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野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

春の三窪高原を歩く

2018-05-26 06:41:52 | ハイキング

 

 乙女高原からは帰路、三窪高原に寄った。ここはレンゲツツジと富士山の

眺望で有名なところ。通年は6月に入ってからがレンゲツツジの見頃となるのだが、

今年は季節の進みが早いので、もしかしたらと思って寄ってみた。

 柳沢峠の駐車場に車を止めた。ここからの富士の眺望も素晴らしい。

左わきを飛んでいるのはノスリのようだ。

 

 柳沢峠からはゆっくりと針葉樹と広葉樹の混交林を登っていく。

 

 この地の標高は1500mを越えるので季節はまだ早春といったところ。

スミレもまだまだたくさん見られる。 左上からニョイスミレ、サクラスミレ、

アカネスミレ、タチツボスミレといったところか

 

 ミツバツチグリ、オウギカズラ、ニシキゴロモ、コミヤカタバミ。もっとも中の二つは

ちょいと見分けがつかず怪しい。

 

 

 ズミの木が満開だった。

 

 

ヤマツツジとズミの木の競演

 

 空はすっきりと晴れ、爽やかな五月そのものの天気だ

 

 ハンゼの頭まで登ってきた。

 

 遠くに富士山が端整な姿を見せてくれた。

 

 手前に咲いているのはミツバツツジ。雪解け一番に咲き始める

ツツジの花だ。

 

 

 

  さらに遠くには南アルプスが望める。

 

 

  先ほどから鳴き声を耳にしていたニホンジカの親子が姿を見せた。

 

 

 澄みきった五月の青空は背景にしたミツバツツジが何とも鮮やかだ。

 

 シカが多いので高山植物が食べつくされてしまった。展望台付近は植生回復のため

金網や鉄柵で覆われているところが多い。

 

 

 

 嬉しいことに日当たりのよいところではレンゲツツジも咲き出していた。  

 

 北西の方向に見えるのは奥秩父の峰々。金峰山と五丈石(ほんの少し出っ張った部分)が見える。

 

 いくつかの小湿地帯を抜けて板橋峠まで来た。峠付近は以前来た時とは

様変わりになっていて太陽光パネルが敷き詰められていた。

 

 この先は稜線伝いに幾つかの峠を越えて、多摩川の水源となっている笠取山にまで

続いていく笠取林道となっている。。

 

 板橋峠からは林道に沿って迂回しながら引き返す。

ウワミズザクラが見ごろを迎えていた。

 

とても桜とは思えない、細長い穂状の花を咲かす。

 

 林道の脇にはたくさんの種類の紅葉の花が咲いていた。

 

 

 

 林道脇に咲く花たち。オオカメノキ、ワチガイソウ、ミヤマザクラ、シロバナヘビイチゴ。

 

これはツリバナの木の花

 

 ヤマツツジも旬を迎えて彩りを添えていた。

 

 ここ数年は鳥を目当てに峠からは南方面の大菩薩、鶏冠山方面を歩くことが

多かった。久しぶりに訪ねた三窪高原は人も少なく、富士と花の景観を

心静かに楽しむことが出来た。

 この辺で。

 

 

 

 


5月下旬ー乙女高原の春

2018-05-22 21:11:59 | ハイキング

 

  ヒナスミレ

 

久しぶりに山梨県北部にある乙女高原を訪ねた。以前は小楢山登山を兼ねて

毎年のように出かけていたのだが、遠いこともあって最近は御無沙汰だった。

今回は5年ぶり、レンゲツツジを期待して訪ねたのだが……。

  乙女高原についてはこのサイトが詳しい。

 標高が1700mもあるので季節は2か月近くも遡ってしまう。

 

 駐車場に車を止めて、近くの湿地を散策。

バイケイソウ

 

 まだ早いかと思っていたがクリンソウにも出会えた。

 

