綿内克幸FSP BLOG

シンガー/ソングライター綿内日記

嬉しいーっす

2009-01-18 14:45:25 | MUSIC SELECTION
 と、どうしてもこう聴こえてしまう、フランツ・フェルディナンドの新譜「Tonight」からの先行シングル「Ulysses」(↓証拠ヴィデオ)。まぁ、そのまんまのスペルなんだけど。きっと苦しみ抜いた末にようやく新作が出来上がって嬉しかったんだろうな(嘘)。
 その新作が良かった。音が派手めだった前作よりも、じわじわくる感じの今回の方が好きだなぁ。やっぱり彼らには表通りで堂々と踊る曲よりも、夜の裏通りで怪しく踊る曲の方が似合う。そんなジャケットだし。

 ここのところ他人の音楽ばっかり紹介しておりますが、色々音楽ビタミンを摂取してそろそろ効いてくる頃(はず)なので、曲作りに励まねば。

「フランツ・フェルディナンド/嬉しいーっす」

ライアン・アダムスのWonderwall

2009-01-15 01:59:29 | MUSIC SELECTION
 週末あたりから寒さが厳しくなり体調が今ひとつだったけれど、ビールを減らして焼酎のお湯割りに変えたらあら不思議、復活。

 思い出したようにライアン・アダムスの名カヴァー(オアシス)「Wonderwall」を聴く。夜の冷たさにぴったりなのだ。彼は去年のアルバムも良かったし、異常多作振りも落ち着き、安定した感じ。米国でライヴが観たい。
Ryan Adams / Wonderwall



David Letterman Show(米国のタモリ)でアイアン・メイデンのTシャツを着てニール・ヤングっぽい新曲「Fix It」を歌うライアン君。右に見える専属バンド「カーディナルス」のギタリストはブクロのディランのバーでライヴもやったニール・カサールさん。

良いねぇ、GLASVEGAS

2009-01-12 00:00:36 | MUSIC SELECTION
 昨年末に出会った、スコットランドはグラスゴーの労働者階級出身の実に良い新人バンドGLASVEGAS(グラスゴー+ラスヴェガス)。久々に気分が上がるこの熱い感じはHARD-FI以来か。DOVESやCOLDPLAYのファーストの凛とした空気もちょいと思い出した。ブクロのHMVじゃ輸入盤、国内盤ともに売り切れでびっくりした。

 かなり良い曲が書けていて良い歌手がいるバンドじゃないと新人ものはあまり聴かなくなっているし、好きなタイプでも粒が小さかったりするとパスしてしまう。しかし彼らにはそうはさせない何か愚直な強いものがあった。
 昔のボノにジョー・ストラマーが憑依して、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン辺りのギターをバックにフィル・スペクター調の甘美な曲を歌う・・・という噂そのまんまの音。単純で素晴らしい(でも歌詞はほろ苦い)。




代表曲「Daddy's Gone」
出て行った英国ダメ父ちゃんへの愛憎半ばの歌詞が切ない。


BBCのジュールス・ホーランドのショーにも出てました。

正月にスミス

2009-01-07 23:47:08 | MUSIC SELECTION
 選曲の良い2枚組アンソロジーが出ていたので何となく購入し、正月は静かにThe Smithsを聴いていた。久々のモリッシーの妖しいヨーデル声が、良い睡眠導入剤になった。

 各種シングル曲の中でも「There Is A Light That Never Goes Out」(数年前にジョニー・マーを従えてニール・フィンもカヴァーしていた)や、Dream Academyの死ぬほど美しいカヴァーが懐かしいB面曲「Please Please Please Let Me Get What I Want」が入っていたので僕としてはほぼ満足。今聴くとさすがに80年代という時代を感じさせる音もけっこうあるけれど、「How Soon Is Now」は別格。いつ聴いてもスリリング。イントロから流れ続ける不穏なトレモロエレキがたまらない。

 ちなみに「Hand In Glove」は彼らが敬愛した歌姫サンディー・ショウのヴァージョン(演奏スミス)の方が断然カッコいい。



「How Soon Is Now」

Under A Blood Red Sky

2009-01-04 11:33:59 | MUSIC SELECTION
 この「Under A Blood Red Sky / U2 Live at Red Rocks」は僕が高3の1983年にヴィデオ化されたU2の初ライヴ作品なのだけれど、その頃我が家にはヴィデオデッキなんてものがなかったので、店頭で流されているのを指をくわえて見ているしかなかった。最近DVD化されたので、25年振りに見入った。米国コロラド州の赤い岩山を背景にしたステージと、白い息、テクニックでは語れない若く熱い演奏が眩しい。寒い時期になると思い出す。

 というわけで明けましておめでとう。ぼちぼち綿内組も始動、今年もどうぞよろしく。


U2 / Gloria

ソウル・オブ・ロックンロール~ロイ・オービソンの生涯

2008-12-16 00:31:50 | MUSIC SELECTION
「ロイのバラードは、暗闇の中で独りぼっちでいる時にぴったりだった。
ちょっと怖くて、この世のものとは思えない感じだった」
-ブルース・スプリングスティーン

