこで4.00ドルのグレープフルーツジュースを注文する。前菜は「今日のスープ(Soup of the Day)」。これはカボチャのスープだった。とろりとしていて美味しいが。私的には単純なコンソメスープの方が好みに合う。
メインディッシュはラム肉。素晴らしく美味。量が多いので,またまた太るのではないかと心配になる。
デザートは昨夜と同じに3色アイスクリームにする。
とにかく,アルコール付きのコースメニューなので時間が掛かる。夕食が終えたのは,もう21:30になってしまった。連日の豪華晩餐は贅沢だが,とにかく時間が掛かりすぎる。本当は,30分程度でそそくさと夕食を澄ませて,就寝までの時間をゆっくりと過ごしたいのだが,そうもいかない。
夕食が済んで,自室に引き上げるが,もう眠くて何もする気にならない。すぐにベッドに入り,いつの間にか寝込んでしまう。
(第10話おわり)