 未開花の株も多いが日当たりのよいところではもう

咲き始めている。 クリンソウは日本原産のサクラソウ科の多年草。

園芸種の花かと見まがうほど、大きく美しいので随分と人気がある。

咲くのは渓流沿いの湿地帯で大きさは30cmから90cmほどにもなる。

 

 

 里ではとっくに姿を消したニリンソウがまだ咲いていた。

 

 ニョイスミレ

 

 久しぶりに来たら高原全体がシカの食害を防ぐための鉄柵で覆われていた。

ここ10年ほどで奥多摩や奥秩父の山にはこういう柵がずいぶんと増えてしまった。

 

 藁の敷き詰められた散策路を登っていく。まだ高原全体には枯草が多い。

 

 枯草の中からフデリンドウが顔を覗かせていた。

 

 同じく早春に顔を見せるシロバナエンレイソウ

 

 こちらはシロバナノヘビイチゴ

 

 現在休館中の乙女高原グリーンロッジ。

 

 満開の八重桜

 

 明るい日差しの斜面を登っていく、爽やかな風が心地良い。

 

 芽を出したばかりのゼンマイが不思議なことに円形に並んでいる。

一体どういうわけなんだろう。

 

 春の暖かな日差しを吸い込んだミツバツチグリの花が所々に咲いている。

 

 マイヅルソウも早くも咲き出していた。

 

 日本に咲くスミレの中では最も大きい花を咲かせるサクラスミレを発見。

 

 別名に「スミレの女王」の名もつけられている。

 分布は北海道から九州の鹿児島までと広い。明るい落葉樹林帯や草原を好む。

 

 桜の名は付けられているが花色は桜とはずいぶん異なる。

スミレにしては大きく、華やかさが感じられることからつけられたのだろうか。

 

 蕗の傘の下にサクラスミレが

 

 こちらはサクラスミレが「スミレの女王」と言われるのに対して

「スミレのプリンセス」と言われるヒナスミレ

 

 周囲を見回すと木々の芽生えたばかりの新緑が眩しい。

 

 遥か下にはグリーンロッジ

 

斜面を登りつめた所にズミの木があった。数えきれないほどたくさんの

花をつけている。

 

 リンゴの野生種であるズミには別名が多い。いわく

ヒメカイドウ、ミツバカイドウ、ミヤマカイドウ、コリンゴ、コナシ等々。

 秋には黄色い実をつけるが食べると酸っぱい、これから酢実となったという説もあるという。

 

 期待していたレンゲツツジだがほとんどは蕾だった。何とか道路わきの陽射しの

良いところで数株開花しているのを見つけた。

 

 

 斜面の上から見たグリーンロッジ

 

 上まで登ったご褒美はやはりこれだ。

 

 6月に入って梅雨の頃、此処では待ちかねたかのようにたくさんの花が咲き始める。

高原は緑に覆われ、花々の香りが溢れ、レンゲツツジが朱色の花を咲かせるのだろう。

 

 これから先もう一度訪れる時が、この身に巡って来るのだろうか。

 

 おまけは焼山峠の子授地蔵。この脇を登っていくと小楢山へと続く。

 

 今日はこの辺で。

 

 

 


奥武蔵の峠に咲くシロヤシオ

2018-05-10 20:50:26 | ハイキング

 5月の上旬は野遊びに一番いい季節だ。人知れぬ野山に分け入って

新緑に包まれているだけで、私はそれだけで至福を味わうことが出来る。

 

 GWのはざま、奥武蔵の新緑を味わってきた。

  尾根道に咲いていたハウチワカエデの花

 

 飯能の奥にある名栗ダムから山道に入り林道を有馬峠まで登ってきた。 

新緑の薫る林道には薫り高い木の花が咲き始めている。

フジの花

 

 甘い香りのニセアカシアの花も今が盛りだ

 

 

 ヤブデマリの花

 

 ウツギの花も咲き出した。

 

 これはホオノキの花

 

 ガマズミの花だろうか

 

