退院して半月が経った。
退院時に痛み止めの飲み薬を処方されていたせいか、傷口が痛むということはなかった。それよりも入院8日目ごろからずっと痛む 左のあばら骨と腹の境 の方が気になる。なんでそこなんだろう?とずっと不思議だったが、もしかして横隔膜なんじゃなかろうか?と思い至った。
それで調べてみた。横隔膜は肋骨、胸骨、腰椎にくっついた膜で胸腔の下部にあり、肝臓や胃などのほかの臓器を仕切っていて、筋肉なんである。筋肉というのは力が入ると縮む。横隔膜は上方にドーム状にくぼんでいるのだが、横隔膜に力が入って縮むと膜はへりに近寄ってくぼみが減り、胸腔の体積が増えるんである。胸腔の体積が増えると胸腔の圧力が下がって空気が鼻や口から肺に入ってくる、という仕組みだ。
わたしは手術で左肺上葉を取り除いたので左の胸腔の体積が減った。レントゲン写真を見ても手術前は左右の肺の下側のラインにさほど差はなかったけれど、手術後は明らかに左の方がラインが上がった。それは、左の横隔膜がより上に引っぱられるようになった、ということではなかろうか。
なにしろ手術後は息の吸える量が少なかった。リハビリで吸わされたレスピフローは最初たったの500mlだったし、あくびの 吸っているプロセスが中途で止まってしまっていた。思いっ切り息を吸い込めなかった。風邪をひいて気管支がひゅうひゅういっているような息苦しさというのもあった。血中酸素飽和濃度は十分だったから、仕方がないのかな、とか思ったりした。
というわけで退院後も息を吸うリハビリは続く。でもレスピフローって面白くないんですよ。それよりもわたしはトロンボーン。学生の時分ビッグバンドで吹いていたんである。構えるともう条件反射で息を吸うので、こちらのほうがわたしには向いている。体力が落ちたので長時間は吹けないけどね。
左のあばら骨と腹の境の痛さのほかに、そこの周囲がつっぱった感じで直接触れると軽くマヒしたような感じがまだ残っている。腹のしわもなんか歪んだかな。気がつくと肩がまえに上にいってしまって、凝るし呼吸も浅くなる。胸を開こうとすると胸だけでなく両脇のあばらもつっぱった感じになる。無意識に横隔膜や胸の突っ張りを減らそうとして胸腔を狭めているのだと思う。でも、それがよろしくない。こういうのは毎日少しずつ伸ばしてゆくしかないのだろうな。
トロンボーンのほかには、ウォーキングとかいにしえの Wii Fit Plus で軽い筋トレとか寝不足にならないようにしようとか、気をつけている。
何か胸やら肩やら腹が気に入らない感じではあるのだが、それでも入院中や退院直後に比べたらずいぶん良くなってきたと思う。気を長く持ってケアしてゆくしかないと思う。
手術の傷がさほど痛まなかったとはいっても、やはり左を下にして横たわるのは痛くて無理だった。そろそろ痛くはなくなってきたのだが、左を下にするととても息を吸いにくくなるのでやはり無理なんである。これを横隔膜で説明できるのか?うーん、よく分からない。なんでだろう?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます