<山頂を目指して(メンヒ山)>
第39回2016神奈美展出品作品(2):作品1;山頂を目指して(メンヒ山)(40号)
(出展作品のメモ帳)
2016年5月2日(火)~8日(日)
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第5日目;2016年5月6日(金) 晴れ
■鎌倉中央公園の鯉のぼり
私は,第1日目と第2日目は,午前中,会場へ詰めていたが,第4日目は法事のために故郷の信州小諸に帰郷していた.また,第5日目は家族サービスのために会場へは行けなかった.そうこうしている内に,早いもので,今日は,早,第6日目を迎える.
この頃の私は,加齢のためか,何事につけて,すぐに疲れやすくなったような気がする.
今朝もなるべく早く展覧会場に行かなければと思いながらも,グズグズと朝の貴重な時間を無駄に過ごしてしまう.そんなわけで,家を出発したのが予定時間より30分も遅くなる.
出発時間が遅くなったら,路線バスを利用して早く大船駅に行けば良いものを,何となく鎌倉中央公園の鯉のぼりが気になってしまい,結局,自宅から大船駅まで歩いてしまう.
5月5日のこどもの日が過ぎたら,鯉のぼりはサッサと片付けられてしまうのかと思っていたら,こどもの日が過ぎた今日も相変わらず元気に泳いでいる.私は嬉しくなって,鯉のぼりの写真を何枚も撮る.
今日も快晴.暑からず寒からずの素晴らしい天気である.何時も換算としている中央公園も,今日は午前中から沢山の家族連れやお年寄りで賑わっている.
<鎌倉中央公園> <浜公園>
■山旅スクール5期同級生
大船駅から根岸線の電車を利用して関内駅で下車する.何時ものように浜公園を横切って,神奈川県民ホールへ向かう.
5月3日,物凄い人並みに圧倒されっぱなしだった浜公園だが,今日はほどほどの賑わいで落ち着いている.私は公園の風物をユックリと楽しみながら会場へ向かう.途中,コーヒーショップに立ち寄ろうかという出来心を抑えて,10時過ぎに会場に到着する.
会場の受付に顔を出す.すると当番の方が,
「…沢山お知り合いの方が来ていますよ…今,下の会場に居られますから,早く言ってあげて下さい…」
と私を急かせる.
「分かりました.すぐに行きます…その前に,ちょっと来客名簿を見せて下さい…」
とお願いして,私が会場に来られなかった4日,5日の来訪者の名簿を見せていただく.その結果,私の不在中に何人かの知人,友人が来られていることを確認する.その中には,親戚の方も居られる.
"しまった…!"
後の祭り.
名簿を見てから,急いでB1の会場に向かう.何だか賑やかな一団が居る.この一団が山旅スクール5期の同級生の皆さんである.順不同で,TBさん,IKさん,KTさん,HSさん他総勢6人.全員が女性群である.急いで補足しておくが,もともとこのグループにも男性が少なからず居られたが,歳月とともに淘汰され,今は女性群だけになってしまった.
女性群を案内しながら,私の絵も見て頂く.
■6階「英一会館」で昼食
会場を一回りしていると,会長とバッタリ.
会長から6階の食堂の割引券を分けて貰って,11時30分に,6階の食堂へ.食堂では窓際の席を確保して貰う.
全員が日替わり定食を所望する.マグロの刺身がネーベン,実に美味.
<英一会館の日替わり定食>
■元勤務先の同僚が来訪
昼食後,さてどうしようということになる.
「…もう一度,FHさんの絵を見てから外へ出ましょう」
ということで,再び,地下1階の展覧会場へ.
私が展示した絵の背景などを説明していると,勤務先で同じ職場に居られたMOさん,OKさんがヒョッコリと現れる.
成り行きで,山旅スクール5期の皆様とは,会場でお別れして,MOさん達の案内をする.
14時頃,お二人ともお別れして,帰途につく.
