綿内克幸FSP BLOG

シンガー/ソングライター綿内日記

2005-06-21 21:08:18 | COLUMN
 音楽に目覚め、バンドを始めた中学生の頃、いっちょまえに「ヴォーカル」であった僕は自分の声が嫌いだった。なにせ、世良公則~ロッド・ステュワートばりのハスキーな声に憧れていたんだから。しわがれ声で「トゥンナイ~トゥナイ~今夜こそオマエを落としてみせる♪」とか、「I love you, honey~♪」とか決めセリフをシャウトしたかったのだ。

 残念ながら僕の声はまったくしわがれておらず、何度、押入れの布団に顔を埋めて叫んで声をつぶして一瞬の喜びに浸ったことか・・・けれど翌朝にはすっきり元に戻ってしまった。「ええ声~」。
 ハスキーじゃないとロックじゃないような気がして、本気でミュージシャンになるつもりの僕にはけっこうなコンプレックスだった。

 それが徐々に解消されていったのは高校時代、バンドの趣味がストーンズ、キンクス等のコピーから徐々に80年代ニュー・ウェーヴに移行していった頃か。暗めの英国ニュー・ウェーヴ、その元祖のようなデヴィッド・ボウイ・・・みんなしわがれ声じゃないではないか。エコー&ザ・バニーメンのイアン・マッカロクの真似ならちょっと出来るぞ、アズテック・カメラのロディ・フレームなんて近所の気のいいお兄さん声だぞ、これなら俺もいけるかも!と、なんだか自信が芽生えた。
 同時に憧れ始めたソウル・ミュージックの世界。ここも「しわがれ声登竜門」みたいな感じだったけれど、色々聴けばスイートな歌唱スタイルの人もたくさんいることを知った。叫べなくても囁くことは出来る。

 そしてかれこれ20年が過ぎ、幸いなことに、コンプレックスを持っていたこの声、さほど特徴的だとは思わないこの声に、自分が思っていた以上に魅力を感じてくれる人々に、支えられてきた(ベース中野トオル曰く「不幸な感じの声」)。だけど未だに自分の声のすべては把握しきれていない(webb相方小池雄治に指摘される)。僕がもし、ガラッガラのハスキーヴォイスだったら今みたいな音楽はやってなかったかもしれない。AC/DC風綿内とかどうすか?

綿内君ニューアルバム出さないの?

2005-06-21 00:16:41 | COLUMN
 などと言われ続け、何年が過ぎたことでしょう。応援してくれるみんなも、最早「出せ出せ」とせっつくことを止め(諦め)、母のような目で見守ってくれている・・気がする。写真のアルバムに続く5枚目のアルバムを・・・スコーンと出せるものなら出したい。特に、良い曲が書き上がって、ライヴでも喜んでもらったりすると、自分でももどかしくてしょうがない。
 
 今再び「オリジナル作品」で勝負!・・なんていう当たり前の行為に、今の世の中は相当厳しいはずだし、甘くはないだろう。だが悶々としていても始まらないので、やるべきことの100%、いや120%をやっているのか?と自問自答しつつ・・ベランダで一服。今夜はおぼろ月夜だ。


B.G.M.  Gang Of Four / Entertainment!