 五月に咲く木の花は殆どが白い花なのだが、ヤマツツジの花は別。

 

 林道で出会えるのは木の花だけではない。

ミツバツチグリ

 

 タチツボスミレ

 

 ニリンソウの花も1000mを越えたここではまだ見られる

 

 ヤマハコベ

 

 クワガタソウもある程度は山を登らないと出会えない花だ。

 

 沢筋にはヒメレンゲが金色の絨毯を敷いていてとてもきれいだ。

 

クワガタソウとヒメレンゲ

 

 有馬峠まで登ってきた。結構人が多い。。以前は人に出会うことは殆どなかった所だが、

最近はバイクヤ自転車乗りの人がやけに多い。どこかの雑誌で紹介されでもしたのだろうか。

 

 遠くには登ってきた名栗ダムの湖が見える。

 

 それにしても素晴らしく新緑がきれいだ。これだけで登ってきた甲斐があったというものだ。

 

 ここまで来ると標高は1200m近くになり、季節は一挙に一か月ほど遡り早春となる。

ミネカエデの花

 

 黄色と黒のキンモンガ

 

スミレもまだ見られる。これはマルバスミレだろうか

 

 フモトスミレも咲いていた。

 

 有馬峠から山道を日向沢の峰まで登る。道沿いにはたくさんのアセビの花が見られた。

 

 

 下の名栗ダムの付近ではとうに散ってしまったミツバツツジもここでは今が旬だ。

 

 

 そして何よりも見たかったシロヤシオ。今では奥多摩や奥武蔵でも珍しく、残念ながら

見られる山は少なくなってしまった。

 

 

 

 上品な佇まいを持つシロヤシオ、別名はゴヨウツツジともいう。

 

 ゴヨウは五枚の葉のこと。

 

 峠から小一時間ほど登っていくと尾根道に出る。

 

 一定の幅に刈り取られた防火林帯にはムシカリの花が咲いている。

 

 ハウチワカエデの深紅の花

 

 

 尾根道は広々としていて歩きやすく、ひんやりとした風が吹き抜けていくのが気持ち良い。

これが味わいたくて この味が忘れられなくて何度も何度も山に登ってしまうのだ。

 

 マイヅルソウの花穂が見える。もうすぐ可憐な小さな白い花を咲かすのだろう。

 

 

 日向沢の峰まで来た。

 

  嬉しいことに遠くに富士の峰が望むことができた。

  暫く富士を眺めながら、持参してきたおにぎりを新緑の香りとともに食べた。

 この年になると、あと何回こんな景色を見ることが出来るのだろうかとつい考えてしまう…。

 時が流れてしまうのが溜まらなく惜しかった。

 

 この辺で。

 

 

 

 

 


新緑の浅間嶺を歩く

2018-04-22 08:14:55 | ハイキング

 払沢の滝入口駐車場に車を止め、近くのバス停からバスに乗った。

降りたバス停は人里とかいてへんぼりと読む。4月中旬になったばかりの

この時季、薄紅枝垂れ桜が見事だった。

 

 小さなの中を縫うようにして急坂を登っていく。途中たくさんのスミレたちが

出迎えてくれた。

一番多いのはタチツボスミレ

 

 葉の細長いのが特徴のナガバノスミレサイシン

 

 白色系のマルバスミレ

 

 ヒナスミレはスミレのプリンセスのようでとてもかわいらしいスミレだ。

 

 一番早く咲くアオイスミレも僅かながら見られた

 

 このとりわけピンク色の濃いスミレはアケボノスミレだ

 花が咲いてる時期でも葉が完全には開かないのが特徴。

 

 一時間もかからず尾根道にたどり着いた。見晴らしの良い尾根道を

30分歩いて浅間嶺山頂麓の休憩所に着く。

 

  休憩所付近に咲いていたエイザンスミレ。ここのスミレは何ともきれいな美人顔をしていた。

 

