★ 👈 グレッチェン・パーラト カルテットライブ ブルーノート東京HP
グレッチェン・パーラト はジャズヴォーカリストだ。決して声を張り上げず、コンテンポラリーなアレンジで 仄かなブラジルの影響が心地よい。
コロナ禍の2021年に『フロール』というアルバムが出たのだが、その中の先出しされた曲、'Wonderful' が、コロナで閉じ込められ先行きも見えず疲弊した心に沁みた。
アルバムはガチャガチャしないミニマムな大人の音作りが今風だが、どの曲もそれぞれに作曲やアレンジや音に工夫やひねりがあって全く飽きさせない。その中の1曲、バッハ無伴奏チェロ組曲 第1番ト長調BWV1007 メヌエットI/II はグレッチェンのスキャットと楽器での演奏で、爽やかだけどどこかしんみりとした風みたいで、レパートリーとしては異色な筈なのにアルバムにしっくりはまっている。
先出しの期待を裏切らない優れたアルバムです。
まあそういうわけで、いつか機会があるなら、グレッチェンのライブをぜひ観たい と思っていたのだ。
👇 アップ。サインが見える。
下段は左から、デヴィッド・クック(ピアノ)、アラン・ハンプトン(ベース)、マーク・ジュリアナ(ドラムス)。
ステージに彼らが現れる。グレッチェンは最後。男3人は日本人基準だと大柄で だいたい同じくらいの背格好だが、グレッチェンはぐっと小柄だ。160cmないかも。ネットで見る写真からではぜんぜん思いも寄らなかった。
グレッチェンがステージのセンターのマイクのまえに立つと曲が始まる。マイクが高いのかしら?と一瞬思うも、どうも顎を上げるのが彼女のスタイルのようだ。ブルーノート東京の入り口のポスターの写真でも顎を上げてるしね。
1曲目が終わって何か喋るかと思いきやすぐ次の曲。その後もすぐ曲。喋らない。
もしかしてグレッチェンはシャイなのかしら !?
とか思ったが、何曲かのあと 話し始めたらそんな感じでもなかった。持ち時間にたっぷり演奏してくれる良心的なタイプだったのかも !? 演出、なんですかね?
グレッチェンの夫が含まれるバックのピアノトリオは安心感バッチリだった。流石、ブルーノート東京に来るミュージシャンはレベルは高いよ。
ベースのアラン・ハンプトンがアコースティックギターに持ち替えてまえに出てきてグレッチェンの横に座る。'STILL' を歌いだした。もちろん途中からグレッチェンも歌う。
アランはベーシストなだけではなくソングライターの才もある。
いくらグレッチェンやバンドが上手くても、やはり続けば慣れて飽きが来なくもない。そういうタイミングで違う声や楽器を入れてくるのがステージ作りとして上手い。
グレッチェンはジャズヴォーカリストというカテゴリだけじゃなくて、そこにコンテンポラリーとかブラジルとかボディパーカッションというキーワードもある。
ボディパーカッションといっても派手に胸を叩いたりはせず、控えめに顔の横で両手を軽くはたき合わしたり 軽く舌打ちしたりするものだ。'MAGNUS'
最後に特別ゲストでグレッチェンの息子がステージに上った。キャップをかぶった長髪の坊やだ。9歳くらいかなあ? 名前は聞いたが忘れてしまった。ちなみにドラマーのマーク・ジュリアナがお父さんです。ささっとドラムから離れ、マイクの高さを合わせてあげていた。
上述の 'MAGNUS' という曲だ(リンク先はちがうよ)。
明るくて歌いやすい曲で、他愛もない歌詞で、どうやら グレッチェンの友人のアシュリィ・トンプソンとその2人の息子らについての曲 なんだが、やはりグレッチェン、ひねりがある。6拍子と7拍子が交互に繰り返される変拍子の曲なんである。
リリース音源でアシュリィの息子たちの歌っていた箇所を、グレッチェンの息子が
Ah wee, ah wow, ah wah, ah wah yahwee
と歌って、会場は大盛り上がりだった。
👇 シチリア産ブラッドオレンジジュースと apPEARently, olive you というカクテル。
「カルヴァドスの芳醇な味わいに洋梨の優しい果実味と金木犀のハーブティーの香りを合わせ、爽やかなシードル で仕上げました。柿のピューレが混ざり合う事で様々な印象へ変化する一杯(Bartender:Hodaka Maeda) 」、だそうだ。
カルヴァドスってリンゴのブランデーだったっけ。秋を果物メインに堪能するカクテルなんだな。
普段は客を入れない2階席にも入っていた。そこに客がいるのをみたのは パンチ・ブラザーズ 以来かも。グレッチェン、流石。
この写真👇には2階席は写っていないんだけど、写真の外側、左上の方にカウンター上の卓上ライトが光って客のシルエットがぼうっと見えていた。2階席からの眺めはどうなんでしょう?
今回はペアシートセンターの席を取った。👆そこから見えるステージ。うーん、ちょっと低いな。ドラムスの構成とかよく見えなかった。
あまり左右に外れず、もっと後ろ、もしくはもっと前の方がよかったなあ
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