<真夜中のドバイ空港でトランシット>
モロッコ訪問記:第1日目:関空へ
(アルパインツアー)
2009年6月7日(日)~18日(木)
出発1日前 2009年6月6日(土)
<何かとゴチャゴチャ落ち着かない>
午前中は,何かゴチャゴチャしている内に,瞬く間に過ぎた.
山旅スクール5期同窓生のカモメさんから,携帯メールが入る.
「・・・モロッコに行かれると伺いました.山旅スクール6期の××さんから,『モロッコに行くなら土産にボールペンを持っていくと良いですよ』とのコメントを貰いました.私も実際にモロッコに行ったとき,ボールペンで土産物と交換することができました.モロッコではボールペンが貴重品のようです・・・」
という趣旨のことが書いてある.
私は自分で使用するボールペンを買い足そうと思っている.
五十三次洛遊会のメンバーに,メールを出す.
「・・・これから13日ほどの間,海外に行っているので,メール交換はできません.6月30日予定の洛遊会散策の案内は,6月22日前後に出します・・・・」
という趣旨のメールを流す.
今年は,残念ながら,アジサイが一番見頃な時期に,海外に出掛けてしまう.これは残念である.
午後から雑事をこなすために,大船まで出掛ける.足慣らしをするために,自宅のある丸山から大船まで,40分ほど掛けて,標高差65メートルの下り坂を歩く.
***************************
<旅の日程表>
※旅行社の資料より引用
第1日目 2009年6月7日(日)
<大船→羽田空港→関西空港→ドバイ>
■大船駅にて
いよいよ出発日である.
当初の天気予報では,今日は雨の筈だった.雨の中,荷物を抱えて出発するのは敵わないなと思っていたが,幸いなことに予報が外れて,朝から良く晴れ渡っている.
実は,私は,先週の日曜日と今日の2日間,鎌倉女子大で開催される鎌倉商工会議所主催の「鎌倉検定受験対策講座」を受講中である.特に検定試験を受験したいという訳ではないが,折角のチャンスなので,鎌倉に関する知識を体系的に勉強したいと思っている.
講義は10時から開催される.私は80リットルのスタッフバッグを大船駅のコインロッカーに預けてから,会場の鎌倉女子大に向かうつもりである.そこで,少々,時間に余裕を持たせて,8時20分に自宅を出発する.
キャスター付のバッグをゴロゴロと引っ張って,湘南モノレール湘南町屋駅を目指す.大きな荷物を持っているので,バスではなく,モノレールを利用するつもりである.
湘南町屋8時37分発のモノレールに乗車,8時41分に大船駅に到着する.
まずはコインロッカーに大きな荷物を預けたいと思うが,料金が500円である.手持ちの硬貨では不足なので,どこかの喫茶店で,1000円札を崩しながら,軽くコーヒーでも味わうことにする.荷物を引きずったまま彼方此方動き回るのも面倒なので,ルミネ1階にある某喫茶店に入り込む.日本を離れたら,当分の間,美味しいコーヒーにはありつけないなと思いながら,薫り高いコーヒーをユックリと味わう.
9時20分頃,喫茶店を出て,大船駅のロッカーへ荷物を預けに行く・・・が,このロッカーは100円硬貨しか受け付けない.先ほどの喫茶店では,ウッカリ500円硬貨を含めてお釣りを貰っていたので,100円硬貨5枚は手許にない.私は自分の知恵の回りが悪いのに呆れる.私は自分自身に無性に腹が立つ.
丁度,もう一本,携帯用ボールペンを買いたいなと思っていたので,駅前のコンビニで,500円硬貨を使って,100円也のボールペンを購入する.こうして,やっと100円硬貨5枚を調達する.
■鎌倉検定講習会を受講
80リットルのバッグをロッカーに預けて,リュックだけを背負って,講習会場の鎌倉女子大に向けて歩き始める.私と同じように,講義を受講する人達が,三々五々,同じ方向に歩いている.
私は,講義を聴くにしては,少々不釣り合いな山登り用のリュックを背負ったまま会場に入る.
