中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ルアペフ山・タラナキ山登頂記(23)のどかな牧場地帯

2006年04月22日 07時17分16秒 | ニュージーランド:ルアペフ・タラナキ
のどかな牧場地帯

<<ニュープリマスへ移動>>
 2006年2月1日(水) その2
 私達を乗せた貸切りバスは,9:04にワカパパビレッジを出発して,ニュープリマスへ向かっている。間もなく進行方向左手の遙か遠くに,残雪を抱いたタラナキ山がチラリと姿を表す。私達が明日登る山である。添乗員によると,ここからタラナキ山までは,およそ265キロメートルの距離があるという。2車線の舗装道路が続く。すれ違う自動車はほとんどない。広大な山麓地帯を南西の方向に走っている。私は地図を見ながら,自分たちがどの辺りを走っているかを,ときどきチェックする。
 運転手の携帯電話が鳴る。運転手は,進行方向からチラリと目線を逸らして,携帯電話を取る。そして,運転しながら,何事か電話で話し続ける。運転席のすぐ後ろに座っている私は,
 「あぶねぇ~な・・・」
と心の中で叫ぶ。
 5分ほど過ぎてから,また運転手の携帯電話が鳴る。また,運転しながら大声で電話をしている。
 「いい加減にしてくれ~ぃ!」
と叫びたくなる。
 そんな雰囲気を察してか,添乗員のSさんが,すぐにマイクを取って,
 「・・・ニュージーランドでは,運転中に携帯電話を使うことは禁止されていません・・・」
とコメントする。
 9:13,進行方向の正面に,ふたたびタラナキ山が姿を表す。そして左手には八ヶ岳連峰に良く似たルアペフ山連峰の全景が見渡せるようになる。山頂には雲が掛かっている。広い平原を走り続けている。そして,ナショナルパーク(National Park)という町に入る。鉄道の駅が見える。添乗員の説明によると,1日1往復の旅客列車が走っているという。
三叉路に突き当たる。地図で確かめると,この三叉路を右折して国道3号線を北北西に進む。運転手が添乗員を通訳にして,私達に,
「今,国道4号線を走っています」
と説明する。

 地図を確かめながら周辺の風景を見ていた私は,てっきり国道3号線を走っていると思っていたので,すかさず,
 「国道3号線ではないですか」
と聞いてみる。運転手は「あっ,そうか」と照れくさそうな顔をする。
 辺りは起伏の多い山地に入る。右手には鉄道の線路が見え隠れする。羊の牧場が続くようになる。添乗員が,この辺りで飼育されている羊は「メリノ」という種類だという。この「メリノ」という羊は,歩き回ることがとても好きなので,山岳地帯の牧場で良く飼育されるという。
 ここで添乗員の説明は少し別の方向に逸れ始める。
 「・・・ちなみに,羊の肉はラム,フォゲット,マトンに分けられます。ラムは生後1年以内,マトンは成獣の肉です。その中間がフォゲットです。食用に供せられるラムはほとんど雄です・・・」
 いつの間にか,線路が進行方向左手に移っている。9:34,いかにも田舎らしい集落,カカヒ(Kakahi)を通過する。辺りはなだらかな起伏のある牧場地帯である。
 9:37,運転手が,
 「景色が良いところがあるから,サービスで臨時停車しましょう」
という。
        (第23話おわり)


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