”早く帰宅して,溜まっている仕事をかたづけなければ…”
何処へも立ち寄らずに,関内駅から根岸線の電車で大船駅へ.
今日は歩き方が少々少ないので,大船駅から自宅まで歩こうかとも思ったが,私の心の中に巣喰っているもう一人の私が,
”早く帰宅して,ちょっとでも良いから仕事をしなさい…”
と私に諫言する.
”それもそうだな…”
ということで,路線バスを利用して帰ることにする.
バス待ちをしていると,同じ腸内に住むMZさんとバッタリ.MZさんも私と同じ職場に居られた方である.
「…3日の午後,展覧会を見に行きましたよ…」
私,3日は午前中だけ会場に居たが,午後帰宅してしまった.
「前もって,オイデ頂く時間を教えて頂いたら,会場でお待ちしていたのに…」
「いえ…良いんですよ.お気遣いなく…」
私,恐縮.
いずれにしても,私の拙い絵を沢山の知人,友人に見て頂き恐縮すること頻りである.
明日,同様日は塔ノ岳常連の皆様が会場にお越し頂くことになっている.本当に有り難いことである.
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作品1『山頂を目指して(メンヒ山)』(40号)
冒頭の写真は,作品1『山頂を目指して(メンヒ山)』40号である.
今から,もう,10年も前のことになるが,私は山旅スクール5期の皆さん数名と一緒にスイスベルナーオーバーランドの名峰,メンヒ山とユングフラウ山の2座に登頂した.
この絵は,旅行中に画いたスケッチを叩き台にして纏めたものである.
当時,私は70才台中頃.私の登山人生の中で,一番脂がのっていた時期である.
その前の年には,やはり山旅スクール5期の皆さんと一緒にモンブラン山に登っている.
私は過去に書き貯めたスケッチ類を水彩画にして,この展覧会に出展し続けているが,書き貯めたスケッチ画が貯まる一方で,なかなか思うように進展しない.その間に私の方がドンドン年を取るので,画題が貯まる一方である.それでも,今回やっと10年前まで漕ぎ着けた次第である.
2006年7月12日(水),私達は,早朝,インターラーゲンから登山電車に乗ってユングフラウヨッホ駅に到着した.
駅に到着してすぐに歩き出す.最初はなだらかな雪原をメンヒヨッホ小屋方面に向けて40~50分程歩いて,メンヒ山登山口に到着する.ここから,現地の山岳ガイド1人に対して2人がロープで確保して貰って,登山を開始する.
最初は岩稜歩きである.やがて岩稜を過ぎて氷河の上に積もった雪の稜線になる.ここで12本爪アイゼンを装着する.勿論,手にはピッケル,重装備である
途中,氷壁を登ってから,ナイフエッジの稜線になる.かなりの急傾斜である.無我夢中で登って,12時35分にメンヒ山山頂(標高4,099m)に到着する.
山頂は至って狭くて,同行の6人がやっと座れる程度の広さしかない.山頂の周囲は雪の鋭い急斜面になっている.
目の前には,明日登る予定のユングフラウ(標高4,158m),後ろにはアイガー,眼下にはアレッチ氷河が見えている.
山頂で,ほんの5分ほど休憩を取った後,下山開始.まずはナイフエッジの急坂を慎重に下る.正直,怖い.緊張のしっぱなしである.
ナイフエッジの稜線を無事降りて,雪原に入る.ちょっと一休みしたときに,懐から小さなノートを出して,ほんの数秒の間に,目の前に見えているアイガー南壁を写生する.
下山後,このスケッチに手を加えて,ノートに転記する.
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こうして10年後の今,やっと水彩画に仕上げた次第である.
私は,この絵を通じて,ベルナーオーバーランドの素晴らしさを,絵を見て頂ける方々に,少しでも伝えたいなという思いで描いたつもりである.
(つづく)
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