講義は,午前10時から午後5時まで,1時間の昼休みを挟んで行われる.大きな教室に50~60人の受講生が集まっている.最年少の受講生は中学生,最高齢の方は私よりもさらに上の方のように見受けられる.
つい,2~3年前まで,私は教壇に立つ側の人間だった.改めて受講側に廻ると,実に新鮮な感じがする.まるで,学生時代に逆戻りしたような気分になる.
今日の講義は,鎌倉の社寺,産業,生活,行事など全般にわたる.受講者が講師の話を真剣に聞いているので,会場には張りつめたような空気が漂っている.私は,つい先頃まで勤務していた大学の講義と比較して,
“・・・この雰囲気は,大学の講義とは大分違うな・・・”
と感心することしきりである.もっとも,私が学生時代の大学では,訳の分からない授業でも静粛に拝聴していたものだが・・・
講義は,終了予定の17時までに終えそうもない.今日の集合場所と時間は,羽田空港(以下羽田と略す)に19時30分である.私はどうしても大船17時10分発羽田行のバスに乗りたかった.そこで,講師には大変失礼なことにはなるが,16時50分頃,私は講習会場をそっと抜け出して,大船駅へ向かう.
<関西国際空港へ移動する>
■大船駅からリムジンで
17時頃大船駅に到着する.
すぐにロッカーからバッグを取りだして,京急バスのチケット売場で,羽田までの乗車券,1220円也を購入する.
「・・・16時45分のバスが遅れていれば,間に合うかもしれませんよ・・・」
と係員が言う.
私は,間に合えば勿怪の幸いとばかり,大急ぎでバス乗場へ急ぐ.乗り場では,数名の乗客がバスを待っている.幸いなことに(?),前のバスが遅れている.間に合った!
遅れたバスは,16時57分に,大船駅を出発する.大型バスに乗客は10名足らずで,空き空きである.
バスの窓から眩しい西日が差し込んで眩しい.長時間,緊張して講義を拝聴していたので,随分と疲れている.バスに乗り込んだ途端に,猛烈に眠くなる.どうせ終点まで乗るのだから,寝込んでも構わないなと安心して居眠りをすることにする.
ふと目が覚める.相変わらずバスは快調に走っている.そして,17時50分に羽田空港第1ターミナルに到着する.馬鹿に早く到着してしまった.
■羽田空港
集合時間の19時30分までは,随分と時間がある.
では,搭乗前に,空港内の食堂で夕食を摂ろうかと思いつく.そこで空港内のレストランのショーウインドウを見て回るが,どの店も私の感覚では馬鹿高である.ケチな私は1食に1000円以上も出したくない.どうせ,国際線飛行機の中で食事が出るんだから,中途半端な夕食は摂るのを止めることにする.そこで,3階エスカレーター脇のソファーに座り込んで,20分ほど暇つぶしをする.
18時40分頃,まだ,まだ早いなと思いながら,集合場所の74番窓口付近へ移動する.そして,窓口付近のベンチに座り込む.
ラッシュアワーを過ぎているためか,空港内はガラ~ンとしている.
私が座り込むと直ぐに,1人の女性が私に声を掛けてくる.
「・・・アルパインツアーの方ですか・・・?」
声を掛けてくれた方は,私と同じツアーに参加するSさんである.
「・・・もう一人の男性の方は,もうお見えになっていますよ」
と教えてくれる.
私をこのツアーに誘い込んだ張本人のノシイカさんは,まだ空港に現れていない.
■JAL187便で関空へ
私達は,日本航空の飛行機で,一旦,羽田から関西国際空港(以下関空と略す)に移動し,そこからエミュレーツ航空のドバイ行の飛行機にトランスファーすることになっている.どうせ関空でもう一度顔合わせするのだから,羽田は各自適当に登場することする.
どうした訳か,私はセキュリティチェックの金属探知器で引っかかる.身体の上から下まで徹底的に調べられる.どうやら,チョッキのボタンが金属製だったために,これが引っかかったようである.
液体のチェックも極めて厳しい.機内に持ち込める液体物は100入りリットル以下の容器に収納されているものに限られ,さらに1リットル以下のジッパー付の無色透明なビニール製の袋に纏めて入れておかなければならない.これが実にややこしい.