「僕にとって彼の歌声は、まるで風が言葉になって、時を越えて人の心にとどくようなもの」-トム・ウェイツ

 僕にとってのロックンロールクラシックは、エルヴィスよりもナイーヴで、ミステリアスで(デビッド・リンチが映画に使ったのもよく分かる)、朗々とした美しい歌声を持つロイ・オービソンだ。
 このボックスセットは、ロイの遺族が発掘~提供してくれた古い音源や、みんなも知ってる「プリティ・ウーマン」等のヒット曲の数々、ジェフ・リンとのコラボ、U2の書き下ろしを歌った晩年の作品まで、レコード会社を越えて集められた、ロイの全キャリアを総括した珠玉の4枚組。一万円もするが、これは全世界の人におススメしたい家宝級。

 ちなみに、日本盤ジャケットに貼られている冒頭のスプリングスティーンとトム・ウェイツの和訳コメント、私が訳しました。

Kings Of Leon

2008-12-09 03:29:12 | MUSIC SELECTION
 ♪Kings Of Leon / Only By The Night

 最近はこれをよく聴いている。ストロークスとかのガレージパンクリバイバルのバンドの流れで米国南部出身のこのバンドを知った時は、二十歳そこそことは思えないルックスや物腰、そしてガラガラ声がやたら印象的だった。
 久し振りに聴いたこの新作は、一皮も二皮もむけむけの発展的な作品でびっくり。メロディも分かり易く、レディオヘッドみたいなメランコリックさも漂っている。シングルの「Use Somebody」なんて前座をやったせいかU2的ですらあるけれど、歌っているのが青白い英国青年じゃなくて、米国南部のガラガラ声とそのバンドっていうところがちょいミスマッチで何だかやたら後を引く(→結果的にちょいブルース・スプリングスティーンになっているのが面白い)。英国でも大人気っていうのも頷ける。

Duffy

2008-09-30 00:40:19 | MUSIC SELECTION
 遅ればせながら聴いてみた。米国でもバカ売れのDuffy「Rockferry」。スエードのバーナード・バトラーがプロデュース~英国のR&B系天才少女歌手~ダスティ・スプリングフィールドの再来・・・気にならないわけない謳い文句。

 実に心地良かった。エイミー・ワインハウス系の「Mercy」も良いけど、全体的には彼女よりも思いっきり60年代英国ガールポップ風でもろストライクだった。1曲目なんてジェリー&ペースメイカーズの「フェリー・クロス・ザ・マージー」みたいなマージービートものですよ。声はダスティみたいに濡れたセクシーヴォイスではなくて、ルルやシラ・ブラックみたいなパンチ系だった。バーナード・バトラー、楽しんで曲作ったか、よく研究したのか、ニクイ作りです。

 明日は長野TOUR用のリハがある。道中ずっと聴いていよう。

神々しい声~the verve / FORTH

2008-09-04 01:16:04 | MUSIC SELECTION
 サマーソニックでの奇跡の初来日を観れなかった分、名作「Urban Hymns」以来11年振りの奇跡のthe verve新作「FORTH」(DVD付き)を聴ききながらウップン晴らし。

 1曲目からもう不穏且つ激情の塊り。初期のダークなサイケに、スキルアップしたリチャード・アシュクロフト(写真)が紡ぐメロディ(3コードのループでこれだけきっちりとした曲を作れる人もそうはいない)がこれでもかと絡みつく、実に生易しくない、濃厚なアルバム。
 リチャードの歌声の何とセクシーで神々しいこと!当時より貫禄がついていて、尚且つサウンドがソロではなくて「verve」なもんだから、この世のものとは思えない高みに達する瞬間もある。それだけでも聴く価値がある。やけにロックで、やけにメロディが良くて、やけに良い歌声。美しい三原則。

 喉ぼとけのでかさだけは負けていないので、俺も頑張ろうという気になった。

Viva La Vida

2008-06-10 19:06:13 | MUSIC SELECTION
 発売日の前日の午後に店に買いに行って、ワクワクしながら新譜を聴くのっていくつになっても良いよね。
 Coldplayの新譜「Viva La Vida or Death And All His Friends」。良い楽曲を詰め込むだけ詰め込んだ感じの前作より、イーノ先生指導の下、アルバムとして硬質で美しい、長く聴ける一枚に仕上げていると思う。米国でituneのCMにもなっているシングル「Viva La Vida」は高揚感があって素晴らしく、ほんの数分間の楽曲に心が救われる。誠実に音楽を作っているし、クリス・マーティンの歌にはハートがある。最近、洋楽CDの訳詞を手掛けることが多いので、日本盤の歌詞対訳にはつい厳しい視線を向けてしまうが、そんなことは忘れて没頭したい。
 
 そして、ぼちぼち自分の音楽にも取り掛かろう。