 もう一つこの付近で出会ったのがこのスミレ。とても距が長いので

アカネスミレのようだが……自信はない。

 

 一息入れてから頂上へ。下向きに咲くカジイチゴにミヤマセセリが

アクロバットのように必死に取りついている。

 

 地面近くには大きな花弁のクサイチゴ

 

 蕾が殆どだったが、この付近でもやっとチゴユリが咲き出したようだ。

 

 浅間嶺のピーク、標高は890m。

 

 向かいに見えるのは御前山、右のピークは大岳山だろうか

 

 なだらかな尾根道にはたくさんの花々が見られる。

道沿いの日当たりのよい処にはフデリンドウ。

 

 ヒトリシズカ、アズマイチゲ、ヨゴレネコノメと次々と顔を見せてくれる。

 

 

 

 北向きの傾斜地にはカタクリの群生地があったが、

残念ながら花は落ち既に実をつけていた。

 

 緩やかに下り始める。薄暗い林床にはエンレイソウが咲いている

 

 ヤマエンゴサクとミヤマキケマン

 

 

 

 ヤマルリソウにも出会えた

 

 薄暗い針葉樹の森を抜け、見晴らしの良い場所に出た。

ここに立つ峠の茶屋は今回も閉店中、何回か来たが空いているところを見たことはない。

 

 ここからは幅の広い林道に出た。左右の山裾には新緑が輝いている。

 

 

 夏を思わせる日差しの強さだが、微かに甘い香りを含んだ風が

吹きすぎていて火照りを覚ましてくれる。心地良い。

 あぁ できれば時間を止めてこのひと時をしばらく味わっていたい。

 

 頭上にはツクバネウツギの花が咲いていた。

 

 甲州古道の一部となっているこの道には野仏も多い。

 

 時坂峠を過ぎると浅間林道をくねくねと下っていく。標高は300m位、

まだ桜が見ごろだった。

 

 ゆっくり歩いて4時間、思いもかけないほどたくさんの花たちに出会えた。

行きかうハイカーも少なく静かな歩きを楽しむことが出来たのが嬉しい。

 久しぶりの良い山行だった。  この辺で。

 

 

 

 


春の妖精ーギフチョウ

2018-04-18 05:59:04 | ハイキング

 梅で始まった春も、小下沢のハナネコノメ、城山のカタクリ、ソメイヨシノ、更には

野川の枝垂れ桜、奥多摩の一角に咲くイワウチワ、奥武蔵のアカヤシオ、そして

高尾山のタカオスミレとどんどんとステージが進んできた。

関東でもわずかに残されたギフチョウを訪ねたら、私的には今年の春の仕上げとなる

 

 

 この日は風もなく、晴れあがった絶好のギフチョウ日和の日。さっそく東京近郊の

里山の雰囲気の残る場所までやってきた。

 ヒトリシズカが咲いている

 

 

 シュンランはやや終わり頃か

 

 ヤブレガサも見られる

 

 菫も数種咲いている。

 

 これはキランソウ

 

 木の花も少しずつ咲きだしていた。ウグイスカグラ

 

ミツバツツジ

 

 ヤマツツジ

 

 山に分け入ってすぐに、むき出しになった木の根に止まっているギフチョウを見つけた

 

 

 ギフチョウの雌雄判別は私にとっては難しい。♂は毛深いとか、翅の先が

とがっているとかいうのだが、どうも見分けがつかない。

 

 今年は春の進みが早いようで、4月上旬にしてはたくさんのギフチョウが飛び交っていた。

 

 ほんとは飛んでいる写真や吸蜜している写真、交尾している写真などが

撮りたかったのだが……

 

  この日はそんな幸運にはめぐり合うことが出来なかったが、

 まぁ出会えたそれだけでもましというものだ

 

  数分飛び続け、縄張り争いを繰り広げ、疲れると枯葉の上で一休み

 

 

  今年も元気に飛んでいる姿を見られたら、もう何も言うことがない。

 

  短いがこの辺で。