それは兎も角,私達は20時25分発関空行きJAL便に登場する.私の席は27A.残念ながら窓側である.飛行機のことは良く分からないが.真ん中に通路があって,通路の両側に3列の座席が連なっている.やけに細長い飛行機である.
20時34分,羽田を出発.外は曇っているので見通しは利かない.退屈.
その内に,飛行機が雲の上に出る.上空には下の方が少し掛けた月が煌々と光っている.雲間から地上の灯りが点々と見えている.途中で飲み物のサービスがある.そうこうしている内に,21時37分に関空に到着する.
<液体の機内持ち込みが厳しい>
※旅行社の資料から引用
■関西国際空港に到着
21時42分に飛行機から降りる.すぐに,国際線のチェックインカウンターへ移動する.ここで,関空から乗車する3人,およびツアーリーダーの松本氏と合流する.
今回のツブカル山登頂ツアーに参加するメンバーは男性5人,女性2人,合計7人である.東京から参加は,男性2人,女性2人,計4人.関空から合流は男性3人(内1人は愛知県)である.一見した所,どなたも大変な猛者(もさ)のように見える.例によって,臆病者の私は,随分とコンプレックスを感じる.旅の途中で,自分が足を引っ張るようになったら困るなと心配になってくる.特に大阪のお二人は,如何にも関西人らしい雰囲気が漂っていて,何となく近寄りがたいという第一印象を持つ.
いよいよ,これからエミレーツ航空EK317便でドバイへ向けて旅立つことになる.
****************************
帰国後4日目 2009年6月22日(月) 雨
もう,帰国してから4日目になるのに,まだ時差が取れない.早朝1時頃目が覚めてしまう.我慢して無理に眠るが,3時30分頃,どうにも寝ていられないので起床する.でも,6時頃になると,また眠くなる.30分ぐらいうたた寝をしようかと思って横になる.今度は,8時30分頃まで熟睡してしまう.
暫く,纏まった山登りをしていないので,本当は,今日辺り,塔ノ岳往復をしたかったが,朝から雨模様なので,山行は諦める.湿ったねっとり空気は,砂漠の国から帰ってきたばかりの私には,とても心地よいが,山に登れないので困惑している.
午後から用事があって鎌倉駅方面に出掛ける.最初は雨の中をブラブラと歩いていこうかとも思ったが,雨足がかなり強いので,バスを利用する.
下馬四角付近で用事を済ませてから,鎌倉駅前の大巧寺に立ち寄ってみる.「おんめさま」の愛称で呼ばれる安産祈願で有名な寺である.余談だが,この寺は檀家を持たない珍しい寺である.この寺の境内には,何時も沢山の草花が咲いている.私には,花のことは全く分からないが,沢山の種類のアジサイが咲き乱れている.残念なことに,今日はデジカメを持ち合わせていないので,花の写真を撮ることができないが,それにしても美しいものだと思う.
帰国してから,もう4日も経ってしまった.猛烈な勢いで時は過ぎ去っていく.
明日は,どうやら雨.だから,多分,家にいるだろう.でも,その先,糸の切れた風船のような私は,一体,どこへ流されていくのだろうか・・・?
こんな流されるような毎日を送っていて良いのだろうか・・・?
私は,何だか知らない所から,誰かに運命の糸を操られながら,人形のように主体性もなく,漫然と生きているような気がしてくる.もっとも,一方では,まあいいさ・・・なるようになれでいいじゃないかとも思える.
何だか,たまらないほど,不安になってくる.
こんなあやふやな気分から抜け出すには,塔ノ岳に登るに限る.
早く梅雨が明けないかな~ぁ・・・
湿った空気が良いって言ったばかりの舌の根が乾かない内に,晴を願望している自分に気が付いて,ただ苦笑するだけである.
俺って・・・気儘な人間だな~ぁ・・・!
