≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

計見一雄『 統合失調症あるいは精神分裂症 精神医学の虚実 』

2018-11-14 14:05:45 | 本 (ネタバレ嫌い)


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ブックオフでなぜだか紺背の講談社学術文庫でカタい題名のこの本を手に取ったのだが、表紙のサブタイトルに「精神医学の虚実」とあって、おっ、いけるかも、と出だしを読んでみたんである。

3p.
「はじめに-精神病はただの病気である」

虚実でいうなら 実 を語っているんだな。ほうほう、と思い、次は本文を見てみる。

12p.
「第一回講義 決まり文句を疑う
ジャーゴン
まずは精神医学的な業界用語、隠語ですね。ジャーゴンの話から入ろうと思います。」
ぶっちゃけた感じが期待させる。
というか、「はじめに」の最後部分に
6p.
「本稿は2003年5月から2004年3月まで、千葉県精神科医療センターでおこなった10回の連続講義をまとめたものです。」とあり、
6p.
「喋ったものを原稿に書き直したので、多少ラフな印象を与えるかもしれません。感じが悪いところは、筆者の柄の悪さが出たものとお考え下さい。」
とあるのを読んだのは買ってからで、納得したんだけれど。

で、何をそんなにぶっちゃけちゃってるかというと、偉い先生が「~である。」っていっているけど違うよね!?ってことなんである。とりあえず本書の入り口は。
しかし先人批判だけで1冊うめられては最後まで読みきれない。色々な話が出てきます。


個人的にぐっときたのが
190p.
「あんたを見ていると、まっすぐ行って帰ってくればいいものを、あっちとかこっちとか気を取られる。変なところに気を取られて、自分が今何をしているのか忘れてしまう。それはやめなさい」
という一説。煙草を吸いにいこうとするのに頓挫して他の患者をヘッドロックしてしまう患者の例なんだけど。嘘をつかないピノキオのわたしには刺さるね。
あと、
214~215p.
「憑かれてるから疲れない」
の段もぐっときた。


ただの病気、といわれてもパッと見で色が違う、とかいうのではないし難しいのは難しいのだ。ネタバレしようにもうまく説明できないくらい理解していないなので、そういう意味では幸いだ。

分からないなりに色々な話が面白かったが、読み終えて思ったのが、とりあえず拙速に人に対応しない方がよいかも、ということだな。先だって観た映画『判決、ふたつの希望』を見ときに思ったのが、声を荒らげたり相手を挑発するような物言いは厳に慎むべきだ、ということだったが、それにも通ずるかな。



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