<ピリアカ展望台からの眺望>
[復刻版]
ルアペフ山・タラナキ山登頂記:第6日目(2):ニュープリマスへ(2)
(山旅スクール5期同窓生)
2006年1月27日(金)~2月4日(土)
第6日目;2006年2月1日(水)
のどかな牧場地帯
<ルート地図>
↓ 拡大図
<専用バスの旅が始まる>
■ワカパパビレッジを出発
私達を乗せた貸切りバスは,9時04分にワカパパビレッジを出発,ニュープリマスへ向かっている.
出発して間もなく進行方向左手の遙か遠くに,残雪を抱いたタラナキ山がチラリと姿を表す.私達が明日登る山である.ツアーリーダーのSさんによると,ここからタラナキ山までは,およそ265キロメートルの距離があるという.
2車線の舗装道路が続く.すれ違う自動車はほとんどない.広大な山麓地帯を北西の方向に走っている.私は地図を見ながら,自分たちがどの辺りを走っているかを,ときどきチェックする.
<すれ違う自動車がほとんどない道を行く>
■気になる携帯電話
運転手の携帯電話が鳴る.運転手は,進行方向からチラリと目線を逸らして,携帯電話を取る.そして,運転しながら,何事か電話で話し続ける.運転席のすぐ後ろに座っている私は,
「あぶねぇ~な・・・」
と心の中で叫ぶ.
5分ほど過ぎてから,また運転手の携帯電話が鳴る.運転手は,また,運転しながら大声で電話をしている.
「いい加減にしてくれ~ぃ!」
と叫びたくなる.
そんな雰囲気を察してか,Sさんが,すぐにマイクを取って,
「・・・ニュージーランドでは,運転中に携帯電話を使うことは禁止されていません・・・」
とコメントする.
■1日1往復の列車
9時13分,進行方向の正面に,ふたたびタラナキ山が姿を表す.そして左手には八ヶ岳連峰に良く似たルアペフ山連峰の全景が見渡せるようになる.山頂には雲が掛かっている.
バスは広い平原を走り続けている.そして,ナショナルパーク(National Park)という町に入る.
車窓から鉄道の駅が見える.Sさんの説明によると,1日1往復の旅客列車が走っているという.
■国道3号線へ
三叉路に突き当たる.
地図で確かめると,この三叉路を右折して国道3号線を北北西に進む.運転手がSさんの通訳を介して,私達に,
「今,国道4号線を走っています…」
と説明する.
地図を確かめながら周辺の風景を見ていた私は,てっきり国道3号線を走っていると思っていたので,すかさず,
「国道3号線ではないですか…?」
と聞いてみる.
運転手は,
「あっ,そうか…3号線です.」
と照れくさそうな顔をする.
■羊の肉談義
専用車はやがて起伏の多い山地に入る.進行方向右手には鉄道の線路が見え隠れする.車窓からの景色を眺めていると,この辺りでは羊の牧場が続くようである.
Sさんが,この辺りで飼育されている羊は「メリノ」という種類だと私たちに説明する.この「メリノ」という羊は,歩き回ることがとても好きなので,山岳地帯の牧場で良く飼育されるとのことである.
ここでSさん説明は少し別の方向に逸れ始める.
「・・・ちなみに,羊の肉はラム,フォゲット,マトンに分けられます.ラムは生後1年以内,マトンは成獣の肉です.その中間がフォゲットです.食用に供せられるラムはほとんど雄です・・・」
いつの間にか,線路が進行方向左手に移っている.
9時34分,いかにも田舎らしい集落,カカヒ(Kakahi)を通過する.辺りはなだらかな起伏のある牧場地帯である.
<ピリアカ展望台>
■ピリアカ展望台に到着
9時37分,運転手が,
「景色が良いところがあるから,サービスで臨時停車しましょう」
という.
バスは谷間の右岸の高い所をトラバースするクネクネ道を下っている.
9時34分,バスは左手の小さな広場で停車する.ここがピリアカ展望台(PIRIAKA Lookout)である.
<ピリアカ展望台>
■ピリアカ展望台からの風景
右手にナウルホエが見えている,眼下には緑の中を蛇行して流れる川が見える.バスから降りた私たちは思い思いに素晴らしい風景を写真に収める.
私は,早速,ボールペンで美しい風景をスケッチする.
“今夜は,このスケッチに手を入れるぞ…”
そう思うと,今夜が待ち遠しくなる.下のスケッチは,後からかなり時間を掛けて手を入れたものである.
<ピリアカ展望台からの眺望>
<ピリアカ展望台からのスケッチ>
(つづく)
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