(つづく)
「モロッコ周遊記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a7b19ebf28af901c455b6a58724a5cb6
「モロッコ周遊記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/14cf2dd8115aac08a3fadb8db415d2a5
「モロッコ周遊記」の最初の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31b79faa79d02b8fe28dc5177880d2e4
「モロッコ周遊記」の索引
(編集中)
モロッコ訪問記:第1日目:関空へ
(アルパインツアー)
2009年6月7日(日)~18日(木)
出発1日前 2009年6月6日(土)
<何かとゴチャゴチャ落ち着かない>
午前中は,何かゴチャゴチャしている内に,瞬く間に過ぎた.
山旅スクール5期同窓生のカモメさんから,携帯メールが入る.
「・・・モロッコに行かれると伺いました.山旅スクール6期の××さんから,『モロッコに行くなら土産にボールペンを持っていくと良いですよ』とのコメントを貰いました.私も実際にモロッコに行ったとき,ボールペンで土産物と交換することができました.モロッコではボールペンが貴重品のようです・・・」
という趣旨のことが書いてある.
私は自分で使用するボールペンを買い足そうと思っている.
五十三次洛遊会のメンバーに,メールを出す.
「・・・これから13日ほどの間,海外に行っているので,メール交換はできません.6月30日予定の洛遊会散策の案内は,6月22日前後に出します・・・・」
という趣旨のメールを流す.
今年は,残念ながら,アジサイが一番見頃な時期に,海外に出掛けてしまう.これは残念である.
午後から雑事をこなすために,大船まで出掛ける.足慣らしをするために,自宅のある丸山から大船まで,40分ほど掛けて,標高差65メートルの下り坂を歩く.
***************************
<旅の日程表>
※旅行社の資料より引用
第1日目 2009年6月7日(日)
<大船→羽田空港→関西空港→ドバイ>
■大船駅にて
いよいよ出発日である.
当初の天気予報では,今日は雨の筈だった.雨の中,荷物を抱えて出発するのは敵わないなと思っていたが,幸いなことに予報が外れて,朝から良く晴れ渡っている.
実は,私は,先週の日曜日と今日の2日間,鎌倉女子大で開催される鎌倉商工会議所主催の「鎌倉検定受験対策講座」を受講中である.特に検定試験を受験したいという訳ではないが,折角のチャンスなので,鎌倉に関する知識を体系的に勉強したいと思っている.
講義は10時から開催される.私は80リットルのスタッフバッグを大船駅のコインロッカーに預けてから,会場の鎌倉女子大に向かうつもりである.そこで,少々,時間に余裕を持たせて,8時20分に自宅を出発する.
キャスター付のバッグをゴロゴロと引っ張って,湘南モノレール湘南町屋駅を目指す.大きな荷物を持っているので,バスではなく,モノレールを利用するつもりである.
湘南町屋8時37分発のモノレールに乗車,8時41分に大船駅に到着する.
まずはコインロッカーに大きな荷物を預けたいと思うが,料金が500円である.手持ちの硬貨では不足なので,どこかの喫茶店で,1000円札を崩しながら,軽くコーヒーでも味わうことにする.荷物を引きずったまま彼方此方動き回るのも面倒なので,ルミネ1階にある某喫茶店に入り込む.日本を離れたら,当分の間,美味しいコーヒーにはありつけないなと思いながら,薫り高いコーヒーをユックリと味わう.
9時20分頃,喫茶店を出て,大船駅のロッカーへ荷物を預けに行く・・・が,このロッカーは100円硬貨しか受け付けない.先ほどの喫茶店では,ウッカリ500円硬貨を含めてお釣りを貰っていたので,100円硬貨5枚は手許にない.私は自分の知恵の回りが悪いのに呆れる.私は自分自身に無性に腹が立つ.
丁度,もう一本,携帯用ボールペンを買いたいなと思っていたので,駅前のコンビニで,500円硬貨を使って,100円也のボールペンを購入する.こうして,やっと100円硬貨5枚を調達する.
■鎌倉検定講習会を受講
80リットルのバッグをロッカーに預けて,リュックだけを背負って,講習会場の鎌倉女子大に向けて歩き始める.私と同じように,講義を受講する人達が,三々五々,同じ方向に歩いている.
私は,講義を聴くにしては,少々不釣り合いな山登り用のリュックを背負ったまま会場に入る.
