
ロイ・エアーズはレジェンドである。1940年生まれのジャズビブラフォン奏者なのだが狭いジャンルにとどまらず歌ったりプロデュースしたりコンテンポラリーな活躍をした。
なんではあるが、実はわたしが知ったのはそんなにまえではない。恥ずかしいが、世の中広いんでいちいち恥ずかしがっていては己の知見が広まらない。もう堂々と無知を晒し更新したことを挙げていった方が合理的である。
で、いつ知ったのか、というと5年まえ、ベーシストのリチャード・ボナ関連である。リチャード・ボナが参加したウードのジョセフ・タワドロスのアルバムにロイも参加していたのだ。そのアルバム『Chameleons of The White Shadow』は凄腕のミュージシャンたちがジャンルを凌駕する非常に興味深いものでこのブログにもアップしたことがあるのだが、★、そのアルバムの宣伝動画にスタジオでの様子がふんだんにアップされていて、そこでロイがお茶目に振る舞い尊敬されているのが見て取れるのだ。
次に出会ったのはトランペット黒田卓也のアルバム『Rising Son』に入っているロイの名曲「Everybody Loves The Sunshine」。これはホセ・ジェイムズが歌っていた。
夫が手に入れたエリカ・バドゥのCD『Live』には「Serching」が入っていたし。
ロイの大人っぽい音がネオソウルとすごくマッチするのだろうな。発表後何年も経っても愛される曲をロイは持っている。
さあどんなライブになるのだろう!?

ロイの最近の動画ではタイニーデスクコンサートという良質の小規模なライブをどんどん配信するシリーズで2018年3月のものがある。そこではロイはエレキバイブを使っている。今回もきっとそうなのだろう、と思い、いつものがぶり寄りでPAを通さない生の音や息遣いを見ようというのではなく、PAのバランスの良い一番後ろの中央レジ前に座った。ハイスツールで足載せが遠かったが、視界は上々。
さてライブである。ロイのほかはドラム・ベース・キーボードの若々しいトリオである。タイニーデスクコンサートと同じ面子である。最初その3人だけが登場し1曲演奏したところでロイがやってきた。ベーシストが口上を述べ盛り上げる。 レジェンド、ロ~イ・エア~~~ズ! こういう口上って動画では見たことがあるけれど、本物は初めてで面白かった。ロイは年齢を隠せない足取りで、ブルーノート東京のスタッフもトリオのメンバーもたいそうな気の遣いようである。
ロイのバイブの演奏はリズムがしっかりバンドと合っているのかそうでないのかちょっと判らないともいえるしフェイクさせているだけだと言われれば納得できるかもしれないし、という名人芸。歌もハスキー。ひとしきり演奏したらドラムの横の椅子に座り、キーボードのソロが始まる。マレットでドラムセットのシンバルをこっちから叩いたり楽しそうである。そのあとたいていベース、ドラムスの順でソロが回る。曲も4コード4小節の繰り返しで、普通はそれじゃ退屈になる構成なんだが、彼らの力量は大したもんであった。いやあトリオは上手いねえ。色々なパターンを駆使し、キメもばっちり。キーボードが歌心があってよい。どの曲にも長いソロが回されるけれど、聴かせる。そして3人はロイに最大限の注意を払い盛り立て彼の意向に従う。大したもんです。
曲が終わると4人集まって何か話す。曲順は決まってないのだろうか?なんかそれも皆ロイの芸の内という感じで許せてしまう。
「Everybody Loves The Sunshine」も演奏してくれた。「Serching」がなかったのはちょっと残念。ミーハーな客だな。

夫がたいそう忙しいスケジュールの中 無理やり出てきたので、今回は日帰り。ライブのまえにどこか寄るということもなし。ライブ後夕食を摂ってお山に直行ですよ。それで帰りも車を運転しなければならず二人ともソフトドリンク。
向かって左がわたしの頼んだフルーツ・インプロヴィゼーション。ラズベリーの粒が印象的だった。右は夫の頼んだアーモンドピニャコラーダ。
そうそう、ライブはブルーノート東京であったのだ。いつものようにライブリポートがHPにあるのでリンクを貼る。★

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