2021年12月に浜松市楽器博物館に行って 大いに刺激を受けたのだが、1年経ってまた行く機会が出来た。
今回は鍵盤楽器の中でも特に興味のあるものだけに絞って写真を撮ってきた。それでもその10まであります。 ちなみに前回行ったときのチェンバロ等の記事→ ★
このチェンバロ↑↓は、アブラハム & ジョセフ(Ⅰ世)・カークマン Abraham & Joseph(1) Kirckman 1791 ロンドン
★ ←浜松市楽器博物館のHP内の所蔵資料データベース
ペダルがついているのがちょっと変わっているチェンバロだ。
↓チェンバロのジャック。 わたしが勝手に博物館のチェンバロのジャックを抜いたわけではない。
浜松市楽器博物館は 毎日 ギャラリートーク という時間が3、4回設けられていて、学芸員が博物館にある色々な楽器を実際に演奏して説明してくれるのである。すごく気軽な感じで わたしが見た限りでは客もほんの数人で質問もしやすい。今回はチェンバロとクラヴィコードとクリストフォリピアノの回を観ることが出来た。それについては その3、その4 でアップする。
それでこのチェンバロのギャラリートークのときにジャックを抜いて説明してくれたのだ。
ジャックの載っている細長い板はジャックレールといって、普段はジャックが上に跳び出さないように被さっている蓋のようなものだ。
今回の見学はどうやらジャックレールあたりによく目が行ったようで その4、その5 で言及するので、覚えていただけると多少は読みやすいかもしれない。
↓アップ。 ヒストリカル楽器(というか本物)だもの、ジャックは木製だね。ダンパーがクレプトラムの両側についている。プレクトラムも鳥の羽軸だ。
プレクトラムのついた小さな木片(タング)を後ろから押さえているのはイノシシの剛毛だそうだ、写っていないけれど。 ジャックの木材はナシ。
身の回りの自然から 必要な性質の物を選択したんだなあ。
ということで、いろいろな素材の展示↓
ジャックは3列で、弦のブリッジが2列ある。一つのキーに対して8フィートが2本に4フィートが1本だと思う。中のブリッジで留まる弦が1オクターブ高い4フィート。
8フィートが2本あるのは、プレクトラムが弦をはじく位置がチューニングピンに近いのと少し離れているものの音色の違いを使い分けるためなんだそうだ。
蓋に 折り曲げることの出来る蝶番が何ヶ所もある。そしてなんだか金属の棒があるのだが、何なのだろう?
チェンバロのペダルのキャプション。ピンボケですみません。右のチェンバロだな。
右ペダルを操作することでこのチェンバロの蓋の一部を開閉させて 音量を調整することが出来るらしい。スウェルという名前のこの機能はパイプオルガンと同じ発想だ。蓋の裏の金属の棒もその機能のためだと思う。
蓋を閉めたときに嵌める金具なのだろうか?うーん、所蔵資料データベースの写真だとこちら側の側面の後方にはあと二つ下がっている。
響板のローズ。
鍵盤アップ。鍵盤の上のネームボードには何と書かれているのだろう? それにしてもすごい縮みの杢の出た板だ。
4つ上の写真、チェンバロのペダルについてのキャプションに挙げられている 左側のチェンバロ。
ジェイコブ・カークマン Jacob Kirckman 1750 ロンドン ★ とある。
上記のチェンバロと同じ工房製だが こちらの方が古いな。2段鍵盤で上下で色が違う。
左ペダルがバフで右ペダルがカプラー。パフは普通は鍵盤の奥で立ち上がっているネームプレートの脇にスイッチがついているけれど、ペダルなら演奏中に鍵盤から手を離さずに操作できる。
そして、上の1791年のチェンバロと同様、外側にS字型の金具が垂れている。
浜松市楽器博物館へまた行った。その2(チェンバロその2) へつづく
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