講義は,午前10時から午後5時まで,1時間の昼休みを挟んで行われる.大きな教室に50~60人の受講生が集まっている.最年少の受講生は中学生,最高齢の方は私よりもさらに上の方のように見受けられる.
つい,2~3年前まで,私は教壇に立つ側の人間だった.改めて受講側に廻ると,実に新鮮な感じがする.まるで,学生時代に逆戻りしたような気分になる.
今日の講義は,鎌倉の社寺,産業,生活,行事など全般にわたる.受講者が講師の話を真剣に聞いているので,会場には張りつめたような空気が漂っている.私は,つい先頃まで勤務していた大学の講義と比較して,
“・・・この雰囲気は,大学の講義とは大分違うな・・・”
と感心することしきりである.もっとも,私が学生時代の大学では,訳の分からない授業でも静粛に拝聴していたものだが・・・
講義は,終了予定の17時までに終えそうもない.今日の集合場所と時間は,羽田空港(以下羽田と略す)に19時30分である.私はどうしても大船17時10分発羽田行のバスに乗りたかった.そこで,講師には大変失礼なことにはなるが,16時50分頃,私は講習会場をそっと抜け出して,大船駅へ向かう.
<関西国際空港へ移動する>
■大船駅からリムジンで
17時頃大船駅に到着する.
すぐにロッカーからバッグを取りだして,京急バスのチケット売場で,羽田までの乗車券,1220円也を購入する.
「・・・16時45分のバスが遅れていれば,間に合うかもしれませんよ・・・」
と係員が言う.
私は,間に合えば勿怪の幸いとばかり,大急ぎでバス乗場へ急ぐ.乗り場では,数名の乗客がバスを待っている.幸いなことに(?),前のバスが遅れている.間に合った!
遅れたバスは,16時57分に,大船駅を出発する.大型バスに乗客は10名足らずで,空き空きである.
バスの窓から眩しい西日が差し込んで眩しい.長時間,緊張して講義を拝聴していたので,随分と疲れている.バスに乗り込んだ途端に,猛烈に眠くなる.どうせ終点まで乗るのだから,寝込んでも構わないなと安心して居眠りをすることにする.
ふと目が覚める.相変わらずバスは快調に走っている.そして,17時50分に羽田空港第1ターミナルに到着する.馬鹿に早く到着してしまった.
■羽田空港
集合時間の19時30分までは,随分と時間がある.
では,搭乗前に,空港内の食堂で夕食を摂ろうかと思いつく.そこで空港内のレストランのショーウインドウを見て回るが,どの店も私の感覚では馬鹿高である.ケチな私は1食に1000円以上も出したくない.どうせ,国際線飛行機の中で食事が出るんだから,中途半端な夕食は摂るのを止めることにする.そこで,3階エスカレーター脇のソファーに座り込んで,20分ほど暇つぶしをする.
18時40分頃,まだ,まだ早いなと思いながら,集合場所の74番窓口付近へ移動する.そして,窓口付近のベンチに座り込む.
ラッシュアワーを過ぎているためか,空港内はガラ~ンとしている.
私が座り込むと直ぐに,1人の女性が私に声を掛けてくる.
「・・・アルパインツアーの方ですか・・・?」
声を掛けてくれた方は,私と同じツアーに参加するSさんである.
「・・・もう一人の男性の方は,もうお見えになっていますよ」
と教えてくれる.
私をこのツアーに誘い込んだ張本人のノシイカさんは,まだ空港に現れていない.
■JAL187便で関空へ
私達は,日本航空の飛行機で,一旦,羽田から関西国際空港(以下関空と略す)に移動し,そこからエミュレーツ航空のドバイ行の飛行機にトランスファーすることになっている.どうせ関空でもう一度顔合わせするのだから,羽田は各自適当に登場することする.
どうした訳か,私はセキュリティチェックの金属探知器で引っかかる.身体の上から下まで徹底的に調べられる.どうやら,チョッキのボタンが金属製だったために,これが引っかかったようである.
液体のチェックも極めて厳しい.機内に持ち込める液体物は100入りリットル以下の容器に収納されているものに限られ,さらに1リットル以下のジッパー付の無色透明なビニール製の袋に纏めて入れておかなければならない.これが実にややこしい.
