
リチャード・ボナがまたブルーノート東京でライブをする、というので観に行った。
今度は キューバ出身のピアニスト アルフレッド・ロドリゲス のトリオにボナがゲスト出演。
ごめんなさい、ロドリゲスはノーチェックでした。完全にボナ狙い。
ロドリゲス達がステージに現れたけど、ボナは来ない。ちょっとガッカリしたが、
演奏が始まったら、このトリオはすごいぞ、と気持ちを改めた。
キューバとピアノ といって思い起こすなら、ゴンザロ・ルバルカバ 。
ごんごん鳴る男性的なピアノが印象的だ。
ロドリゲスはその系譜なんだと思った。
キューバならではのリズムが聴衆をどんどん乗せていく。
熱いね!
かと思うと、しっとりした曲は1小節をすごく長く引き伸ばす。
でも間延びしないのは、緊張感のある細かいリズムを皆が小さく刻んでいるから。
ブルーノート東京のこのステージのレポート → ★
濃い顔で横分けのマイケル・オリヴィエラのドラムのセットは
シンバルとかタムとかが少なくてシンプルだったが、
非常に的確で、ひとつ鳴らすだけでもう出したいビートが湧いてくる。
すっきりとして濁らない音が気持ちよい。
ロドリゲスと同じキューバ出身ということもあるのか、ノリがぴったりだ。
ベースのターバン巻きのムニール・ホッスンは愉快な男で、ピアノとドラムスを繋ぐ。
曲が盛り上がるように流れるように、気配り抜かりない。
ピアノトリオはたった3人だけど、音が広い。 と感慨に耽るも、さてボナは?
ボナ登場。
トリオのメンバーは最大級のリスペクトをこめていた。
ホッスンもノリがよく出てよいベースなんだが、ボナが弾くと歴然と差が出てしまう。
残酷だな。
ボナがベースを弾くので、ホッスンはスタンドにとめてあるギターを弾く。
スタンドのギターって初めて見た。
安定のボナです。 あっという間にボナワールドだ。
画素数の桁が違う、っていうんですか、表現力の細やかさが段違いだ。
神憑った演奏をする人はいるけれど、ボナは暖かくて洒落っ気があって、
聴いていて消耗することがない。 彼のような心持ちで過ごしてみたい。
ボナの持っているリズムとロドリゲス達の持っているリズムが少しだけ異なっていた気がする。
ボナの持ち歌は安定していたが、ロドリゲス達の曲はちょっと
お客さんみたいなところがあったと思う。
そういう意味ではちょっと残念なステージだったかな。
ピアノトリオの結束は強かった。
ボナも昨年マンデカン・クバーノとコラボしたアルバムも出したところだ。 → ★
このバンドはトランペットとトロンボーンも加わった賑やかなセット。
ということは、ボナはこのライブのまえからキューバ音楽としばらく一緒にやっていたわけで、
やはりアルバムを共に作った仲の方が距離が近いのだろう。
昨夏にそのメンバーで来日ライブが来ていたのを見逃したのが悔しいな。
ライブの始まるまえのステージ。
ピアノの手前のボナのベースとスタンドにとめられているギター。
ドラムスは向かって右側に切れている。 ドラムスも撮っておけばよかった。

ライブに向かっていたとき、ブルーノートのまえで煙草を吸っていたボナに遭遇した!
けっこう背が高い。
大ファンですっ、って言って、握手してもらったよ。
温かくて柔らかい手だった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます