≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

鉄道博物館へ行った。その3

2016-10-21 11:58:48 | 展覧会に行った話
鉄道博物館へ行った。その2 よりつづく



真打ち登場。 御料車 (ごりょうしゃ) である。 煌びやかな鳳凰にはさまれた菊の御紋である。
マイテ39形式も豪華だったが、皇室専用ともなるとその上をゆく。
鉄道博物館の中でも特別な扱いで、三面が広いガラスで封じられた部屋に鎮座ましましている。

見たい内装調度は車の中なので、ガラス壁に隔たれた車の窓からうかがうしかない。
ガラス2枚に阻まれて、もどかしいことこのうえない。

これは7号御料車。
御紋の下に暗くしか写っていないが、この部屋は御座所というらしい。
向こうの壁に掛かっている、
たなびく雲の下、浪の上に飛ぶ千鳥の群れの綴れ織りは川島織物製である。


ガラスの向こうの説明パネル。



見取り図によれば、御剣爾奉安室である。
この棚に神剣や神璽を安置するのだろうか?



その棚のアップ。
漆塗りで、縁金工の細工の緻密なこと。 やり過ぎず、品がよい。



この部屋を下から見上げると、こんな天井。




これはたぶん女官室の天井。
写真を撮ってから時間が経ってからまとめているのであやふやになってしまった。




9号御料車。 夫がどうしても見たかったのがこれ。
島桑の素晴らしい杢板がふんだんに使われている。 ちなみに島桑は最高級で希少な銘木なんである。
ガラス2枚の向こうで、しかも暗くて、その特徴がうまく写っていなくて残念。



縁取りに螺鈿をほどこした島桑の鏡板の両側に鷹の刺繍が配されている。
鷹を入れようとアングルを調整したら、その島桑の鏡板は窓枠で隠れてしまった。
そんな写真をアップしておきながら、わたしが思うに、主役はこの島桑なんである。
漆塗りで木目が見えなくする、というような手法をあえて使わず、一見粗く見えるような木目の見えるデザインで、
縁取りなど細部が豪華でありながら全体としては直線が基調でスッキリと男性的。
鷹とマッチしている。 大正期のセンスがうかがえる。
高度に統一した工芸の粋。


ガラス2枚にはばまれてたいそう欲求不満であった。
帰宅後に調べたら、6年前に 開館三周年特別企画展で御料車 を取り上げていたらしい。
くやしいのでそのときに出たらしいパンフレットをネットで手に入れた。

それがねぇ、思ったより写真が少ない。
よく見えなかった室内をつまびらかに見たいのに!!
夫としては木工にもっとクローズアップしてほしいところだったが、
わたしにはちょっと嬉しい川島織物がたくさん載せてあったりする。

視点は工芸というよりもっと鉄道寄りなんだよね。 当たり前か。
それで、1915年と1916年に7号御料車と9号御料車が一緒に行幸啓された、ということが分かったよ。
大正天皇のご即位で東京と京都を往復されたり伊勢神宮に参拝なさったり、
特別大演習総裁で神戸まで御料車に乗られて行って、それから軍艦に乗り換えられて佐世保に行って、
佐世保まで御料車が迎えに行って東京まで帰られたようだ。



12号御料車。
9号に比べると、ずいぶん洋風だなぁ。



鉄道博物館はリアルな車両等が展示されていて、迫力満点である。
色々な視点で楽しめる内容で、鉄道マニアから子供まで幅広く遊べる。
おすすめです。


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