それは兎も角,私達は20時25分発関空行きJAL便に登場する.私の席は27A.残念ながら窓側である.飛行機のことは良く分からないが.真ん中に通路があって,通路の両側に3列の座席が連なっている.やけに細長い飛行機である.
20時34分,羽田を出発.外は曇っているので見通しは利かない.退屈.
その内に,飛行機が雲の上に出る.上空には下の方が少し掛けた月が煌々と光っている.雲間から地上の灯りが点々と見えている.途中で飲み物のサービスがある.そうこうしている内に,21時37分に関空に到着する.
<液体の機内持ち込みが厳しい>
※旅行社の資料から引用
■関西国際空港に到着
21時42分に飛行機から降りる.すぐに,国際線のチェックインカウンターへ移動する.ここで,関空から乗車する3人,およびツアーリーダーの松本氏と合流する.
今回のツブカル山登頂ツアーに参加するメンバーは男性5人,女性2人,合計7人である.東京から参加は,男性2人,女性2人,計4人.関空から合流は男性3人(内1人は愛知県)である.一見した所,どなたも大変な猛者(もさ)のように見える.例によって,臆病者の私は,随分とコンプレックスを感じる.旅の途中で,自分が足を引っ張るようになったら困るなと心配になってくる.特に大阪のお二人は,如何にも関西人らしい雰囲気が漂っていて,何となく近寄りがたいという第一印象を持つ.
いよいよ,これからエミレーツ航空EK317便でドバイへ向けて旅立つことになる.
****************************
帰国後4日目 2009年6月22日(月) 雨
もう,帰国してから4日目になるのに,まだ時差が取れない.早朝1時頃目が覚めてしまう.我慢して無理に眠るが,3時30分頃,どうにも寝ていられないので起床する.でも,6時頃になると,また眠くなる.30分ぐらいうたた寝をしようかと思って横になる.今度は,8時30分頃まで熟睡してしまう.
暫く,纏まった山登りをしていないので,本当は,今日辺り,塔ノ岳往復をしたかったが,朝から雨模様なので,山行は諦める.湿ったねっとり空気は,砂漠の国から帰ってきたばかりの私には,とても心地よいが,山に登れないので困惑している.
午後から用事があって鎌倉駅方面に出掛ける.最初は雨の中をブラブラと歩いていこうかとも思ったが,雨足がかなり強いので,バスを利用する.
下馬四角付近で用事を済ませてから,鎌倉駅前の大巧寺に立ち寄ってみる.「おんめさま」の愛称で呼ばれる安産祈願で有名な寺である.余談だが,この寺は檀家を持たない珍しい寺である.この寺の境内には,何時も沢山の草花が咲いている.私には,花のことは全く分からないが,沢山の種類のアジサイが咲き乱れている.残念なことに,今日はデジカメを持ち合わせていないので,花の写真を撮ることができないが,それにしても美しいものだと思う.
帰国してから,もう4日も経ってしまった.猛烈な勢いで時は過ぎ去っていく.
明日は,どうやら雨.だから,多分,家にいるだろう.でも,その先,糸の切れた風船のような私は,一体,どこへ流されていくのだろうか・・・?
こんな流されるような毎日を送っていて良いのだろうか・・・?
私は,何だか知らない所から,誰かに運命の糸を操られながら,人形のように主体性もなく,漫然と生きているような気がしてくる.もっとも,一方では,まあいいさ・・・なるようになれでいいじゃないかとも思える.
何だか,たまらないほど,不安になってくる.
こんなあやふやな気分から抜け出すには,塔ノ岳に登るに限る.
早く梅雨が明けないかな~ぁ・・・
湿った空気が良いって言ったばかりの舌の根が乾かない内に,晴を願望している自分に気が付いて,ただ苦笑するだけである.
俺って・・・気儘な人間だな~ぁ・・・!
(つづく)
「モロッコ周遊記」の前回の記事
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「モロッコ周遊記」の次回の記事
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「モロッコ周遊記」の最初の記事
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「モロッコ周遊記」の索引
(編集中)